長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

群生

2019年04月01日 11時00分00秒 | きもの歳時記
 ♪3月31日と4月1日の間に~~~と、歌い飛ばすにはつらい、制度の替り目が在って。
 じたばたしているうちに平成30年度は仕舞ってしまった。

 仕方ないので花見しょ、とお向かいの公園へ、桜のご機嫌伺いに。
 ふと見ると、昨年まで天南星が咲いていた傍らに、なんと今年はカタクリが咲いているではありませんか。



 なんとまぁ、めずらしい。
 20世紀から21世紀にかけて、カタクリの花が咲く、というと珍しいので埼玉県の群生地が必ずニュースになっていた、その便りを聞かなくなったなぁ…とふと思い立って、お彼岸の青青会@杉並能楽堂へ、稽古の都合もあって、もう何年かぶりでカタクリの織り帯を締めて行ったのがつい10日前のこと。
 まぁ、片栗の帯ですね! と声をかけて下さった見所の有難い見知らぬタバリシチに、絶滅種のシンパシーをしみじみと。
 これはもう25年前、上野の広小路の佐野仁さんのショーウィンドウで一目惚れして求めた黒地の八寸でした。
 きものの柄の約束事の一つに、四季折々の花はシーズンに先駆けて装う、というものがありまして。



 ただし、桜はその限りではない。
 …そんなお話を始めるとキリがない。
 街に、季節感を感じるきもの姿が少なくなったのが、平成も半ばから末年頃のことでした。(守貞漫稿風記録)

 雨という天気予報が、思いのほか晴れ晴れとして、平成31年度4月の最初の空に雲は流れゆく。




 

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