長唄には指揮者がいないのに、なんでぴしっと合って演奏できるんでしょうか?という質問がよくある。
雛壇の正面、中心を境に上手に三味線、下手に唄。中心の三味線がタテ三味線、お隣がタテ唄。このタテ三味線が、オーケストラでいうところの指揮者とコンサートマスターを足したような役割を担っている。
タテから数えてワキ、三枚目、四枚目……一番端っこに座る人をトメ、といい、巻軸(かんじく)ともいう。
ワキはとにかく、司令塔であるタテの意向を、三枚目以降の人に伝えなくてはならない。隣の人の音を聞いてそれに合わせていたんじゃ遅い。どうしたってズレてしまう。
撥を揃える。これが基本である。どんなに多人数で弾いていても、一人が弾いているように聞こえなくてはならない。
で、トメの人は一番修業年数が少ない人かというと、さにあらず。
多人数が撥を揃えて弾いても、みんながみんな同様の腕前というわけにはいかないから、中弛みが出たりする。「あれ?音がずれて聞こえてるよ」と、いっこく堂が言うような場合が生じたりするのだ。
これを阻止し、タテの意向を気取り、ぴたりとタテの撥に揃えて、端っこで音の暴動を抑える重責を担っているのがトメの役割なのである。だから、演奏効果を高める上調子や替え手などを、手慣れた感じで入れることのできる熟練さが要求される。
掛け軸を床の間に飾るとき、また、巻くとき、巻物の軸があるからこそ、キチンと下に垂らすことができ、きっちり巻くことができる。
そんな重要な職責を持っているのが、巻軸である。
雛壇の正面、中心を境に上手に三味線、下手に唄。中心の三味線がタテ三味線、お隣がタテ唄。このタテ三味線が、オーケストラでいうところの指揮者とコンサートマスターを足したような役割を担っている。
タテから数えてワキ、三枚目、四枚目……一番端っこに座る人をトメ、といい、巻軸(かんじく)ともいう。
ワキはとにかく、司令塔であるタテの意向を、三枚目以降の人に伝えなくてはならない。隣の人の音を聞いてそれに合わせていたんじゃ遅い。どうしたってズレてしまう。
撥を揃える。これが基本である。どんなに多人数で弾いていても、一人が弾いているように聞こえなくてはならない。
で、トメの人は一番修業年数が少ない人かというと、さにあらず。
多人数が撥を揃えて弾いても、みんながみんな同様の腕前というわけにはいかないから、中弛みが出たりする。「あれ?音がずれて聞こえてるよ」と、いっこく堂が言うような場合が生じたりするのだ。
これを阻止し、タテの意向を気取り、ぴたりとタテの撥に揃えて、端っこで音の暴動を抑える重責を担っているのがトメの役割なのである。だから、演奏効果を高める上調子や替え手などを、手慣れた感じで入れることのできる熟練さが要求される。
掛け軸を床の間に飾るとき、また、巻くとき、巻物の軸があるからこそ、キチンと下に垂らすことができ、きっちり巻くことができる。
そんな重要な職責を持っているのが、巻軸である。
不思議だったのです。
演奏中に、皆さん、横を見たりしないし・・
書画以外でも「巻軸」という言葉をつかうなんて。
勉強になります。
ありがとうございます。
「お稽古の…」という表題に即した話題も入れなくては…とやや強迫観念が生じ、まじめなことも書いてみました。
根が三の線なので、またすぐ逸脱しますが……。