3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

3次元CADを使った業務効率改善 モデリング5(履歴)

2007-02-13 00:31:20 | Weblog
履歴について
履歴を見ただけでその人のモデリング力が分かるというぐらい履歴はその人の個性や実力を現しています。
最近では、マシンの性能が上がりましたので、履歴についてあまり気にする設計者,CADオペの方は少なくなってきました。
しかし、良い履歴を覚えることによりエラーやワーニングの少ないモデリングが可能となり、業務効率も変わりますので是非良いモデリング力を身につけてほしいと思います。
私が考える良い履歴について述べますので、参考にしてください。
「履歴は機能毎にまとめる」
モデリング初心者は、一つのパーツ(部品)を作製する場合、履歴は直線的になりがちです。
これは、パーツを考えながら作ってしまうとこにより、このような状態となってしまいます。
この状態でモデリングの始めのフィーチャーを変更すると、それ以降のフィーチャーが更新の対処となってしまいます。
これでは、変更するフィーチャーとは関係のないフィーチャーまでもが更新されてしまい、関係ない場所で拘束された変更フィーチャーとは関係のないフィーチャーがワーニングやエラーとなることがあります。
これを回避する方法として、履歴は機能毎にまとめ、後で結合するモデリングをしましょう。
このことにより、履歴は直線的にならず、フィーチャー変更時の更新が早い,ワーニング、エラーの少ないモデリングが可能となります。
このモデリング方法をマグカップで考えると、機能としてはカップ(液体を蓄える)とグリップ(手で握る)とに機能は分かれます。
カップとグリップは全く別の機能ですので別々に作成しても問題ないでしょう。
カップ部は、液体を蓄える部分ですのでそのぐらいの容量を蓄えるかが設計として考えなくてはならない仕様であり機能となります。
これが、履歴のはじめの方にフィーチャーとして存在し、カップのデザインは機能としては下の方になってきますので後のフィーチャーとなります。
また、グリップ部は人間の手で握る部分ですので、指を何本入れて握るのか、持った時に重さに耐えられるかが設計として考えなければならない仕様であり機能となります。
そして、握ったときに痛くないように角を丸めるなどは機能としては後になりますので後でモデリングします。
それから、カップ部とグリップ部を各々設計し、有る程度カップ部とグリップ部の形が決まれば各々を結合してマグカップの原型を作ります。
この時に、マグカップの機能としては液体を入れる容器ですのでカップを基準としグリップをカップに対して位置を関連付け結合します。
後に、カップに入る液体の容量を変更するため外形を変更しても、更新作業はグリップにまで及びませんので、更新時間の短縮になりますし、ラーニングにもなりにくいモデリングとなります。
このように、履歴は機能毎にまとめる事により、修正に強い、モデリング力ができます。
今回で、モデリングについては終わりますが、モデリングについて重要なことは「基準を明確にする」と「修正することを前提にしたモデリング」です。
今回までのモデリングについてで、皆さんの参考になれば幸いです。