長生き日記

長生きを強く目指すのでなく良い加減に楽しむ日記

563  ハイライフでシネマ

2018-03-30 21:47:31 | 日記
今日は板橋の公民館(ハイライフプラザ)で高校の先輩たち(ほとんどが80歳台中~後半)のシネマの会。上映したのはトリュフォー「突然炎のごとく」(フランス1962年)主演はジャンヌ・モロー。僕は初めて見た。奔放な女性とそれを認める男たちのいわゆるヌーベルバーグ映画というのか。男と女、友情、愛・恋、許容と固執、古い生き方から新しい(いや、今でも少し特殊か)恋愛結婚同棲関係への移り変わりが主題。先輩たちの評価は分かれるところだったが僕はまあ面白いと思った。こういう生き方はわからないよって言ったって仕方ないし、わからないよっていう先輩世代の意見も仕方ない訳だ。日本語題名はよくないとの意見が多かった(原題が「ジュールとトム」(人名)だから仕方ないともいえるが、僕だったらなんとつけるかなあ。映画に造詣の深い人、哲学の人、英語の先生だった人、ドイツ文学の人などの幹部先輩の発言が面白く良いなと思った。まさにハイライフだ。 ついでに建て替えられてしまっているが、北園高校にちょっと寄る。

562 『匂いむらさき』

2018-03-29 23:07:10 | 日記
浦部みどり歌集 角川書店 2018年3月刊
かりん所属の福岡の方で、まだお会いしたことはないかな。1933年生まれというと僕の一回り上の酉年か。かりんでは最近このあたりの年まわりの方の歌集出版が続いている。浦部さんはかりん入会は五年前だが若い時から他の結社などで詠み続けてこられた様子。戦争に行かれた父上、夫ときり盛りした戦後の暮らし、夫や身近な方を見送り静か?に生きる毎日をきめ細かくうたっている。同じ年頃の僕の姉は短歌をしないが、こんなことを思っているのかななど、参考になるような気がする。所属結社時期ごとに章立てされている。かりんの歌をますます増やしてください。

寄り難き父のイメージ変えたりしかの遠き日の父の文もつ
戦いの野に摘みしとて押花を作り短歌(うた)二首書き添えありき
今もなお無念の涙沁みるなり松下村塾柱の刀痕
明日に何賭けんとするやしまい湯に足袋のよごれを丹念に洗う
あくがれの書を持つ手もて生臭き魚を夕餉のために買いたり
飲みほせるラムネの壜を振りたれば遥かな過去が近づいてくる
春の陽ののどかな庭のひと処踊り子草の淡きくれない

千六本にきざむセロリー今風に豆板醤(トウバンジャン)で味付けをせん
入院の長びく義兄を見舞わんと「なの花」とう名の菓子を選びぬ
筑紫路を行けば思わるその上の勤労奉仕の寒の麦踏み

「これからもよろしく」なんて言いし夫金婚祝いて逝く一年後
LED日本で生まれ世界中を明るく照らすここシャンゼリゼ
夏えびね夫との旅の能登みやげ思い出語れずしろじろと咲く
袷(あわせ)着る前のひととき「セル」という着物を着たる初秋のありき
旅に出し一週間に黄の花序の盛りとなれり金水引草



561 軽薄

2018-03-28 22:57:04 | 日記
魚の撮影にまあ便利な水槽を持っているが、本来は別の目的で作った(作ってもらった)。これは何代目かで厚手のアクリル樹脂製で容器本体の重さは約2キロ。水の入る部分は45x55x3.5センチだから7~8リッター入れれば適度な体裁で卓上におけるし手軽に運べる。普通型水槽で厚みが30センチほどならとても重くて動かせないし、水を入れるのも大変だ。生業が水系だったから、この軽薄水槽を教卓において温度成層だの循環だの場合によっては魚や水草を入れて見せる。話だけで説明するより、水をじゃぶじゃぶさせてみせると印象が強くなると期待して、現物(と言ってもニセモデルだが)主義。例えば中くらいまで冷水を入れておき(薄青染料で色付けすることも)、やかんに入れた温水(色をつけたりつけなかったり)を上に加える。そっといれればまあ大丈夫だが、水面近くに構えた枝つき長曲げスプーンに一度ぶつければ撹拌エネルギーが緩和されてピタッと層別になる、凝ったときは4層くらいにすることもあった。
  湖沼の温度成層はとにかく面白い。僕が虫系から水系に変ったのも深さ13メートルほどの湖のボートの上からサーミスタを使って順に温度を測り、野帳にプロットしてへぇーっと思ったのがきっかけだったような気がする。今どきの学生さんはデータロガーでさっとやって帰ってからパソコンで見る(見させられる)ようで、微妙精緻なことが分かるが体感はないのではないか。とは、長生き繰り言。


560 おくる側

2018-03-27 22:44:09 | 日記
  弱ったメダカはぼおーっと水面にたて泳ぎになったり、水底でくるくるダンスをしたり横たわったりする。元気なメダカがちょっかいを出しに来る。ちびメダカまでたかりに来る。さらに動きが少なくなると腹をつついたりしていじめがひどくなる。ウチの水槽の場合では動きが弱くなるとカワニナが体に這いのぼってくる。目をそらしちゃいかんとか言われてもそういうのはあまり見たくない。野生では、ザリガニ、手長エビ、少し大きい魚、タガメ、シラサギなんかがメダカをあまり苦しめないで引導を渡してくれるものだろう。
  弱ったメダカをスプーンですくって、(お墓までは作らないとしても)地下に直行させても良いのかもしれないが、自分が生きながら埋められるのを想像すると嫌だ。グサっと殺してからそうしても良いのだがなんだかなあ。
  そこでウチでは、ブルーギル(以下、ギル)が登場する。このギルは4,5年前に善福寺公園池にいたところを何の因果か僕に掬われて以来わりと優遇されて今に至っている。本来、ギルは飼っちゃいけない再放流してもいけないから、死ぬまでここにいるわけだ。普段は、カニ風味のかまぼことか刺身の切れ端(好みがうるさい)を食わせている。しらす干しを食ってくれると良いのだが、味にうるさく食わないことも多い。たまに掘りたてのミミズをやれば大喜びする。普段は大きな水槽に野生な感じでほおっておかれていて、腹が減った状態が多いので、弱ったメダカを入れれば瞬時に丸呑みする。メダカはたぶん苦しまない、と希望的勝手読み。今日は主役なので、写真撮影用の容器でポーズ。ではギルが年寄になり衰弱してきたらどうするか? 先のことは考えないようにしている。




559 お花見

2018-03-26 23:58:52 | 日記
今日はうららかな日で夫婦そろって新宿で用事の後、新宿御苑に行こうということになったが(普段は月曜日休園だが今は特別開園)、門前は主に外国人客であふれかえっていたので断念して、西武線に乗って新井薬師→哲学堂へ。中野通の桜が七分咲きでちょうどよい。哲学堂もかなり混んでいてたがお花見客は良い顔つきなので良かった。ここは、それぞれ別の想い出もある場所だ。妻は子供頃怖い幽霊を見た記憶。僕は老い親と北記憶で、もっと何回もつれてくればよかったかなと忸怩の念。長生きだと思い出がたまりすぎて厄介だ。不と思ったのは、そんな思い出しもしようと思わなくなるころを老年とか老人力がついたというのかな。
行きたかったイタリアンは満員で入れなかったが、別のイタリアンでパスタと白ワイン。