絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

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きくちちきさんの展覧会、無事に終わりました。と、絵本「どうぶつのねいろ」のこと。

2016-10-06 | ●思うこと


きくちちきさんの展覧会、昨日無事に終わりました。
とってもよかった。
「ぱーおーぽのうた」の絵本もよかったし、絵本原画との関係もおもしろかったし、
トライギャラリーさんとのスタンプラリーも楽しかった。

トライギャラリーのご夫妻や、佼成出版社の皆さん(特に編集者さんと奥さん)、
スタンプラリーに挑戦して下さった皆さま、本当にありがとうございました。
スタンプ押すのも見るのも楽しかったなあ。

それから、描き下ろしの絵とお話もうれしかった。
これらがすごく好きになっちゃって、思い立って絵本も作ったというか、
作らせて頂いたのは、とてもとてもありがたかったです。
こんな無茶なことにあたたかく付き合って下さった ちきさんには心から感謝してます。
また一緒に何かできるといいなあ、と思ってます。

本当に本当に皆さま、楽しい時間をありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いします。


店主


・・・・ ここからは、長いです ・・・・


今回の展覧会で誕生した絵本「どうぶつのねいろ」について書かせてください。

この本は、今回の展覧会のために描き下ろした 13の絵と13のお話を一冊にまとめたものです。
同時に、新刊「ぱーおーぽのうた」の関連作品でもあります。

今回、本を作る予定はありませんでした。
というより想像もしていませんでした。


今回の展覧会が始まるちょっと前の9月21日のこと(展覧会は、24日から)。
その日は設営日で、この13点とお話を初めて観た日です。

一枚一枚、絵とお話を合わせて観ながら「おもしろいおもしろい!」と
みんなで言いながら額装していったのを覚えております。
額装して、壁にかけて、短いお話も展示して改めて観る。
やっぱりおもしろいなあ。おもしろい、、、。
たくさんの人に絵と一緒に読んでほしいけど、
うちの店狭いし、落ち着かないし、みんな頭に入らないだろうなぁ。
これ、なんとかのこせないかなあ。のこせないかなぁ。のこしたいなぁ。
あ、本になりそう。なりそう、、。なるなぁ。
本にしたい。本にしたい、、。
なんてことをぐるぐる考えながら、その日は過ごしました。

夜になっても、二人とも(うちの奥さんと)そのぐるぐるはやまず、
「どうしようかどうしようか。」「いやいやいや、、ないない」となど言いあってました。

正直、無謀にも思えたし、
そもそもそんなことをお願いしても大丈夫なのか。
もっと時間をかけて冷静に考えるべきではないのか。
などなど。いろんな葛藤がありました。

朝が来てもぐるぐるしてます。

いずれにしても、時間がない。
いや、時間はないけど、時間はある。
今日は9月22日。初日は24日なので、今日と明日の二日ある。
この二日間っていう時間は、時間があるのかないのか。
(普段は、前日搬入・設営が当たり前なのですが
今回はちきさんのスケジュールを考えて三日前の搬入となりました。)
この二日の意味を考える。
なんかわかった。

よし、やろう。

いや、ほんとはよくわからなかったけど、
やるならこの二日だけしかないような気がして、
うちの奥さんと一緒に決断しました。
あ、決断なんて言ってるけど、ちきさんの絵だしお話だし
本人じゃないのに、なんの決断なのかよくわからない。
よくわからないけど、その朝、ちきさんに電話。

「あのぅ、、大変申し訳ないんですが、、、あの絵とお話、本にしたくなってしまって
、、、してみてもいいですか?いや、すみません、、どう思われますか?」
妙にびくびくしながらの電話でした。
ちきさんは、あんまりよくわかってないようで
ぽかーんとされてたような気がします。
それから、ちゃんと事情を話して、了承頂けたような気がします。
※ありがとう、ちきさん。いつも変なお願いをしてすみません。

それから、急いでお店に向かって設営した絵たちを
壁からおろし、額から外しました。
撮影を終わらせ、デザインを考えてデータを作る。


次の日、ちきさんにちょっとだけお会いして、
デザイン案や構成をチェックして頂いて、いろいろご指摘や直しを入れたり
アドバイス頂いたり。聞きたいことを全部聞いた、と思う。
それから、深夜にまたやり取りして修正し
翌日、データを完成させて入稿。
ここまでが終わったのは、25日のことでした。


不思議なもので、入稿したあとにちょっと冷静になったのか、
こういう本づくりをしてよかったのか。ちょっと強引だったんじゃないか。
作る前とはちょっと違った葛藤がやってきました。

葛藤と言っても、ネガティブな意味は全然なくて、
僕みたいなただの店の人間がどこまでやっていいのか、
作り手以外の人間が、作ったものに対して何か考えたり、
ちょっとでも触れていいのか、といういつもやってくる悩みです。
何もしないで楽しんで観てるのが
きっと一番いいのだと思ってはいるのだけど
お店の中で起きることは、ついつい一緒にやりたくなってしまいます。
それが、いいのかどうなのか未だにわからないんですが、
楽しいので、つい。ほんとにすみません、という気持ちです。

それから。
本づくりは、どうしてもある程度時間がかかってしまいます。
そういう作業は、とても楽しいので好きなんですが、
いまの衝動と想いをできる限りすぐに形にすることにも
興味があったのは事実で、そういうことを本づくりでもやれるものなのか。
想いの速度と本を作る速度を限りなく近づけることってできるのか。
以前から、とても気になっていたことでした。
今回は予想も想像もしないところから、そんな気持ちが湧いてきたことが
うれしくて、その気持ちに従ってみました。


個人的には、ちきさんの描いた絵とお話が、とても微笑ましくて
この展覧会だけで終わらせるにはもったいないので
ぜひぜひ観て読んで頂けたらいいなあ、という想いです。


こんな気持ちにさせてくれたちきさんの作ったものたちや、
これらのわがままに付き合って下さって、一緒に考えて下さった
ちきさんに心から心から感謝致します。
もっと精進します。

そして、この絵本を手に取って下さった皆さま、
本当にありがとうございました!


店主



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http://rusuban.ocnk.net/product/8493
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