長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

犬の寺(山陰柴八犬伝)

2018年03月05日 21時12分20秒 | ネコに又旅・歴史紀行
 さて、2012年10月の末に訪れました折のご案内をば。

 日本国 鳥取県 倉吉(くらよし)市はこの辺りにあります。



↑倉吉観光案内所で頂戴した観光案内冊子の最終ページの地図です。

 そして、倉吉の歴史的景観地区の地図はこちら↓



 鳥取県観光連盟で無料配布している、山陰鳥取・鳥取県観光ガイドマップの一部分です。

 右端のフキダシを、鳥取空港からレンタカーに乗って移動していた車中で発見した時は、驚いたの何の。

 そしてこちらが萬祥山大岳院、曹洞宗のお寺です↓



 山門にすてきな木鼻(外側に出張ってる柱の端っこのこと)がありましたので、アップで撮ってみました。

↓まず右側。


↓そして左側。


 獅子のような狛犬のような…お犬様でしょうか。めずらしい意匠です。
 お邪魔しまして…ご廟所の所縁書。



 そしてこちらが、里見忠義公と八賢士の皆さまのお墓です。




 あれ? お墓のかたわらに忠犬ハチ公のように佇む、お犬さまが…↓



 寄ってみましょう。



 そして、こちらにも…↓



 お墓の傍らの、築地の向こうにも…↓



 さらに、振り返れば…

 ふり向けば、イヌがいる…↓



ちょうど渡る世間はハロウィンだったので、奥の外縁に唐茄子の細工ものが見えます。

 そしてまた、ふり返れば木陰に…↓



 さて、墓所の正面にもどって、本堂を拝みますと↓



 おぉっ!! この手前のものは、ひょっとして…!!!



 はい、八つの玉の文字「仁 義 礼 智 信 忠 孝 悌 (じん ぎ れい ち しん ちゅう こう てい)!」
 
(この並びがいちばん言いやすいので、私はこの順番で憶えています)

 ぇえと、ここまで六犬士、あと二士はいずこに…



↑本堂の傍らに、そして…



↑皆、このようにして、里見忠義公のお墓のほうを向いておりました。


 滞在中、偶然にも、三朝温泉の宿で見ておりましたローカル局TV番組で、この週末、山陰柴犬(さんいんしばいぬ)の品評会があった…というニュースを聴きました。
 この山陰柴犬は、シバ犬なのにしっぽがくるんと巻かないのが特徴だそうです。

 40年ほど前には絶滅の危機に瀕していたのですが、現在120匹ほど(いえ、200匹だったかもしれません…一度聞いただけで失念…不確実で申し訳ない)まで、増えたそうな。

 大岳院の犬くんたちのしっぽが脳裏に浮かび、天祐のような豆知識ガイドの廻り合せに感謝しました。



 倉吉市内の蔵元、元帥酒造(げんすいしゅぞう)の「八賢士」にて、献杯。
 横綱・琴桜の銅像の広場から、つらつらと街並みを歩いておりましたら、お店に行き当りましたのです。

 ちなみにこちらのお店では、戦艦三笠の甲板での、有名な肖像画をラベルにした、東郷平八郎元帥ゆかりの「元帥」というお酒が主力銘柄らしいです。

 そいえば…日露戦争の折、海軍の東郷元帥と並び称された、陸軍に乃木希典(のぎ・まれすけ)という軍人さんがいました。
 この方は、何度も失策して多数の戦死者(彼の子息も戦死)を出してしまうのですが、それでも明治天皇は彼を留任し、乃木は艱難辛苦の末、旅順(りょじゅん)という重要な地点を陥落させます。

 失敗しても、すぐに解任せず、自分の使命を遂げさせてくれた明治天皇への恩義を忘れず、この方は、明治天皇が崩御したとき、殉死しました。

 …里見八犬伝ゆかりの町、倉吉。

 「忠義」の二文字に、さまざまなことを想う旅でした。



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