3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

CAD利用技術者試験 合格率UP 試験の心得

2007-05-23 22:42:39 | Weblog
認定試験の勉強方法について

技能を認定する試験は高校や大学入試試験ではない。
「CAD利用技術者試験」は、ある一定レベルの知識を有する者を認定するための認定試験です。
高校や大学の入試のような、限られた門に入るために、他人をけ落とすものではないのです。
そのため、極端な話、全員が合格することもあり得る話なのです。
ですから、知人の足を引っ張ったって意味はありません。もし、自分も受験し知人も受験するとしたらお互いに励まし合いましょう。

ある一定レベルの知識を有する者を認定する試験。
正解率70%で合格であれば、100%を目指す事に意味は有りません。
100%で合格しても、70%で合格しても、合格は同じなのです。
80%取るつもりで勉強してください。
午前の問題で確実に80%を取るためには何をしなければならないか、また午後の問題で確実に80%とるためには何をしなければならないかを考えてください。

筆記試験は広く浅く出題される。
学科では、90%がガイドブックから出題されます。
通常業務で覚えるのはこの内50%程度。80%取るのであれば、残りの30%をガイドブックで補えばよい事になります。
全てを覚える必要もありませんが、傾向と対策を忘れてはいけません。
毎年、同じような問題が出題されますので、ガイドブックの末尾に載ってある前年度の試験問題は必ず解けるようにしておいてください。

CAD利用技術者試験 合格率UPへの道 第一問回答

2007-05-18 20:57:33 | Weblog
第1問のモデリングの仕方
簡単でしたか?
これが簡単でだったという人は、頭の中でこの形状を3次元化出来た人か、分かるところからモデリングした人でしょう。

では、回答
正面図の右側が変な形状をしていますね。
これからモデリングを試みる人がいます。残念ながらこれはカットされた面が正面に映し出されたもので、作ろうとしても作れません。
多少のモデリング知識がある人が陥ってしまう、引っかけ問題です。
ここでの、ポイントは分かるものからモデリングする事です。試験当日は複雑な形状のモデリングが要求されます。分かるところから、(形状の大きいところ)から順にモデリングすると、分からなかった形状が分かるようになります。

本日のポイント「モデリングは分かるところから」

CAD利用技術者試験 合格率UP

2007-05-16 21:57:51 | Weblog
3次元CAD利用技術者試験の合格率が低い。
何故こんなに低いのか分からないが、この合格率を上げるべく、今週から簡単な問題を出そうと思う。
今回受験される人は是非、行ってください。
今日は、この問題から
モデリング時間は5分

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稜線についての間違いがありましたので図面修正しました。

JAMA/JAPIA3次元データ活用の取組

2007-05-11 20:53:26 | Weblog
あるCADベンダーと3D図面について打ち合わせを行った。
打ち合わせの資料としてJAMA/JAPIAが作成した3D単独図面標準化活動と、ベンダーが扱っているViewerの資料で説明をして貰ったが、JAMA/JAPIAの資料が最も良く現状を表しているとのことで、多くはそれを用いて説明をして貰った。
 簡単にいうと、現状では3次元CADの生データを活用する方法と、Viewerを活用する方法とに分かれており、3D図面の活用ではViewerの方がコスト面やデータの軽さからいって良いのではということである。
 JAMA/JAPIAでは、各社のViewerの検証を各CAD毎に行い、その性能比較を行っていおり、その検証ツールは下記の通りである。

・Viewerの種類
Adobe Acrobat 3D アドビ システム㈱
ASFALIS Model Viewer ㈱エリジオン
ENOVIA DMU      日本アイ・ビー・エム㈱,ダッソー・システムズ㈱,クボタシステム開発㈱
ProductView      PTCジャパン㈱
Teamcenter Visualization UGS PLMソリューションズ㈱
DIPRO VridgeR     デジタルプロセス㈱
XVL Studio Pro  ラティス・テクノロジー㈱

3次元CADの種類
CATIA
I-DEAS NX
NX
Pro/ENGINEER

結果の詳細はJAMAのホームページを見ていただきたいのだが、機能の充実性ではTeamcenter Visualization UGS PLMソリューションズ㈱が良く
再現率調査結果ではASFALIS Model Viewer ㈱エリジオンが良いという結果となっていた。

ここには、Viewerの価格は載っていないが、高価なものは機能が充実しており、安価なものはそれなりという結果であろう。

ベンダー(UGS)の説明では、Teamcenter Visualizationが自動車メーカでは多く使われていると言っていた。

使う側が、どのようなことを目的に導入するのかで選択すれば良いと思うが、今後の展開に注目しながら、まずは静観するのが良い。



自動車業界の動向2007-5

2007-05-08 00:23:54 | Weblog
 JAMA(日本自動車工業会),JAPIA(日本自動車部品工業会)は3D図面標準化ワーキンググループを発足させ、3次元CAD関連の機能検証と3次元データの活用方法の構築・展開について検討を行っている。
現段階では、3D図面とした場合における承認方法を、各社毎に提案検討を行っているとのこと。

