坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ルドンとその周辺ー夢見る世紀末展

2011年09月03日 | 展覧会
日本でも人気の高い世紀末画家オディロン・ルドン(1840~1916)。国内でルドンの研究、コレクションで定評のある岐阜県美術館コレクションをもとに、本展は、その周辺の象徴主義関連の作家たちの作品で構成されます。
ルドンの有名な「眼を閉じて」。夢想的な色彩に心ひかれます。外界の再現を旨とする自然主義の全盛にあって、夢や幻想の世界に踏み込んだルドンと、モローやブレスダンなどのルドンの先行者、ファンタン・ラトゥールヤゴーギャンなどの同世代画家、ルドンの影響を受けたナビ派など後続の画家たち、さらにはフランス象徴主義と連動しているクリンガーやムンクの作品など併せて展示し、自我と自然の神秘的な交感を深めたルドンの世界とともに、19世紀末象徴主義に至る画家たちの系譜をたどる展示内容になっています。

◆岐阜県美術館所蔵 ルドンとその周辺ー夢見る世紀末展/9月6日~10月10日/浜松市美術館
 10月15日~11月13日・美術館「えき」KYOTO  12年1月17日~3月4日・三菱一号館美術館(丸の内)