脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

心筋梗塞その後 (2)。

2015年02月22日 18時08分46秒 | その他の病気
心筋梗塞でカテーテル治療を受けた後、医師から強く迫られたことは
完全に禁煙せよとのこと。一本でも喫ったらアウトだという。喫煙は
血管を収縮させるだけではなく、治療薬の効果も低下させるのだそう
である。節煙しつつ愛煙家を続けたかったので、ガックリきた。

私の喫煙歴は、高校一年頃に始まる。友達から貰ったショートホープ
が旨くて未成年スモーカーとなった。当時から今まで一日に喫う本数
は10本未満である。それ以上喫うとノドがおかしくなる。私はおそ
らく体質的にタバコは合わないのかもしれない。

ニコチンという害毒を体に入れて煙を吐くこと。自分を傷つけつつ世
間に向けて煙を吹く。自虐と攻撃、シニシズムとダンディズムがタバ
コ文化にはある。若い頃はそれが気に入っていたから、タバコを喫う
というスタイルに憧れ、それを自分の生活に同化したのかもしれない。

今でも尚、タバコ的文化は好きである。タバコ・コーヒー・ジャズ、
時代掛かった文学や哲学‥。世界を斜に眺めつつ自らの滅びを夢見る。
そんな不健康さや気難しさ、孤独や退廃等がタバコの紫煙とはよく似
合うのだった。が今となっては、廃れつつあるオールド文化なのか。

喫煙歴40年の私が、初めて丸一ヶ月禁煙をした。
自分の体にまとわり付いていた匂いが消えた。気持ちが何処か若返り
綺麗になっていくかのようだ。禁煙するとメシが美味いとも聞くが、
食事の味に変化はない。食後に一服したい欲望は薄っすら残るが、タ
バコの代わりにアーモンド・チョコを食べて誤魔化している。

タバコって、抑圧されたモノたちの自虐的な快楽と反抗の身振りだっ
たのではなかろうか。そんな身を切るような気取りは、若い頃しか似
合わない。私はそんな傾奇者的なタバコ文化を今でも愛するが、喫煙
を卒業することにした。健康でありたいからというよりも、自分の目
指す〈自然〉へ向かいたいから。




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