ロック探偵のMY GENERATION

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デッケネの名曲を振り返る

2024-05-18 22:48:56 | 過去記事

Dead Kennedys - "California Über Alles"

今回は、音楽記事です。なぜだか、最近の記事は死去した人物ということを軸にして書くことが多くなっていますが……今回も、その流れは続きます。登場するのは、Dead Kennedy......


過去記事です。


先日セパルトゥラの記事で、ジェロ・ビアフラの名前が出てきました。
そういえば、デッド・ケネディーズの記事を書いたのは去年だったなあ…ということで、デッケネの記事です。



セパルトゥラのBiotech Is Godzilla という曲が、デッド・ケネディーズのボーカルであるジェロ・ビアフラとの共作だという話だったんですが……
Youtubeを見ていると、セパルトゥラがデッケネの代表曲Holiday in Cambodia をライブでカバーしている音源がありました。

Holiday in Cambodia (Live at Zeppelinhalle, Kaufbeuren, West Germany, 9/22/1989)


セパルトゥラは、ジェロ・ビアフラをゲストに迎えて共演したりもしているようです。あのBiotech Is Godzilla も、そういった縁からできた曲でしょう。
このライブ音源では、歌に入る前に反戦の歌であることを紹介しています。このときのセパルトゥラのメンバーは現メンバーとはだいぶ違っていますが、パンク/ハードコアの闘うアティチュードは継承されているのでしょう。



ちなみに、同じ曲をフーファイターズがカバーした音源もあります。


Holiday In Cambodia (Live from the 2007 MTV Music Awards)


どう考えてもデイヴ・グロールの声ではないよな……と思ってコメント欄を見ると、歌っているのはシステム・オブ・ア・ダウンのサージ・タンキアンらしいです。
システム・オブ・ア・ダウンといえば、だいぶ前に一度このブログで紹介しました。ラディカルということでは、デッドケネディーズ直系といってもよいでしょう。
こういった人たちがカバーしているというのは、いかにデッケネが愛されているかということを示しています。



デッドケネディーズといえば、昨年、アルバムFresh Fruit for Rotting Vegetables がゴールドディスクに認定されるということがありました。
1980年のリリースから43年をかけて……これも、デッド・ケネディーズが深く愛されている証左でしょう。大ブレイクしてチャートで一位になったりはしませんが、数十年の時を経ても聴き続けられているということなのです。

そのアルバムに収録されている曲 Kill the Poor を、トリヴィアムがカバーしている動画がありました。

Trivium - Kill The Poor (Official Audio)


トリヴィアムも、前回のセパルトゥラの記事に登場していました。こうしてつながってくる何かがあるということでしょう。



デッケネが愛されていることを示す例をもう一つ。
ジャンル的にはずいぶん離れているようにも思えるMobyです。デッド・ケネディーズのドラム、DHペリグロを迎えた曲を発表していました。

Moby - Power Is Taken ft. D.H. Peligro (Official Video)


ここでのペリグロは、ボーカルというよりも、せりふをしゃべっている感じです。「抑圧を憎むのならば、官憲と闘わなければならない。力は分け合うものではない。奪い取るものだ」……これがまさに、デッケネ流のラディカリズムです。
元記事でも書いたとおりDHペリグロは2022年に死去しています。このMobyのシングルに参加したのは2020年のことで、最晩年の仕事といえるでしょう。文字どおり、死ぬまでロックしていたのです。


もう一つ、昨年の話として、ジェロ・ビアフラがゴーゴル・ボールデロというバンドのチャリティ企画に参加していました。
ゴーゴル・ボールデロは多国籍バンドで、リーダーのユージン・ハッツはウクライナ出身。ということで、ウクライナ支援のための楽曲を発表しています。
United Strike Back - Gogol Bordello & Friends

この企画には、ビアフラのほかにも、グリーンデイ、フガジ、ミニストリーといったバンドのメンバーが参加しました。
ビアフラもまた、闘争のアティチュードを失ってはいないのです。



最後に、デッド・ケネディーズ自身の曲をひとつ。

Dead Kennedys - Nazi Punks Fuck Off (In Studio)


タイトルからだけでも、ラディカル感は伝わってくるでしょう。
これでこそパンク、これでこそデッケネというものです。




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