脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

レコードの時間。

2019年01月06日 16時56分27秒 | 音楽
昨年の後半頃から、部屋でレコードを聴くようになった。40年以上前
の代物だが、レコードプレーヤーで相変わらず聴ける。CDに比べて音
質が暖かい。CDだと曲が平板に連続して聞こえるものが、レコードだ
と1曲1曲に凹凸があるかのようで、1曲を大事に聴いている気がする。

レコードが部屋に作ってくれる時間の流れは、CDとは違うのである。
現代の細切れなスマホ時間と比べると、遥かにゆったりした昭和な時間
感覚がレコードにはあるようだ。こんな時間の過ぎゆく感覚と、その時
間の流れにマッチした空間をいとおしみたい。

今年は改元で平成が終わるが、平成の歴史とはパソコン(携帯端末含む)
の発展の歴史だったし、またレコードからCDを初め記録媒体の発展史
でもあった。確かCDの登場は昭和末頃だったが、最初耳にした時の音
の印象は「金属っぽい」感じで、やや嫌悪感を覚えたものだ。

平成の次代数十年は、AIの時代であり、ゲノム編集のような遺伝子工
学が社会を大きく変えるだろう。また一方で長寿化により文化を担う世
代も上方にシフトして、回顧調や復古調も流行るような気もする。レコ
ードやカセットテープへの回帰、一部で「昭和」への回帰が今より強ま
る気がする。レトロというのは今までもあったが、何かしら新レトロみ
たいなものが登場する予感がする。

私は「昭和」という時代が決して好きな訳ではない。昭和は今よりも活
気があったが、野蛮で粗野で貧しく野暮ったい時代でもあった。トータ
ルでは今の豊かさの方がずっと好い。あくまでも、昭和時代のゆったり
した時間の流れが好きなのである。

アクセクしたせわしないスマホ時間を尻目に、「昭和」な時間感覚を守
りたいし、そこに贅沢に浸っていたいと思う。みな同じ携帯端末等が作
り出す時間を生きるのではなく、60代には60代の自然な時間感覚が
あり、70代や80代にもそれぞれ別の感覚があるはずで、文明の均質
化圧力に抗して、各自、自分らしい時間や空間の在り方を見詰め直すべ
きである。



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