このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「僕は彼女をパールと呼んだ。彼女の誕生日にちなんだ、ちょっとしたジョークだった。ねえ、パール、きみは本当におしゃれだね。そうかな?真紅のセーターにツイードのパンツ。あるいは、ヘレン・カミンスキーの帽子にクリーム色のトレアドール・パンツ。漆黒のボブ・カットの彼女は、非常に顔の輪郭が濃く、深いまなざしをしていた。
このコロナ禍の中で、要らないものをどんどん捨てた。真っ先に捨てたのはやはり洋服だ。捨て過ぎて、スカスカになってしまうのでは、と何度も心細くなりながらの作業だったが、数日後、終わってみると、表現がおかしいかもしれないが、ワードローブがひどく濃くなっていた。本当に好きなものばかり残って、どれから着ても、僕そのものだった。
パールにそれを話すと、そういうものよ、とにっこり笑った。
そういうものなのか。」