3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

CAD利用技術者試験 愛弟子奮闘記0424

2007-04-24 23:39:59 | Weblog
 愛弟子を教育するために定期的に課題を出しているのだが、それを同じ部署の若手が私にも回してくれとを言ってきた。
そのため、その部署の若手に愛弟子と同様の課題を出すことにした。
課題は前回愛弟子に行ったものを出したのだが、そこで分かったことは、若手は外形線は問題なく掛けるのだが、隠れ線がうまく描けない。
三面図で描いたら隠れ線が無くても形状は把握できるが、ここは欲しい隠れ線である。
3次元CADでは自動で隠れ線を描いてくれるため、意識することが無くなってきたためなのか。
とはいうものの、愛弟子と若手とのスキルには大きな差が生じているため、若手のレベルに合わせた課題を先週より出している。
幾何公差の基礎についての課題を2週に渡って出題したが、今度は愛弟子が付いてこれない。
元々愛弟子を教育するためにスタートしているため、連休明けからは愛弟子用に再び三面図に戻そうと思う。
若手には、復習という意味で頑張って欲しい。
そのうち、難しくなる。

CAD利用技術者試験 愛弟子奮闘記0417

2007-04-17 23:33:06 | Weblog
 まだ、愛弟子はCAD利用技術者技術試験に申し込んでいないため、時間をとっての講習は行っていないが、愛弟子の不得意とする空間把握能力を向上するために今回は「等角投影図で描かれた立体を第三角法で書け」という簡単な問題を6問程度出題した。
実技問題は図面を見ながらモデリングしなければならないため、図面から素早く3次元形状を想像しなければならない。
そのための1つの練習として、三面図から斜視図、斜視図から三面図を描く訓練が効果的と私は思っている。
今回は、特にひねったつもりはないのだが、見えているはずの線が無い、隠れ線が全くない、など残念なが中学生以下のレベルとしかいえない結果であった。
愛弟子は、ここに来るまで機械図面を見たこともない初心者であるが、これは私が以前教えたはず・・。少し残念。
愛弟子は本気でやる気なのかどうか今ひとつ分からないため、ここは出方を待つことにしたい。
試験を受けるのは私ではなく愛弟子なのだから。

自動車業界の動向2007-4

2007-04-14 22:33:48 | Weblog
最近のJAMA(日本自動車工業会)JAPIA(日本自動車部品工業会)の動向
昨年までJAMA,JAPIAはPDQについていろいろな調査及び改善活動を行ってきたが、最近ではPDM(product data management:データを統合的に管理するシステム)の活用方法についての検討を行っている。
PDMについて簡単に説明すると、各個人や部署が持っている情報を一元管理し、関連する部署の人間が必要な時に必要な情報を容易に見ることの出来るシステムであり、近年各製造業界においてこのPDMが注目を集めている。
PDMを活用すると、既存部品の活用や図面の管理、部署を越えた情報共有などが行うことが出来、製品開発の一連の作業効率がUPすると言われている。
しかし、このシステムを構築するには多くの問題が有り、それらの問題に対しJAPIAは各PDM主要ベンダーの性能を比較検討している段階である。
以下は私が考えるPDMの主な問題
・異なるCADのデータ管理方法
・CADのバージョンUP時の対応
・膨大な情報の検索
・データのアクセス権限
・データの修正権限


JAPIAの情報交換会で、CATIA系のPDMツールSmarTeamのベンダーであるダッソー社がCATIA系のPDMと、I-DEAS,NX系のPDMとの比較を行いその結果の報告を行っている。
その内容は、もちろんSmarTeamが優れているという報告であったが、各社はダッソー社の偏見が出ていると反発したとのこと。
調査内容の詳細はマル秘だったらしい。

PDMは多くの問題が存在し、その問題を一つ一つ潰していくのは大変なことである。
前回のJAMA、JAPIAが行ったPDQの結末のように、自動車メーカは「自社が使っているCADデータでしか受け取らない」などといった、殿様的な結末にならないことを祈る。




CAD利用技術者試験 愛弟子奮闘記

2007-04-10 23:25:49 | Weblog
今日から3次元CAD利用者技術試験、実技試験に向けて愛弟子を教育する。
愛弟子は、3次元空間把握問題が不得意なので、ここを重点的に鍛えようと思っている。
まだ、試験の申し込みを済ませていないため、20分程度で解ける問題を出すことにした。
簡単な問題ではあるが、頭の中を3次元にする方法としてはこれがもっとも良いと方法と思っており、私はよくこれを用いている。
それは、サイコロだ。
サイコロの絵を見せて正面の数字の裏の数字を当てる。その裏の数字の向きも当てさせる。
その時に使用した図の1つを添付するので当ててみてください。
「当てる数字は1,2,3の裏の数字でその数字の向き」

学科試験については、公認のテキストを読めばここから90%は出題されるので、あえて一から教ずに分からないところのみ教えることにする。
その方が自分で勉強をするであろうし、理解するのにいろいろと調べたりもするため忘れにくくなる。
本格始動は、申し込みが終わってから。

