ミューズの声聞こゆ

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ボニー・ブルー・フラッグ

2021年08月09日 | ジョン・フォード

 この世で一番美しい名前はたぶん、ニック・ロウが娘につけたティファニー・アナスターシャ・ロウか、「風と共に去りぬ」の中でレット・バトラー船長が最愛の一人娘につけたボニー・ブルー・バトラーだと思う。

北部との戦争に否定的だった彼があえて南軍旗の別称ボニー・ブルー・フラッグにちなんだその心意気というか、祖国への思い。これにはスカーレット・オハラならずとも、胸打たれる。

 下の映像は、「ゴッズ・アンド・ジェネラルズ」(2003年)という南北戦争を扱った日本未公開作のワンシーン。

リー将軍(ロバート・デュバル!)率いる総司令部への慰問団の小芝居(北軍側のリンカーン大統領を揶揄した内容)のあとに、南軍歌「ボニー・ブルー・フラッグ」が歌われる。

歌って踊る男女二人があまり見かけない顔だったので調べてみたところ、男優はデーモン・カーシュというブロードウエイ・ミュージカル俳優で、女優の方はダナ・スタックポールといい、青森県三沢生まれだそう。ということは、軍人または軍属の娘か。

 

 

 ジョン・フォード監督の傑作「捜索者」は、南軍に従軍し、戦争が終わってもなかなか復員してこなかった乱暴者のイーサン(ジョン・ウエイン)が帰郷するシーンで幕を開けるのだが、そのバックに「ボニー・ブルー・フラッグ」がゆるやかに流れている。

イーサンと弟の妻マーサの間にあったことは、映画では全く語られていないが、万感の思いがこもった額へのキスを観るたび、泣いてしまう。

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