ミューズの声聞こゆ

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ブルースの日

2024年06月14日 | ブルース

「ブルースはロックの親父やけん、リズム&ブルースは叔父さんや。6月9日はロックの日やろ? 6月10日はブルースの日ったい。」

昔、マコちゃん(鮎川誠)が下北沢音楽祭のステージ上で言い放った。

以来、僕はこの日が来るたび、ぼんやりとだが、今日はブルースの日やね、と思う。

 初めてブルースの生ライブに行ったのは高円寺のライブハウスJIROKICHIで、1981年の冬だった。

まだ二十歳そこそこだった僕は、入場した途端、あー、やめればよかったと後悔した。

スカスカの客はみな長髪の年長の男性たちで、むさくるしいことこの上ない。

さらに、テーブルに着くと、常連らしい隣の客からさっそく話しかけられた。

おにいさん見かけない顔だけど、初めて?

はい、こちらに来るのは初めてです。

どんなレコード聴いてるの?

(来たよ、ここで間違えたらさらに地獄の時間になる。)

「スリム・ハーポとか、ジョン・リー・フッカーとか、ブギーが好きです。「ラスト・ワルツ」を観てポール・バターフィールドがカッコいいなと思っています。」

この返答が意外にも気に入られたらしく、若いのにセンスいいねと褒められた。

嬉しかった。

さらに嬉しかったのは、ステージに登場したホトケ(永井隆)の1曲目が、リトル・リチャードの「シェイク・ア・ハンド」だったこと。

当時スぺシャリティ・レコードから復刻発売されたばかりの初期オリジナルアルバム3枚の、3枚目に収録されているロッカ・バラードだった(のちにポール・マッカートニーもカバーしている)。

マディ・ウォーターズやウイルソン・ピケット、ルーファス・トーマスのカバーで大いに盛り上がったこの夜を境に、僕はさらにブルースのレコードを買い漁って行くことになる―。

 

再結成されたウエスト・ロード・ブルース・バンドの、たぶん1984、5年の映像。ホトケのスーツに見覚えがある。マディ・ウォーターズの「Ⅰjust want to make love to you」。

 

 

 

マーティン・スコセッシ監督「ラスト・ワルツ」(1978年)より、ザ・バンド+ポール・バターフィールド(ボーカル&ハープ)の「ミステリー・トレイン」。

 

 

 

 

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