タイの最低賃金と世界の貧困 ・・・

　　
　洪水で企業が大打撃を 受け、それどころでは無く むしろ 経営状態が悪化していることを 理由に、
賃上げの延期を 求める意見が強まっていました。　特に冠水に遭った工場などでは、尚更でした。

それが、タイ政府は22日の閣議で、一日当たりの法定最低賃金の引き上げを 承認しましたネ。　

現行額が高い水準にあるバンコクなど７都県 （現行額 215バーツ） は、一律300バーツ （約750円） に
残りの70県については、現行額を 一律 39.5％引き上げ、来年４月１日から適用することになりました。

（その７県は、バンコクの隣県である ノンタブリ・パトゥムタニ・サムットプラカン・サムットサコン・
　　ナコンパトム 及び タイで一番物価も高く、現行の最低賃金も 221バーツのプーケット）

　

労働省によれば、賃金引上げ発表の中で、多くの事業者が洪水による被害を 受けていることから、企業の
復興には３カ月～６カ月かかるとの見方を 示し、引き上げ期日を 当初に労働省が計画していた来年１月
１日から、来年４月１日に延期したと説明しています。　それでも 大丈夫？　と 心配しますけどネ ・・・

この最低賃金の300バーツへの引き上げは、プアタイ党 （タイ貢献党） が、７月の総選挙で即時実現の
公約を し、インラック政権が 来年１月の実施を めどに推進してきたものです。　ただ民間企業からは

　

大幅な引き上げへの反発が根強く、洪水被害の拡大を 受けて実施延期や、段階的な引き上げを
求める声が 高まっていたんですが、ようやく　決まったようですヨ・・・

　現在 世界全体で 28億人の労働者の半数近くに当たる人が、一日２ USドル （約63バーツ） 以下で
生活していると言われます。　が、その約半数は 更に 厳しい極度の貧困ライン　“一日1.25 US ドル”

以下の暮らしに喘いでいると聞きます。　1919年 （92年前） に 国際労働機関が創設された時からの
基本目的である 「貧困との戦い」、すでに 一世紀経っているのに、まだ このような状態です ・・・

　

タイの現行 最低賃金が 215バーツは、約７ USドルですから、これらの人たちより、いくらか良い
程度でしょう。　こんな大都会のバンコクの最低賃金が 300バーツになる という話しは、現在のバンコクを
みていると、今更に 信じがたい賃金ですよネ。　バンコクへ旅行に来た人に、言っても信じませんものネ。

　新しく決定された この最低賃金　全国一律 300バーツ、2015年まで据え置きとし、追加の引き上げは
しないことを 原則としているようですが、タイ国内の経済動向によっては、再度 適宜・再調整を
検討しなければいけないでしょう。　　ただ 大洪水による、一部企業の 行く末 が心配です。　



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