3次元CADを使いこなせ

3次元CADを使った日々の業務と、CSAJ攻略について、3次元CADを活用するためのヒントになればと思います。

CAEツールユーザー会参加2

2007-09-26 23:13:47 | Weblog
私は、このツールの使用について1つの疑問を抱いていた。それは、CAEの解析結果と実機との整合性が取りづらいということであった。このCAEはばらつきを予測するのもであり、入力のパラメータは寸法公差,幾何公差である。個々の部品のばらつきは設計センター値を中心に公差分正規分布する事が前提となっている。
実機ではそのようなことはまず起こらない。
そこで、複合機をメーカに実機との整合性について質問させていただいた。
その回答として「このツールでは、実機とCAEの結果とは合わない」と言い切った。
そこで、「結果が合わないのに、なぜ解析をするのか」と再度質問した。
この質問には発表者が答えきれず、発表者のグループ長が代理で回答して下さった。
「実機との整合性を取るために、データを取った。その結果とCAEの結果とが合わなかった事は事実。CAEを行う理由は設計の方向性が合っているかどうかを確認するためのものである。」
と回答して下さった。この回答で私が今まで抱いていた疑問が解消された。
普通、CAEは実機との整合性が取れる。又は実機と整合性を取るためにパラメータを変更するなどして、整合性を取る。
しかし、このツールはそれが出来ない。したとしてもあまり意味がない。

その後の親睦会で、他のメーカの方と実機との整合性について話しをしたのだが、皆同じ疑問を抱き、そしてこのグループ長の意見に賛同していた。
私はグループ長と親睦会の終盤から酒を飲みながら、CAEのあり方について語った。
発表の席ではあまり言えないような裏話も聞けて実に有意義であった。

ユーザー会に参加することで分かることであるが、各社各々ノウハウも有れば、悩みもある。解析者としては、なかなかノウハウも公開できなければ、悩みも証せない。
今回の会参加の目的は、ノウハウを得る事であったが、当たり障りのないところのノウハウであったため役には立たなかった。
しかし、このCAEを使うにあたり皆が同じ悩みを抱き、それについてどのように思っているのかを聞け、多くの人と話せたのは成果といえる。

CAEツールユーザー会参加1

2007-09-25 02:11:46 | Weblog
 先日、CAEのツールの1つである公差解析ツールのユーザー会に参加するため品川まで出向いた。
そのユーザー会は毎年行われており、今年で4回目の開催であった。私は今回を含めると初回と今回の2回目の参加となる。

 私は始め、今回も見送ろうと思って、締め切り近くまで参加申し込みをしなかったのだが、ベンダーの営業から「ためになると思うので是非参加して欲しい」という内容のメールが届いた。
 私は会社の技術誌にこのツールを使った製品開発と題し昨年論文を書き掲載さしていただいたが、実は最近このツールを使っていない。
効果があるツールではあるがCAEツールは設計の初期段階に集中して行い、それ以降では何か問題があるときのみ私は使用しているので、使用する時期を外してしまっていた。
そのため、あまり関心が無かったが、ためになると営業からメールが届き、内容も使用ユーザがもつノウハウを発表すると書いてあったので、損はしないであろうと参加の申し込みをした。

内容としては、そのツールの今後の開発スケジュールと主な変更点。ツールを使用している製品メーカからの使用事例と使用時のノウハウ。そして、幾何公差の使用方法を参加みんなで考えるというものだった。
その中で私が興味があったのは、製造メーカのCAEツールの使い方とノウハウであった。
事例紹介では、ある電機メーカのCAEツールを用いた業務用フルカラー複合機の開発事例と、自動車メーカのサイドミラー部の組み立て時の位置ずれについて、ぞしてベンダーからは光学部品の位置ずれによる光軸のずれ量の計算方法ついてにの紹介があった。
                             続く

3次元CAD利用技術者試験合格率発表

2007-09-19 23:55:19 | Weblog
3次元CAD利用技術者試験19年前期合格者の割合がCSAJのHPに載っていた。
合格率25.1%。なんと過去最高を記録。
ひとえに、私のお陰!?
試験前から、合格率UPと題して特集を組み、皆さんのためにと、ノウハウや、予想問題、心構え、それに裏技などを掲載してきた。
その甲斐があったのではと、勝手に私は思っている。
役に立ったと思った方は、ぜひスポンサーサイトにアクセスして欲しい。
あなたが、お金を払う必要はなく、そのサイトを見てくれればアクセス一回に0.1位円入ってくる。
試験に対する対策や回答を作成するのに、時間と労力を掛けてしまうため、ぜひお願いしたい。
(役に立ったと思う方のみで結構です。)
その結果次第で、内容が充実するかも・・。

