長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

あなたに、似た人

2023年03月26日 23時11分58秒 | お知らせ
 早や、…あれは三年前♪ のこととなりましたが、
こちらのブログでもご紹介以来(20/09/27付)、思い掛けなくたくさんの方々にご観覧たまわりました、
【アートにエールを!東京プロジェクト】動画の専用サイト(https://cheerforart.jp/)が、
今年度末、3月31日をもって閉鎖されることとなりました。

 申請から制作まで短期間のことで、撮影や演奏の至らぬことなど見返すたび…汗顔の至りでしたが、
横山實先生の素晴らしいコレクションをじっくり眺めさせていただける嬉しい機会ともなり、
映像の断片を一曲にまとめ上げて素敵に編集して下さった、鈴木翔媛くんにも深く感謝する次第です。
 ご覧になって下さった皆さまにも、厚く御礼申し上げます。
 ありがとうございます。

 さて、実は“長唄絵合せ/リモート編『風流船揃』”の画像の中に、私は、懐かしいお顔をお見掛けしておりました。
 渓斎英泉「両国橋夕照」の、屋形船にて祇園守(ぎおんまもり)の紋覗きの扇子を、鷹揚と広げた、おじさま。

https://cheerforart.jp/detail/6833

 口角を少し下に捻じ曲げた皮肉な感じの表情をつくったお顔立ちが、役者絵でよく見かける四代目・中村歌右衛門によく似ています。
 祇園守も成駒屋のトレードマークですし、これは……!!
 絵の中に、当時の人気役者の似顔絵を仕込んだのか、本人ではなく、物真似をする芸人の設定で描いたのか、
 いずれにせよ、絵師・英泉の洒落ごころの所産に違いはないと思われて、二人の接点を生存年から探ってみました。

 四世歌右衛門:寛政十(1798)年~嘉永五(1852)年
 渓斎英泉  :寛政三(1791)年~嘉永元(1848)年
 ほぼ同時代に生きたお二方。
 何らかの交流があったことは間違いないのでは…と、公開直後の2020年秋、英泉の伝記などを入手し、歌舞伎年代記などとも閲し比較研究してみよう…と思っていたのですが、思ったままで……時は流れた~♪

 ご興味、また、お時間がありましたら、ご確認くださいませ。
 舟揃い、二上りの7分30秒あたりから、成駒屋かも? のイケオジ様アップは8分20秒あたりにございます。

 はるか時を超えて、絵のなかの、“あなたに似た人”に、めぐり合えた嬉しさに。


 (気になりながら伺えぬまま会期が本日、終了してしまった太田記念美術館「広重おじさん図譜」展のオジコレ投票結果も気になりますが…)

写真の説明:もう20年以前、横山實先生のコレクション展が高輪プリンスホテルで開催されました折のスナップ。
      伊東深水の、六世中村歌右衛門as京鹿子娘道成寺・白拍子花子と一緒に撮影して下さいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする