宗恵の「一期一会」

茶道教室の様子を中心に日々感じたことなどあれこれ綴ります。

月次茶器〔つきなみちゃき〕

2010-10-04 10:23:15 | 宗恵の茶の湯日記
Chaki

9月20日新潟に帰る途中、従兄を訪ねたその足で「井伊家伝来茶道具名品選-名物茶器から直弼まで-」を開催していた彦根城博物館へ。彦根城内には母が通った高校があるので、何故か懐かしい気持ちがいたします。
お茶のお稽古を始めた頃から気になっていた井伊家の月次茶器。骨董屋さんで何回か写しを目にしたことはありますが、やっと実物を見ることができました。素晴らしいですね。今度写しを見かけたら手に入れようかな・・・。毎月のお稽古に重宝しそうです。



1月 柳竹〔やなぎたけ〕に鶯蒔絵黒漆塗大棗〔うぐいすまきえくろうるしぬりおおなつめ〕

2月 桜〔さくら〕に雉蒔絵朱漆塗薬器〔きじまきえしゅうるしぬりやっき〕

3月 菫〔すみれ〕に雲雀蒔絵溜塗中棗〔ひばりまきえためぬりちゅうなつめ〕

4月 卯花〔うのはな〕に郭公蒔絵蝋色塗面中次〔かっこうまきえろいろぬりめんなかつぎ〕

5月 橘〔たちばな〕に水鶏蒔絵潤朱塗刷毛目白粉解〔くいなまきえうるみしゅぬりはけめおしろいどき〕

6月 撫子〔なでしこ〕に鵜飼蒔絵透漆塗金輪寺〔うかいまきえすきうるしぬりきんりんじ〕

7月 女郎花〔おみなえし〕に鵲蒔絵潤朱塗下張棗〔かささぎまきえうるみしゅぬりしたばりなつめ〕

8月 萩〔はぎ〕に雁蒔絵紅溜塗八角中次〔かりまきえべにためぬりはっかくなかつぎ〕

9月 薄〔すすき〕に鶉蒔絵透漆塗平棗〔うずらまきえすきうるしぬりひらなつめ〕

10月 残菊〔ざんぎく〕に鶴蒔絵黒漆塗叩塗雪吹〔つるまきえくろうるしぬりたたきぬりふぶき〕

11月 枇杷〔びわ〕に千鳥蒔絵洗朱塗丸棗〔ちどりまきえあらいしゅぬりまるなつめ〕

12月 早梅〔はやうめ〕に水鳥蒔絵溜塗割蓋〔みずとりまきえためぬりわりぶた〕

直弼の発注により、千家〔せんけ〕お抱えの漆工師で、名工の誉れ高い8代中村宗哲が制作した薄茶器です。1年12ヶ月の意匠を表した12合1組の道具で、意匠は、鎌倉時代前期の歌人、藤原定家〔ふじわらのていか〕(「さだいえ」、1162~1241)が月ごとの「花」と「鳥」を題材に詠んだ「詠花鳥倭歌」24首に依る、王朝文化の雅な伝統を感じさせるものです。直弼好みの茶道具の中でも特に有名な道具です。

彦根城博物館HPより



Photo親戚からのいただきもの。