3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

CAD利用技術者試験 2007年前期 設問5回答例1

2007-08-30 11:23:14 | Weblog
モデリングの基本は試験でも設計業務でも同じである。
「大きなもの(機能)からつくれ」
「第1フィーチャは部品の大体の外形を表す」
が鉄則
設計では、第1フィーチャでだいたいの大きさのモデルを作成する。試験でも同様に外形からモデリングし始める。試験の場合、寸法が決まっているためその寸法通りにモデリングすることになる。
又、後で寸法確認出来るようにしたいため、出来る限り図面寸法をそのままモデリングの寸法拘束に使用する。

今日は、外形形状の作成について
この円柱の場合、半分の断面を作成し、回転フィーチャを使用したいところであるが、
それでは直径ではなく、半径になってしまう。
強引に断面を直径で作成して半分だけ使う方法もあるが、寸法拘束が難しく時間が掛かるためお薦めできない。今回は、直径で作成し、押し出しでモデリングする方法について説明する。

まずは、基準平面にφ63断面を作成し①、12mm押し出す。②
次に、モデルの最大高さ24mmの位置に平面を作成する。③
先に作成したモデルの押し出し終端平面にφ68の断面と、24mm位置に作成した平面にφ64の断面を作成する。④
2つの断面をロフトでつなげる。⑤
寸法確認したいときは、⑥の通りとなり、設問に記載されている寸法と同じ値の寸法拘束となっている。

こんな感じで作成しすると、モデル作成後の寸法チェックが容易となる。

愛弟子1号 FPC設計する 4

2007-08-24 23:23:20 | Weblog
DRも3日目となり、FPCの形状がほぼ詳細に決まりかけた。
しかし、FPCを軸の中に入るためには物理的に無理があった。
私はFPCを湾曲させながら挿入すれば良いと単純に考えていたのだが、湾曲すると軸の内壁とFPCのエッジが接触し、ある程度以上入らない。
私はそれでも愛弟子に、シートを切っていろいろと考えるようにと言った。
補強板を長くする,FPCのコネクタ挿入部以外は細くする等考えてはみたが、うまくいかなかった。

DRでも案も出尽くしたため、しかたなく軸穴を0.5mm太くすることにした。
たかが、0.5mmであったが、既にぎりぎりの設計を行っていたため、軸穴を0.5mm太くするためには機構部の大きさ自体を変更しなくてはならなかった。
そのため、多くの部品を変更する事になってしまった。
また、意匠との隙間も少なくなり、振動時に当接し、異音となる事が懸念された。

たかがFPCの設計と思っていたが、ここまで尾を引くとは・・・。
やはり、設計は同時進行でないといけないことを再確認させられた。

愛弟子1号 FPC設計する 3

2007-08-23 23:40:43 | Weblog
愛弟子にFPCの設計を任している。少人数でミニDRを行ってはいるが、DRや3次元CADでは分からないのが製品が可動する時に生じるFPCの可動量である。
この可動量から、FPCのたわみしろを計算するのだが、このたわみしろが多すぎると邪魔になるばかりか、コストUPにつながってしまうし、短いと稼働中に切れてしまう。
また、今回設計しているFPCはコスト削減のため、出来る限り曲げを無くした直線形状としたかったので、配線が曲がっている箇所はFPCを折り曲げる構造とした。
そのため、この曲げ位置も正確に決めなければ、たわみしろが変わってしまう。
愛弟子には、何度も紙でFPC形状を作成させ、実機に配線させて、たわみしろや折り曲げ位置を確認させた。
また、その時に組み付け性も確認するように指示をした。
FPCのたわみしろが短い、組み付け性が悪いなどにより、FPCが切断すると製品不良になる。
FPCの切断は非常にやっかいなもので、中途半端に切断されていると、組立ラインの検査工程では異常が見つからないが、お客様が使用中にFPCが完全に切れてしまい、問題を起こすケースが有る。
そのため、愛弟子には「自分が作業者になったつもりで、組み付けなさい。少しでも組み付け性が悪いと断線の恐れがあるから必ず改善項目としてメモをしなさい」と言って作業性を確認させた。
その甲斐あって、ある程度は形になってきたようである。

