絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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京都岡崎 蔦屋書店で開催中のにしおゆきさんの展覧会「童話の世界の土人形」は、本日最終日です。20時まで。

2021-01-10 | ●思うこと


京都岡崎 蔦屋書店で開催中のにしおゆきさんの展覧会「童話の世界の土人形」は
いよいよ1/10(日)、本日最終日です。20時まで。当店の古い本たちもご一緒させて頂いてます。

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にしおさんとはこれまでたくさんの展覧会を一緒にやってきましたが
はじめてご一緒させて頂いたのは 2014年に開催した
京都・小さい部屋さんでの展覧会「人形とえほん」でした。
あの時の体験はとても印象的で、今でもたまに思い出します。

正直、初日を迎えるまでは
「みんな にしおさんの作品を観にいらっしゃるわけだし、古い本たちは余計なんじゃないか」
と思っていたんですが、始まってみたらその予想は嬉しい方に裏切られ
にしおさんの人形だけでなく本も見て下さる方が多く、ほんとにびっくりしました。
しかも、本を見にいらっしゃる人は本だけ、というわけでもなくて、
にしおさんの作品と一緒に購入される方も多かったのがまたまたびっくりでした(その逆もまた然り)。
本と作品が分離せずに調和した感覚があって、とてもとても新鮮な体験であり発見でした。
「本を本屋で売る」ということからなんとか抜け出せないかと思って、
あれこれ試行錯誤していた時期だったけど、まったくイメージしていない形でしっくりできたのは
にしおさんの懐の深さのおかげだったし、小さい部屋さんのお店の包容力のおかげだったし
お客さんたちのおかげでした。

その後、この展覧会「人形とえほん」は、京都→倉敷→香川→高知とツアーのように
2014年~2016年まで開催されました。全ての展覧会の初日に同行する度に
たくさんの発見があって、中でも興味深かったのは「馴染みのお客さん」がいたこと。
「あれ?この方、この前のときもいたし その前もいたぞ」と一度思ったら、
急に気になり始めました。しかも、一人や二人じゃない。たくさんいる。
「え、すごい。みんなどこに住んでるの?どういうこと?」
としばらく理解が追いつかなかったけど、最後の高知のときには
そのお客さんたちと少しずつ話すようになって、
いろんなことが理解できたというか共感できたような気がします。
にしおさんの作品を観るというのは、一番の目的であるのは間違いないんだけど
同時にきっかけであり自分たちが選んだわけではない目的地をランダムな旅行として
その土地全体を楽しんでいるように見えました。
なんて健全な姿勢なんだろう、と感動を覚えました。
そして、いつの間にか自分もその一人になっていたのも面白かった。

それから、みなさん自由人なわけではなくそれぞれの事情がある中で
その日の予定をなんとかあけていらっしゃっていたことがわかったのも
自分にとってありがたい発見でした。この一連のツアーがなければ
一面だけ見て「自由な人なんだろうなあ」と決めつけてしまうところでした。あぶなかった。
にしおさんとのツアーはたくさんの大事なことを気付かさせてくれた貴重な体験でした。

この状況下でこれまでのことが夢のように感じるときもあるけど
にしおさんの展覧会で得たこれらの体験がなぜかいま自分に響いています。

今回、にしおさんの作品のことではなくその周辺のことを書いてしまいましたが
これらの体験もにしおさんの作品と一緒になってるような気がしているので
このタイミングを借りて書いてしまいました。
ギリギリになっちゃったけど、展覧会は本日20時まで!
にしおさん、本当にありがとうございます!

◎展覧会詳細
https://organsha.com/news/1503/




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