今年も3月11日がやってきました。
東日本大震災から、11年……
残念ながら、今年の3月11日は、核に関する新たな脅威を目のあたりにしながら迎えることになりました。
もちろん、ウクライナのことです。
チェルノブイリとザポリージャ原発、双方とも、IAEAへのデータ送信が停止。電源喪失していたチェルノブイリに関しては電力供給回復という報道もありましたが、IAEAは未確認としています。チェルノブイリは事故後数十年にわたって冷却されてきているので、すぐにメルトダウンということはないらしいですが……ザポリージャのほうは一歩間違えれば大事故になる危険があるでしょう。
あらためて、原発というもののリスクを考えさせられます。
原発の安全神話はすでに崩壊していますが……平常時の運転の場合にくわえて、戦争という状況を考えたときには原発というものが安全保障上致命的なリスク要因になるということが今回示されたわけです。
ツイッターでどなたかがつぶやいておられましたが、原発があるということは、ほかのすべての国に核ミサイルを持たれているに等しいということになります。
国家の安全保障を論じるなら、非現実的な核保有を云々するよりも、原発という現実的なリスク要因をどうするか考えるべきでしょう。
さて、いま人類が直面している危機といえば……もう一つは、新型コロナです。
これまでの多くの場合と同様に、第六波も危惧されていた悪いほうのシナリオが実現しつつあるようです。
急速に減少していくのではないかという楽観的な予測は裏切られ、新規感染者数は高い水準のまま推移しています。死者数も、一日で200人を超えるのが当たり前のようになり、累計の死者数はとうとう東日本大震災の死者を超えてしまいました。
この二年あまり、政府の新型コロナ対策はどうだったのか。
ひるがえって、もしも東日本大震災のとき自民党政権だったらどうなっていたか……
それを考えると、あの未曽有の大災害がたった三年ほどしかなかった民主党政権のときにあたっていたのは、案外この国をぎりぎりのところで破滅の淵から救う奇蹟のような偶然だったのかもしれない……そんなことも考えてしまいます。