絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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当店発行の市村柚芽さんの画集「花」のこと

2023-09-15 | ●思うこと



市村柚芽「花」(るすばんばん~刊)のことを少しだけ書いてみたいと思います。

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この本には、花の絵47点が時系列に掲載されています。
市村さんが「花」を描き始めたのが、2020年。
それから数年経った今も、花を描き続けています。
この本に載っているのは、2020年に一番最初に描いた花から
校了直前の2023年4月までの絵が載ってます。

絵のほかに、当時の日記も掲載しています。
この日記というのは、市村さんのHPやSNSから持ってきたものなので
全ての絵に日記があるわけではありません。ものすごく断片的です。

それからもう一つ。
絵と日記のほかに、空想のお話が一つあります。
このお話は4つの章に分かれていて
ざーっと読んでもあんまり意味が分からないような謎のお話です。

こんな感じで、絵と日記と空想のお話の3つの要素でこの本は成立しています。

話がすこし逸れますが、展示のこと。
市村さんが描いているのは、絵です。
たぶん、その絵たちはそれぞれが独立しています。
そして展示では、それらの絵が生で観られます。
展示というのは、おそらくこれだけで充分です。
観る人にとっては、案内や説明が不親切だったり
展示方法に納得いかないこともあるかもしれませんが
絵が絵だけで独立している場合は、
やっぱり生の絵が観られるというのは、すごく重要なことのような気がします。

本の話に戻ります。
絵が独立している(本のために描かれた絵でない)場合
基本的に本は余計だったり余分だったりします。
絵からしたら、本の存在は重要ではない、という関係性。
良くも悪くも こういう余計な部分が本にはあって、野暮ったいときもあるけど
でも、こういうところも本の面白さの一つなんじゃないかと思っています。
この本には、生の絵とは違う性質や魅力を持っていてほしい。

もしかしたら、この本「花」は、少々わかりにくい本かもしれません。
僕自身、この本のことを”画集”という言い方をしていますが
それがしっくりくる表現かどうかわかりません。
見方によって変化しますが、
この本の中では、絵描き(市村さん)も一人の登場人物であり
著者というのとちょっと違う気もしてきます。
こうやって見ると、この本が画集と言っていいのかよくわからなくなります。
たぶん、いろんな入口があるのかも。
まあ、呼び名はなんでもいいので
画集としても、読み物としても楽しんで頂けたら幸いです。

一読者としてのぼくは、この本を読んで「花」のことを考えたり、想ったりしました。
自分以外の人は、どんな風に感じるのかちょっと気になります。





◉市村柚芽「花」詳細
https://rusuban.ocnk.net/product/9801

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