長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

和をつむぐ

2020年09月05日 07時40分22秒 | お知らせ
 世の中の発想の基本的な立脚点が、日本の慣習でできていた20世紀とはだいぶかけ離れてきたなぁ…と、実感する事どもをつらつらと書き連ねてまいりましたが、思いがけないところから、これでもか…と放射されますと、言葉を失います。

 たとえば、プロ仕様の三味線は、欧米の、ピアノのようにスタンウェイ…などのようなブランド品があるわけではありません。
 自分が代々お世話になっている三味線屋さんや、お気に入りの三味線屋さんがあって、いつもそこにお願いしています。
 現代の感覚ですと、三味線屋さん=三味線を売るところ、と思っている方が多いですが、わたくし共の感覚では、三味線屋さんは、三味線を拵えてくださるところ、です。

 また、ヴァイオリンのストラディバリ…のように、古えのギルドマークが重用されるということもありません。
 三味線は古くなると音が枯れるのです。楽器ですが道具ですので消耗品です。
 また江戸時代からの職人気質というものがあって、自分の作に個人の銘を入れることはありません。無銘が誇りでもあるのです。
 自分の技術は自分一人のものではなく、先人の知識と技の集大成です。

 楽器に限りませんが、日本の文化を支えているものは、個人経営の零細企業なのです。
 現行の社会の仕組み・情勢から鑑みるに、日本の文化は絶滅危惧種ではなく、すでに滅んでいるのではないでしょうかねぇ…

 …などと思いながらも、我らがDNAが、やわらぎ、やすらぐ、古典邦楽を、このような殺伐とした時代であるからこそ、お伝えしたく、本日は実に…半年以上の空白期を越えましてご案内申し上げます。

  【和を紡ぐ邦楽と舞踊】
 令和2年 9月6日 今週末の日曜日です。
 武蔵野公会堂ホール 吉祥寺駅南口徒歩2分 〇I〇I東どなりです。
 開演12時  会場は午前11時半です。

 第1部 12時~長唄舞踊 老松/惜しむ春/ペーパードール/蓬莱
 第2部 13時15分ごろ~邦楽と舞踊 筝曲・千鳥の曲/尺八本曲・越後明暗寺伝三谷/大和楽舞踊・江戸の祭/清元舞踊・玉兎/大和楽舞踊・扇売り
 第3部 14時50分ごろ~邦楽 地歌・夕顔/長唄・勧進帳
 第4部 15時40分ごろ~舞踊 地歌舞踊・八千代獅子/長唄舞踊・供奴/長唄舞踊・秋の色種

 各部の間に、15~20分の換気休憩時間がございます。
終演は16時30分を予定しております。

立方は武蔵野日本舞踊連盟、地方は武蔵野邦楽連盟でおおくりいたします。
 主管は上記2団体、武蔵野市民芸術文化協会、武蔵野市教育委員会の共催です。

 入場は無料ですが、関係各省庁のご指導を受けまして、入場者全員に検温と問診票の記入、マスクの着用が必要となります。
 ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
 また、各部ごとに換気の時間を設けさせていただき、劇場内の環境保全に努めます。
 客席は前後左右チドリにて設営させていただきます。
 劇場内での飲食はご遠慮願います。

 皆さまの愉しみとなります、心安らぐひと時を紡ぎだせますよう、さまざまに配慮しつつ勤めます。
 ご来場をお待ちしております。
 ありがとうございます。
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