釣りと3次元CAD技術力UP

2007-04-07 14:38:27 | Weblog
私の趣味は釣りであり、月に何回か釣りに出かける。
釣りは、日によって釣果が大きく変化するが、その釣果を左右するのが潮と言われている。
今日は潮が悪いとか、良いとか言って、釣果を潮に結びつけてはいるが本当のところ潮については誰もよく分からない。
大潮の時に良く釣れるとか言ってはいるが、釣れないときもあるし、中潮が釣れるという人もいる。

私には釣りの事についていろいろなことを教えてくれる一人の師匠(勝手に弟子にされた)がおり、その師匠がよく言う言葉に「釣れている人に聞け」がある。
ある魚を釣るのに、前回良く釣れた場所、及び仕掛けは当日有効とは限らない。
日によって、魚の泳いでいる場所、食べている餌、海の状態等が変わっているからだ。
そのため、前回釣れたからといって同じ仕掛けで釣っていては釣果を上げることは出来ない。
また、釣りには「まずめ」という言葉があり、魚が多く釣れる時間帯(数十分)がある。
このまずめを逃さぬためには、たな(海面から餌までの距離)や針の大きさ、ハリス(針を結んでいる釣り糸)の太さ等をまずめ前に的確に合わす必要がある。
そのためには、自分で1からたな、ハリス、針、餌を順番に変えていては時間がいくらあっても足りない。
そこで、その釣り場で沢山釣っている人に聞く事が釣果を上げるポイントとなる。
聞くのは一時の恥。聞かぬのは一生の恥である。

このことは、業務においても同じ事が言える。
特に、3次元CADのようなものでは、人に聞かず時間を掛け強引にモデルを作成することは可能だ。
しかし、作成したモデルが流用出来るかどうかが業務効率の改善に大きく左右する。
使えないモデルを一生懸命作っても、無駄に終わるケースが多い。
そこで、その職場で最もよく知っている人に聞くことが重要となる。
ここでのポイントは、最もよく知っている人であり、多少知っている人ではない。
よく見かける光景だが、よく分かっていない人が、全然分からない人に教えている。
これでは、この職場の技術者は低いレベルの人に統一されてしまう。
人の好き嫌いでモノを聞くのではなく、そこで良く知っている人に聞くことが自分のレベルを早くUPするこつであり、職場全体のレベルUPに繋がる。
「よく知っている人に聞け」
これが、技術力UPの第一歩となる。



技術力低下

2007-04-02 23:48:40 | Weblog
ある情報雑誌で、製造業におけるスキルの伝承が8割以上で不十分な状況であると掲載された。
「http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20070330/129841/」
この内容は、私が以前ブログで報告した技術力低下の原因についての内容と一致する箇所が多い。
スキルの伝承が行われにくくなった原因は、短納期開発や自動化,派遣社員の増加などと掲載されている。
私は、技術力の低下の原因として、モチベーションの低下を付け加えておきたい。
技術者は以前に比べて忙しくなり、そのため業務効率改善のためブラックボックス化されたツールを与えら、また、人員の増減は人件費の安い派遣社員でコントロールしている。
自動化により技術者が扱うツールでは、パラメータを入力するだけで新人もベテランも関係なく同じ結果が得られ、誰でも有る程度設計できる様になった。
そして、ツールを使い続けた結果、スキルというモノが無くなり伝承するものも無くなった。
しかし、技術者は自分に任された業務について深堀するほどの、モチベーションはあるのだろうか。
業務に興味があり、モチベーションが有れば自分で深堀するのではないだろうか。
以前の職場では今で言うところの「おたく」が各分野毎に存在し、「このことは○○さんに聞けば教えてくれる。」と言っていたものだ。
最近の職場では、全員がある一定のレベルであり、途出したレベルの人は居ない。
なぜ、このようになってしまったのか。
マニュアル化により、聞かずとも良くなったからなのか。
そうではない様な気がする。
モチベーションが上がらなためその分野に深堀するほどの興味が沸かないのだと思う。
新聞で各大手製造業の業績が一部のメーカを除き過去最高利益であったという記事が載り、その後の春闘で給与は微少の増加であったと伝えた。
この記事を見た技術者はどのように思ったのだろうか。
過去最高利益であっても、給与に反映されないと思ったに違いない。
これでは、モチベーションが上がるわけはない。
経営者に告ぐ。
以前にも書いたが、モチベーションを上げる事を考えないと技術力は無くなり、会社も無くなる。
若手の設計者に告ぐ。
先輩の技術力はたいしたことはない。
分からないことを聞いてもマニュアル化された資料を片手に、「設計マニュアルに書いてあるだろ」と言うだけだ。
自分で調べろ。世間は広い。教えてくれる人はきっといる。
会社のために仕事をするのでなく、自分のために仕事をすると考えた方が良い。