 私も8年ほど前に、3次元データのみで出図する事が可能か製造メーカ(A社)と協力し、検討した事がある。
当時、私は板金を多用する製品の設計を行っており、板金図面について何処まで3次元データに盛り込めるかの検討を行っていた。
材料名,カエリ面,圧延方向,CADデータの履歴,検認方法,等々どの様に表現したらよいか多くの問題があったが、特に私たちを悩ませたのは、改訂に関することであった。
変更履歴と変更場所、及び変更前の形状をどのように表現するかについて、A社と3次元データを交換しながら検討を行っていた。

 結果としては、パワー不足ということもあり、検討途中で止めてしまったのだが、検討している時にA社技術者からショックなことを聞いた。
それは、「私たちは、設計者から貰う電子データを利用していない」と聞かされたことだ。
私たちは、業務効率改善(図面作成時間短縮と製造時間の短縮)のために、出図時に、紙図面とその図面の電子データ(DXFデータ)を製造メーカに送っていた。
 私たちが送った電子データをCAD・CAMに入力すれば、製造メーカはCAM用のデータを紙図面から入力する手間が省けるため、納期短縮やコスト削減にも繋がると考えていた。
しかし、業務効率改善のためにと思って作成した電子データを「利用しない」とはどういうことなのか。
それは、
・図面寸法とDXFデータとの整合性がとれていない。
・DXFデータの線同士が繋がっていない。
・記載寸法では線同士が接しない,又は交わらない。
・線が2重3重に重なっている。
など。
 確かにこのデータをCAMに入力したらエラーで動くことはないであろう。
更にやっかいなことは、この問題を見つけだすことが非常に困難であることだ。
そのため、A社技術者はDXFデータ利用せずに、紙図面からCAD・CAMデータを入力していた。

DXF電子データを用いた業務効率改善は設計者のおごりだったのか。
3D図面もそうならなければ良いが。

今週3D図面についてベンダーと打ち合わせを行うことになったので、次回のブログでその打ち合わせ内容について報告できると思う。


技術力低下2

2007-05-01 21:13:19 | Weblog
私が、4月2日に技術力低下という題でブログを書いた内容がまた、とある技術雑誌の5月号の内容と一致した。
その時のブログ内容は、技術力低下の原因の一つに技術者のモチベーションの低下を挙げており、モチベーションを上げる方法を経営者は考えなくてはならないと締めくくった。
雑誌では覆面座談会と証し5人の技術者?と司会者が「技術者の仕事とモチベーション」というテーマで討論しており、各々の考えを語っている。
技術者の現状では、「期間短縮による余裕が無くなった」こと、「失敗させないためのマニュアル化、チェックリスト化により、誰がやっても出来る仕組みを取っている」といっており、また「エンジニアの基本的なところは好奇心」ともいっている。
これは、言い方こそ違えど私がブログで書いた事と同じ内容である。
この雑誌ではもう一つ「みんなに高いモチベーションは必要ないのでは」「人それぞれのモチベーションを生かせる場をつくる」と組織についても言及しており、組織の中のエンジニアが皆と同じモチベーションを維持するのは難しいといっている。
全くその通りだ。
何のために仕事をしているのかという事からして一人一人違う。
家族を養うために仕事をしている人もいれば、旅行などの趣味のために仕事をしている人もいる。中には会社のための人もいるだろうし、スキルアップのための人もいるだろう。
会社のために仕事をしている人は休日出勤を惜しまずするが、旅行のために仕事をする人は休日出勤をさせようとしても旅行日と重なってしまうとなかなかしないであろう。
「会社のために」の人から見れば、「趣味のため」の人は、仕事をしない人に見えるだろうし、逆に「趣味のため」の人からみれば、「会社のため」の人は効率的に仕事が出来ない人に見える。
会社のために仕事をしている人が、技術力が高いとも限らないし、そうでないかもしれない。
モチベーションもそうだ。ひとり一人、仕事に対するモチベーションは異なる。みんなが同じモチベーションを持つことは不可能の様に思える。
しかし、この記事でいっている「みんなに高いモチベーションは必要ない」となってしまうと、特定な人だけが高いモチベーションを維持し続ける組織になってしまい、その他の技術者は決して表に出てこれなくなる。
そうなると、その他の人はやる気を無くしてしまい、適当な仕事しかしなくなる恐れもある。
そのしわ寄せをモチベーションの高い人がかぶる事になり、組織としての仕事の効率が落ち、またモチベーションの高い人の疲労はかなりのもになる。
全ての人がモチベーションを高くする必要はないが、モチベーションの高い人を一人でも多くする必要はある。
経営者又は管理者は、モチベーションが低い技術者を、高いモチベーションに変わることの出来る取り組みを考えなくてはならない。
モチベーションの高い人が潰れてしわないうちに。