愛弟子1号 FPC設計する 2

2007-08-20 23:47:35 | Weblog
愛弟子1号にFPCの設計を任せている。
既に私が3次元CADで取り付いた形状をモデリングしているが、それではFPCの設計は完了していない。
組付け前のFPC状態は一枚のペーパー状になっているため、ペーパー形状に変換しなくてはならないし、また私の3Dモデルは可動部分の”たわみしろ”を考慮した設計になっていないからだ。

そこで、愛弟子1号にOHP用紙でFPCの形を切って既にある試作機に取り付けることを提案した。
愛弟子1号はせっせと2次元でFPC形状を作成し、OHP用紙でFPCを作っていたが、どうも組立付け性が悪い。
回転部分の軸の中にFPC形状のOHPを通すのだが、軸に入りづらい。強引に入れても、途中で引っかかってしまい、OHPが切れてしまう。
初め私は簡単なアドバイスをするのみで静観していたが、どうも事は私が思っているほど簡単なものではなかった。

そこで、FPC形状の形状が決まるまで毎日昼一から2時間程度ミニDR(デザインレビュー)を行うことにした。
参加者は開発機種設計者の他、チームリーダと課長クラス、それに課の中で最もFPCに詳しい人にお願いした。
まず、FPCの問題点について報告し、それについて解決案を出す。ミニDR後、その案を作成し、案の効果を確認、更に新たな問題が有れば次の日のDRで報告することにした。

多くの意見や案をから最も良いFPC形状が出来上がるはずである。

愛弟子1号 FPC設計する 1

2007-08-18 01:24:09 | Weblog
今、私はある製品の開発に携わっており、愛弟子1号にその製品の1部品であるFPCの設計を任せている。
愛弟子1号は、前回にも述べたが設計補助という形で特別社員(正社員でない)として雇われているが、入社するまで図面というものを見たことがない全くの素人である。
愛弟子1号の業務は、設計者が設計した部品を図面化したり、量産している製品で部品が変更した時に図面を変更したり、又は設計BOMの作成など、主にCADデータの作成や整理を行っている。
その愛弟子1号も入社して2年が経ったので、今回思い切ってFPCの設計を任せることにした。
FPC(フレキシブルプリント基板)は主基板からサブ基板などへ電気信号を伝達するために使用されるのもで、形状が自由に設計でき且つ柔軟性がある事から、主に可動する製品の配線に用いる事が多い。
今回設計するFPCは主基板から1系統、サブ基板から2系統、子基板から1系統の計4系統を結ぶFPCとなり、また各基板の中間部分で製品が屈曲するため”たわみしろ”も考慮しなくてはならない。
更に複雑な形状となるFPCを製品に組み込むための作業性も重要な設計要素となる。
私はある程度の形状を3次元CADで設計を行い、そこから愛弟子1号にこのFPCの仕様を伝え、設計を任せることにした。
3次元CADである程度の形状を作っていたため、組み立て後の形状は容易に想像出来るが、実際にこのFPCを詳細に設計するのは非常に難しい。
3次元CADでは、可動中にFPCがどのような動きをし、どれぐらいの”たわみしろ”が必要かが分からない。また、1枚のFPCの必要な大きさも分からなければ、作業性も分からない。
そこで、愛弟子1号に薄いシートでFPCを作成し、私が既に作っている機能試作品に組み込んでみてはと助言し、しばらく様子を見ることにした。

つづく

設問5について

2007-08-10 22:30:27 | Weblog
なっくるさんから下記質問が届いています。
1「設問5のφ3穴の数ですが、6個ではなかったでしょうか?」
2「穴の数の間違いとR180の曲面カットが出来なかったことで、合格レベルにあるか」

1について、今回受験された方すみませんが情報をお願いします。

2について、今まで受験された方、コメントお待ちしております。

私の推測では、設問4、5で「2次元図面からの作図能力」の配点があると思われますので、この2カ所の間違いであれば問題ないと思います。

設問2について

2007-08-09 23:04:36 | Weblog
takuyaさんコメント有り難うございました。
今後ともよろしくお願いします。

aaaさんもすっきりした事と思います。
座標系の間違いは、大きいですね。
次回はしっかりと確認しましよう。

私も、座標系のミスからモデリングをやり直しをしたことがあります。
モデリング前にチェックしていても、画面を回転しているうちに方向を間違うことがあります。
試験のモデリングは極力画面を回転させないことがコツです。
(参考までに)

他にも、今回の試験で疑問等あればどしどし投稿し、それについてのコメントが皆さんから寄せられることを期待しています。