長生き日記

長生きを強く目指すのでなく良い加減に楽しむ日記

51    GAP

2015-12-15 23:44:39 | 日記
 ラロシェルに行ったのは、GAPに参加するためだった。GAPとは水域の光合成生産測定の国際仲間のワークショップで、一週間ほど合宿して共同実験をやり結果を見ながら議論するものだった。この時は、付着藻類を対象としようということで、フランスの水産研究所(そこはフランスの牡蠣生産の拠点であったようだ)で行った。3、4年ごとに行っており、海洋や湖沼のプランクトンによる光合成生産を対象にも行った。で、また一昨日の話に戻るのだが美術館の展示を見てそんな思い出に浸った後の歌会で、ある女性仲間の短歌が話題になった。骨子、海洋は地球の酸素生産の7割もおこなっているのに、20世紀はそれを汚染してしまった、という社会詠的な内容である。彼女は汚染とか原発問題とかの歌をよく作る方であり、僕はそれには反対でないが、海洋の生産が7割はおかしいと思った。僕の知る限り、光合成生産(=酸素発生)の60%以上は陸上植物(特に熱帯、亜熱帯、寒帯の森林)の寄与によるものだからだ。まあ、詩の世界だからなあとは考えたのだが、つい発言した。すると別の男性がネットでは66%が海洋だと書いてありますという。そうなのかなあ、とも思ったのだが、一応その方面の専門家だった僕としては譲ってはいけない問題だろうと対応した。たぶんやはり僕の方が正しいとは思うのだが、これは測定するのがなかなか厄介な現象なので、しょっちゅう検討発表されるものではないので、今の最新データではどうなのだろうか、とも思った。植物面からのアプローチだけからでなく、観測衛星やスーパーコンピュウターの助けでの大気物理的な解析も進んではいるのだろうか。