(有)村田牧場通信

(有)村田牧場から情報を発信するブログ

【血統・配合】オーシャンフリートの2016(牝 ローレルクラブ提供馬)

2017年11月09日 | クラブ募集馬



今日は、ローレルクラブ提供馬の1歳馬であるオーシャンフリートの2016を紹介したいと思います。

10月中旬に当場から育成場の小国スティーブルに移動したオーシャンフリートの2016。



10月末の馬体重は480kgとの報告書が届いています。

引き渡した時も、トラックから降りた直後から周りを気にしながら厩舎まで歩いていましたが、10月末時点ではウォーキングマシンやロンジングをしてもらいながら環境に慣れさせているとのこと。

母似に感じさせる馬体ですが、母オーシャンフリートは全5勝が京都ダ1400というはっきりとした傾向を持っていました。

父ヘニーヒューズに関して言えば、このところ産駒がダ1400で好走している傾向にあるので、父母の成績を考えるとダ1400前後が主戦場かなというのが現時点での印象です。

まずは、小国スティーブルさんでじっくりと育成してもらって、出資会員さんに楽しんで頂けるような立派な競走馬に成長してほしいものです。



さて、ここからはオーシャンフリートの2016の血統について紹介したいと思います。

父ヘニーヒューズに関しては、ローレルクラブ募集馬の先輩でもあるダンケシェーンの記事で紹介しているので、ここではまず母オーシャンフリートの血統について触れておきましょう。

OPクラスまで上がってくれたオーシャンフリートですが、この馬にはもともと配合モデルの馬がいました。

それが、当場の近隣牧場さんの生産馬であり、G1ジャパンダートダービーを勝ったビッグウルフ号です。





ビッグウルフの母はトニービン×マルゼンスキー牝馬でしたが、これはオーシャンフリートの母であるウインクパール(トニービン×Caerleon牝馬)と類似していると思い、アフリートを配合した経緯があります。

アフリート×ウインクパールの配合では全体に米血脈が豊富な配合になりますが、トニービンの部分だけが欧州血脈となり、いわゆる“4分の1異系”配合になると考えました。

ビッグウルフの活躍に加えて、このような適度に健全と思わせる配合も相まって、この配合からオーシャンクルーズ(中央2勝)とオーシャンフリート(中央5勝)が生まれたわけです。

一方で、この配合には幾つかの相似クロスも織り交ぜています。

その一つが、Mr.Prospector≒Where You Leadです。





いずれもRaise a Nativeを父に持ち、母父はNearco系という共通点があります。

さらに、5代表には登場しませんが、Blenheim=His Graceの6×4という全きょうだいクロスも存在します。

ほかにも、Mr.Prospectorの3代母Miss Dogwoodが、Caerleon内のNothirdchanceと相似クロスを形成します。





Bull Dog(Sir Gallahad)×Blue Larkspurの組み合わせが特徴的です。

では、そろそろ娘のオーシャンフリートの2016について触れましょう。

ヘニーヒューズ産駒の彼女ですが、同じヘニーヒューズ産駒の当場生産馬ダンケシェーン(牡2歳)とは父の血の用い方が少し異なると考えています。

あえて、ダンケシェーンとの血統的な共通点を探すならば、Storm Bird≒Nijnskyの組み合わせをオーシャンフリートの2016も持っている点が挙げられるでしょう。

彼女の場合、Storm Bird≒Nijnskyに加えてそれぞれの息子であるStorm Cat≒Caerleonという見方が可能だと思います。





まず、Northern Dancer×Bull Page系のStorm Bird≒Nijinskyという関係があり、母方にPrincequilloを持つ点でも共通します。

このうち、Bull Pageという血脈はBull Lea(その父がBull Dog)×Blue Larkspur牝馬の配合なので、オーシャンフリートが持つMiss Dogwood≒Nothirdchanceと相似クロスを形成する関係になります。

これに関連することですが、ヘニーヒューズが持つSuspicious Nativeという血には以前から着目していました。

この血脈は、Mr.Prospectorの血と相性が良い可能性があると考えていますが、それがオーシャンフリートにヘニーヒューズを配合した一因でもあります。





どちらの血も父がRaise a Nativeであり、それぞれの母系にはNothirdchance≒Miss Dogwoodの関係があります。

これまでのヘニーヒューズ産駒の中央勝ち馬を調べると、半数以上の産駒の母方にMr.Prospectorの存在を見つけることができます。

ヘニーヒューズ産駒の稼ぎ頭モーニンなどは、母がMr.Prospector3×4を持っているほどです。





オーシャンフリートの2016の血統では、Tom Cat≒Foolsih Pleasureという相似クロスもあります。





どちらも、Tom FoolとMhamoudを持つ点で共通しています。

Tom CatとFoolish Pleasure、どちらも米国では短めの距離で活躍していたことを考えると、この相似クロスはスピード強化につながるのではと期待しています。


このようにオーシャンフリートの2016を見てみると、同父のダンケシェーンとは血統傾向が少し異なることが分かって頂けるかと思います。

育成場での生活が始まったばかりの彼女ですが、順調に成長してもらって、願わくば母の成績を超えるくらいの活躍を期待しています。