かりんの仲間の三木郁さんの第二歌集をいただいた。まだお会いしたことはないが、同年配のようだ(短歌年鑑で知る)。歌材が豊富で上手な作風である。辛いことも冷静な詩的表現に移行させる心、技を持っておられるのだろう。明日の忘年会には来られるのだろうか。フェイスブック・ブログでかりんの鹿取さんも紹介していたが、僕の取り上げたのと見事にずれていたのでちょっと遅れて悔しいがださせていただく。
悠然と伏すライオンを襲ひおりZOOのさくらはたえまなく散り
父母眠るおのころ島をいだく海こをろこをろと揺れつつ光る
記憶なき母の骨抱き七十歳(ななじふ)の男が仰ぐふるさとの空
ハイエナを前にすくめるヌーとなり車は止る警官の前
白胡瓜あたまの少し曲がりゐて精霊馬となるべく育つ
いざなはれときめきて見つ月の世を毬の裂け目に光る栗の実
家の鍵かけ忘れたる君を待つあかのまんまの揺れゐるそばで
高楼をひつかけさうな低さにて飛行船浮く京の街空
願ひごとする人される流れ星 終(つひ)は炎に包まれて果つ
皮膚をさす風のわづかにぬるみゐてヘレン・ケラーを思ふ朝明け
海亀のやうに楽器のケース負ひ雑踏泳ぐ子らの集団
きつとあれは蝮よと騒ぐ声がする言葉に毒を持つていさうな
ふり返ればアイパッドの灯消えてをり飼い犬が死んだあの時のやう
来春に襟替すると首すくめ舞妓は衣装の重きを訴ふ
水脈を地震(なゐ)にはづされ枯れ果てた井戸にちりゆく庭のさくらばな
押入に四十年をひそみゐし長靴撫でれば愛馬のにほひ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/f2/78000ce9278f1c796ebdbe6d9bdca1b9.jpg)
悠然と伏すライオンを襲ひおりZOOのさくらはたえまなく散り
父母眠るおのころ島をいだく海こをろこをろと揺れつつ光る
記憶なき母の骨抱き七十歳(ななじふ)の男が仰ぐふるさとの空
ハイエナを前にすくめるヌーとなり車は止る警官の前
白胡瓜あたまの少し曲がりゐて精霊馬となるべく育つ
いざなはれときめきて見つ月の世を毬の裂け目に光る栗の実
家の鍵かけ忘れたる君を待つあかのまんまの揺れゐるそばで
高楼をひつかけさうな低さにて飛行船浮く京の街空
願ひごとする人される流れ星 終(つひ)は炎に包まれて果つ
皮膚をさす風のわづかにぬるみゐてヘレン・ケラーを思ふ朝明け
海亀のやうに楽器のケース負ひ雑踏泳ぐ子らの集団
きつとあれは蝮よと騒ぐ声がする言葉に毒を持つていさうな
ふり返ればアイパッドの灯消えてをり飼い犬が死んだあの時のやう
来春に襟替すると首すくめ舞妓は衣装の重きを訴ふ
水脈を地震(なゐ)にはづされ枯れ果てた井戸にちりゆく庭のさくらばな
押入に四十年をひそみゐし長靴撫でれば愛馬のにほひ
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