このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
出張で私の住む街にやってきた父と、久しぶりに二人で夕食をとった。
何が食べたいか尋ねられた私は即座に牛タン、と答えた。
でもパパは肉類を一切食べないからなあ、と続けると、大丈夫、別のアラカルトもある店を選ぶから、との返事だった。
高級レストラン風の専門店の予約席に座り、私は厚切り牛タン定食を、父は松茸の釜飯とチーズ盛り合わせをオーダーした。
「お茶碗を二つね。」
父が付け加えた。
それぞれの料理がテーブルに届くと、父はしゃもじで釜飯を手際よく切りまぜ、茶碗に盛り始めた。
「あ、私は麦飯もあるから少しでいいわ。」
「麦飯は残してもいいので、こちらから食べなさい。」
「だって、、、。」
私たち兄妹は父からご飯を残さないようしつけられていた。
東日本大震災以降は特に。
「今夜はいいよ。麦飯だしね。でも、お兄ちゃんやママには内緒だよ。」
私は笑った。
料理はとてもおいしく、店の内装は素敵だった。
それから思った、こんな風に私を甘やかすひとに、果たしてこれからもう一人出会うことができるのだろうかと。