長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

佇むひと

2022年06月22日 22時32分13秒 | 美しきもの
 〽ベランダの隙より見れば サッシの下に色殊なるサナギの
  今を盛りと見えて候
  立ち寄り眺めばやと思ひ候





 …夕暮れ時はこのような塩梅でしたが、夜更けて夜目に透かして見れば、墨のように黒くなっておりました。
 翌朝、ふと目が覚めましたのが寅の刻。





 〽檸檬に戯れ 匂ひに交はる
  胡蝶の精魂 現れたり



 〽詩歌管絃の御遊を催し 眺め絶えせぬ花の色





 一時間ほどの間にだんだん翅が伸びて参ります。





 二期作(?)次世代のレモンアゲハの緑くんも、未だ夢のなかから応援中。



 二時間ほども経ったでしょうか、



 〝わが翼をご覧ぜよ″



 〽草木の花に心を染め 梢に遊ぶ身にしあれども
  深き望みのある身なり

 それから更に一時間ほど、前脚で頭をこすっているかと思いましたら、体液を排泄し、やにわに羽ばたき始めました。
 そしてついに、明るい向こうへ…



 〽人目稀なる木の下に 宿らせ給へ 我が姿
 夢に必ず見ゆべしと…



 〽明け行く雲に 翅うち交わし
  霞に紛れて 失せにけり



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