やはりと言うか、思われていた通りにタイ最高裁は、コンピューター犯罪法違反の
罪に 問われた、女性編集者・チラヌットさんに対し有罪判決を支持しました。
これは 2009年に、王室を中傷する内容を ニュースサイト 「プラチャタイ」 のネット掲示板で
“王室批判の違法な投稿を削除しなかった” ということだけで逮捕され、12年に一審・二審
判決で、禁錮8月と執行猶予1年、罰金2万バーツを言い渡されていました。
メディアもコンピューター犯罪法での摘発を強化するのは大賛成していますが、有識者らも現行の
軍事政権が不敬罪を中心に表現の自由に対する締め付けを強めている事に懸念を強めているようです。
そんな中 プラユット首相が、2013年5月から前年同月比マイナスが続いていた11月の新車
販売台数が76,421台と前年同月比4.6%増で、約2年半ぶりのプラスとなって 気を良くしたのか、
経済回復に自信を持ったのか、23日の恒例演説で、自信たっぷりに こんな発言をしています。
9月に、国家改革評議会で憲法案が反対多数で否決され、軍政が新たに任命した憲法起草委員会が
改めて憲法案の起草作業を進めていますが、再度 新憲法案が国民投票で否決された場合、「私が
責任を取る」 と明言しました。 具体的な責任の取り方については言及しませんでしたが、
これは かなり思い切った発言でしょう。
もし そうなれば、来年夏に憲法案の賛否を 問う国民投票が実施され、承認されると再来年の17年
6月に総選挙、同7月にも民政復帰となり、これは企業にとっても大きな出来事になりますからネ。
ただ 新車販売台数が伸びていると言っても実際は、来年から物品税が上がる一般車のピックアップ
トラックの先買い需要の表れで、手放しで喜べる状況ではないんですがネ。 少し違うような気がします。
そう言えば、国家統計局が11月27日~12月4日に 全国の7,200人を対象に実施した世論調査で
「軍事政権の全体的な仕事ぶりに満足している」 という結果回答が99%に上ったと公表しました。
調査の中で、「問題解決への政府の取り組みや犯罪・薬物対策などで満足している」 としていますが、
政治家や有識者は、調査の信憑性に疑問を投げかけているようです。 プラユット政権は権力維持の
ために、自ら政党を立ち上げるつもりではないか と懸念もしています。 特に反軍政活動家
グループは、こんな調査結果が出るのは 「北朝鮮とタイだけ」 とバカにして笑っているようです。
つい “確かに” と言ってしまいそうです ・・・
軍事政権の長期化に米国はイチャモンを付けていますが、2014年1月、タイ国では、民主主義が衆愚政治に堕し、タクシン派・地方の貧困層と王党派・バンコク市民の間に修復不能な亀裂ができ、国家が二分された状態を考えると、傷跡の修復には相当期間が必要でしょうね。
新憲法の制定遅延を理由に軍事政権が長期化するのはタイ国にとっては悪いことではなさそうです。
昨年の「Returning Happiness to Thailand(クーン・クワームスック・ハイ・プラテートタイ)に続き、プラユット暫定首相が新たに作詞した「Because You are...Thailand(プロッ・トゥー・
クー・プラテートタイ)が公開されています。今後しばらくはタイでこの曲を耳にする機会が多くなりそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9QZl7gO5E3E
タイ国にとって良ければいいですよね。
早速 活用させて頂きます。