「今日俺は更年期だから機嫌が悪い」と言ったのは英会話の教師であった。僕が四十歳前後でまだ多少世界に乗り出す気分があったとき、国際学会の発表前に飛び込んだ小さな教室で、教師はベトナムでグリーンベレーだったという(本当かどうかわからないが)米国人だった。はじめメノポウズというから怪訝な顔をしたら、男だってあるんだ、male menopauseっていうんだ、としばらくその話題になった。生理的な問題はわからないが、心理的な更年期はいつなのだろう。僕の場合、ここ20年くらいずっとそんな気がする。もしかすると、死ぬまでそう思い続けるのかもしれない。
その英会話教師は、乱暴だったが話題が豊富でなかなか含みのある教え方をしてくれた。僕のしゃべるsuggest サジェストは伝わらないから、サグ・ジェストと言えというので、本当のところよくわからないがそんなものかと以来そうしてきたものだ。数回行ったのだが、教室のあるビルの管理人を殴って警察に引っ張られたとかで会話勉強はうやむやに終わってしまった。僕の英語発音力は本当にひどいようだ。
その英会話教師は、乱暴だったが話題が豊富でなかなか含みのある教え方をしてくれた。僕のしゃべるsuggest サジェストは伝わらないから、サグ・ジェストと言えというので、本当のところよくわからないがそんなものかと以来そうしてきたものだ。数回行ったのだが、教室のあるビルの管理人を殴って警察に引っ張られたとかで会話勉強はうやむやに終わってしまった。僕の英語発音力は本当にひどいようだ。