CAD利用技術者試験 2007年前期 設問5回答例4

2007-09-09 23:57:13 | Weblog
今日は、設問5の最後の仕上げ、6つの貫通穴のモデリングについて
これも前回同様カッターパーツで穴を作成します。
まず、基準平面にφ44の補助線を描きx軸とφ44の円とが交わるポイントを中心にφ3の断面を描き、24mmZ軸正方向に押し出します。①24mmの意味は分かりますね。
次に、押し出したパーツで、パターンを使いZ軸中心に6つ円筒を作成します。②
そして、前回までのモデルを今回作成したカッターパーツ②でカットします。③
そして、最後にモデルの底面にφ20の円断面を描き④5mm押し出してカットします。⑤
これで、設問5は完成です。

今回のポイントは、6つの穴をどうモデリングするかです。
私の場合、4つまでの円筒であれば単純に4つの円の断面を作成してカットしますが、それ以上であればパターンを使います。
前回にもお話ししましたが、試験では迷う事が無いようにすることがポイントです。
迷うと、モデリング中にあっちの方が効率的だったのかもしれないと悔やみ、試験に集中出来ない事があるからです。
今回、私は4つまでは断面カットでモデリングすると言いましたが、これは私が決めたことで皆さんは4つからパターンでもかまいません。
要するに、決めることが大切なのです。

設問5の回答はどうでしたか。
一見難しそうな形状でも、一つ一つは単純な形状の集まりですから、慌てずにやれば簡単にモデリング出来ると思いますよ。

CAD利用技術者試験 2007年前期 設問5回答例3

2007-09-05 23:43:06 | Weblog
今日は、設問5の上部にえぐられた不思議な形状のモデリング方法について

前回までのモデルからですので、えぐる形状をカッターパーツで作成します。

まず、基準平面からZ軸正方向24mmの位置に平面を作成する。①
作成した面にφ60の断面を作成し②、24mm押し出す。この24mmの意味は前回お話ししました。そして、11°のテーパーを作成します。③
CADによっては、押し出し時にテーパー付けることも出来ます。
次に、YZ平面から図面で指定された位置にR180の円を作成し④、先ほどモデリングした③を④でカット(私が使っているCADでは、両側 全て貫通という指示方法です。)します。⑤
前回までのモデルを、今回作成したカッターパーツ⑤でカットします。⑥

どうです。不思議な形状ですが、たいしたことないでしょう。

CAD利用技術者試験 2007年前期 設問5回答例2

2007-09-01 21:26:00 | Weblog
今日は設問モデルの傾きを持つ溝のモデリング方法について、
この溝形状がどのような形状か分かれば、問題なくモデリング出来るはず。
まず、溝のカッターパーツを作成する。
基準平面から円柱を作成し、Y-Z平面上に(0,0,8)を通る傾き9°の直線から三角形を作成して円柱から削除という方法が一般的であろう。
しかし、今回はあえて平面カットという方法でモデリングしてみる。
この平面カットを使うことにより、無駄な寸法拘束を無くす事が出来る。
そのため、モデル完成時の寸法チエックが容易となる。

まずは、基準平面にφ58,φ35の断面を作成し①、24mm押し出す。②
押し出し量は適当であるが、絶対にカッターパーツが不完全とならない値にする必要がある。私の場合、モデルの最大高さと決めている。決めることにより、悩む、考える必要がない。試験では、悩む,考えるを極力減らすことがポイントでる。
次に、(0,0,8)の位置にX軸を中心に9°の傾きをもつ座標系を作成する。③
②のカッターパーツを③で作成した座標系のX-Y平面で平面カットし、基準面方向のモデルを残す。④
これでカッターパーツは出来上がり。
カッターパーツを寸法チェックすると⑤の通りとなり、設問と同じ寸法となる。
三角形でカットし作ったモデルでは、寸法拘束が多く現れるが、この方法だと不要な寸法が無いので確認が容易である。
そして、今回作成したカッターパーツで、前回作成したモデルをカットする。⑥

今回は、傾きを持つ座標系で平面カットしましたが、傾きを持つ平面を作成してもいいですよ。