自由広場

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エラトステネスのふるい

2008-10-16 01:36:21 | どーでもいいことつらつらと。
たまにネット上で見たこともない漢字に出会います。箍(たが)だとか鎹(かすがい)だとか、一生手では書き出さなそうな字たちがそれです。そして今日も「篩」という知らない漢字に出くわし、「ふるい」と読むということを学びました。そして、プログラミングを専攻していた学生時代に習った「エラトステネスのふるい」を思い出したのです。


「ふるいにかける」という言葉があります。今風な使い方をするなら、携帯のアドレスを変えた際、アドレス帳に登録していた友人達に変更のお知らせメールを発信することになりますが、「この機会にアドレス帳を整理するか」みたいなノリで、全く連絡を取らない知り合いから順にデータを消去し、変更お知らせメールを送らず縁を切る作業、これを「友達をふるいにかける」といいます。「エラトステネスのふるい」とはまさにそれのことです。


「まずは昔のバイト仲間から切ろう」と思ったら、あ行から順に、かつてのバイト仲間を全員消去すればいいことになります。さらには一度だけ飲みの席を一緒にした名前だけだと顔すら思い出せない人たち、仕事の便宜上とりあえずアドレス交換だけしたクライエントなど、これから先も決して関わることのない人々をふるいにかけます。条件ごとに潰していくのです。最終的に残った精鋭たちが、あなたにとっての最愛なる友人達である、かどうかは知りません。


「エラトステネスのふるい」は元々、ある有限個の連続した整数の中から素数を全て拾い上げる方法のことを指します。これをアルゴリズム化することはプログラマーの登竜門でもあるかと思われます。

たくさん並んだ数字の列。素数は2から始まりますから、まずは3以降の中から2の倍数、すなわち偶数を切り捨てます。さらに次は3の倍数を消し、続いて5の倍数・・・・・・とやっていくうちに素数だけが残されるのです。ちなみに自分はこのプログラムを組むことすらままならず、友達の援け無しにはクリアできませんでした。ほんとプログラマーのセンスなかったわ自分。



世の中ではたくさんのものがふるいにかけられています。新しいことをやった人は極めて高い評価を受けますが、以降同じことを模倣して成した人には盛大なバッシングと必然の淘汰もしくは鼻であしらわれる程度の扱いを受けます。学校の試験では合否基準がもうけられ、基準以上の人は基準以下の人よりも優れているような解釈が当たり前のように考えられています。僕自身も今誰かの手によってふるいにかけられ、その人の携帯のアドレス帳から僕のデータが消去されているかもしれません。


豆腐を作る過程で、ふるいにかけられ残ったものをおからと呼びます。豆腐屋さんに行くと無料で配られていたりします。僕は、大豆を洗練させて作った豆腐も、芥のような扱いを受けるおからも、どちらも大好きです。実際にどちらも栄養があります。学生の頃貧乏で、友達の持ってきていた弁当のおからを分けてもらって飢えを凌いでいたこともいい思い出です。



いつ何時も多くのものたちが篩にかけられています。残っても落ちても、一番大事な部分は同じだし、味付けの一つでどんな素晴らしいものにもなれるんだなぁと、珍しく綺麗な締めで終わりたいと思います。

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