ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

建物

2016年08月29日 | シェイクスピア

 父親が60代にさしかかるころから時々、オレはあと何台車に乗れるのかな、と口にしていた。
あの年代にとっては、あと何回買い替える事があるのか、イコール、何回グレードアップできるのか、という意味を含んでいる。
そのたび僕は、自分で稼いだお金だし、一生は一回なのだから、気の済むように欲しいものを買ったらいいじゃない、と言ってきた。
 僕自身はというと、車については好き勝手にしてきたので何の悔いもなく、最後はアストン・マーチン(ボンドカー)かもね、と大きな独り言を口にしては、家族を震え上がらせている。
 父親と同じように思うのは、建物だ。
事情があって20代後半から建築業界に身を投じ、さまざまな建物を手がけた。
明らかに失敗作もあったし、意に沿わないものも作った。
この業界に転じてからも、大小各種施設を建設してきた。
震災もあってその期間が通常より長く続いたが、それも終わりに来ている。
あといくつ、建物を作ることができるのかな。
またひとつ、親の気持ちが分かった気がする。


「大草原の小さな家」の、いわゆるワンルーム・チャーチ(教会兼学校)


ケアプランセンターぽらん(流失前)


シェイクスピアが座付き作家だったグローブ座(ペーパークラフト)


映画「摩天楼」

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マジックタイム | トップ | ニューフェイス »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。