ロック探偵のMY GENERATION

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PPMの名曲を振り返る+α

2021-09-27 16:21:09 | 過去記事

ピーター、ポール&マリー「花はどこへ行った」(Peter, Paul and Mary - Where Have All the Flowers Gone)

先日、中東情勢緊迫という記事を書きました。その前には、戦争ファンタジーという記事も書きましたが……どうも、また戦争が起きそうな気配が高まってきているように感じられます。アメリ......


過去記事です。
ピーター、ポール&マリーの「花はどこへ行った」について書いています。
今回も動画を。ちょっと前にジョーン・バエズが歌っている動画を紹介しましたが、こちらがオリジナルです。

Where Have All The Flowers Gone


ここからは、プラスアルファとして、PPMについてちょっと書きましょう。

「花はどこへ行った」は、反戦フォークの代表のようにいわれているわけですが、意外にも、本人たちにはあまり反戦の歌を歌っているという意識はなかったともいいます。

方向性が似ている歌として、たとえば「悲惨な戦争」がありますが……

Cruel War

これは、南北戦争の頃の歌。つまり、PPMがこれをとりあげたのは、フォークシンガーが古い歌を採集してきて歌うその一環であって、ことさらに反戦という部分を強調しているわけではないと……

そのあたりはどうなんでしょうか。
ジョーン・バエズの場合は明確に反戦の意識をもってやっていたわけで、まあ、聞く側の解釈次第という部分もあるとは思われます。

解釈といえば……PPMの代表曲 Puff, the magic dragon。この歌にさえ、反戦歌という解釈があります。
歌の最後にジャッキー少年がパフのもとにやってこなくなるのは、兵士として戦場に行ったからだと……
この点に関して、ピーター・ヤーロウはこういっています。

 ジャッキーは大人になったのさ。ずっと子どものままでい続けることはできない。誰もがいつかは大人になり、穏やかで平和な世界をつくる側にまわらなければいけないのだから。「パフ」では、子どもの頃の純粋な気持ちや、少年と竜の間の純粋な愛情、そして大人になっていく過程で感じられる悲しみを表現したんだ。

なるほど、たしかにそういう歌でしょう。
せっかくなので、この歌を由紀さおりさんが歌っている動画で紹介しましょう。由紀さおりさんの歌声で、その物語が伝わってきます。

Pink Martini&Saori Yuki - パフ / Puff,the magic dragon


ちなみに、先に引用したピーターの言葉は、2012年、日本の朝日新聞のインタビューに答えたものです。
PPMが50周年を迎え、ライブアルバムなどを発表するのにあわせた記事ですが、この中でインタビュアーは次のような質問をしています。

―「花はどこへ行った」も含め、60年代、多くの反戦歌が歌われました。しかし、いまだに紛争は各地で続いています。音楽は世界を変えることができなかったのでしょうか。

これに対して、ピーターはこう答えます。

 変わったことだっていっぱいある。僕らは63年、ワシントン大行進で人種差別撤廃を訴えた。いま、米大統領はアフリカン・アメリカンだ。これが進歩でないと言えるかい? 完璧とは言えないけれど、女性の権利も守られるようになってきている。
 今こそフォークが必要だ。格差、原発、環境危機……。様々な問題に対して、手を携えて心を一つにし、本当の意味でグローバルで平和な世界を目指していなかければ。フォークはそれができる音楽だと思う。
 昨年のオキュパイ運動(経済格差解消を求め、米ウォール街を占拠する市民運動)では、娘や息子、孫と一緒にフォークを歌った。フォークは過去の音楽じゃないし、僕自身だって終わったとは思っていない。ピート・シーガーは93歳。僕なんて74歳だから、まだまだ、これからだよ

一応注釈をつけておくと、ピート・シーガーとは、アメリカの伝説的フォークシンガー。「花はどこへ行った」を作った人です。最近このブログにたびたび登場するブルース・スプリングスティーンも彼を強くリスペクトしています。
このインタビューが行われた2012年には93歳だったわけですが、その翌年、94歳となったピート・シーガーがステージに立つ動画があります。

Pete Seeger - If I Had A Hammer (The Hammer Song) (Live at Farm Aid 2013)

ジョン・メレンキャンプに紹介され、バンジョーを抱えて登場するシーガー爺さん。
さすがに、おい大丈夫かとちょっと心配になってくる動画ではありますが……しかし、「私にはじゅうぶんな声がないが、みんなが歌ってくれる」とシーガー爺さんのいうとおり、オーディエンスがちゃんと歌ってくれます。
歌っているのは、「天使のハンマー」。PPMもカバーしている曲です。

 もしも槌があったなら
 朝な夕なに打つだろう
 この国じゅうに
 危険を知らせ 警告し
 同胞たちの愛を打ち鳴らすだろう
 この国じゅうに


この後「鐘があったら」「歌があったら」と続き、最後はこう歌われます。

 そして私は槌をもっている
 鐘を 歌う歌をもっている
 それは正義の槌
 それは自由の鐘
 それは同胞たちの愛の歌
 この国じゅうで

この合唱を聴いていると、ピーター・ヤーロウが語るいくらか楽観的な言葉も、あるいは信じられるのかもしれません。
個々の歌の来歴がどうであれ、PPMは「本当の意味でグローバルで平和な世界を目指して歌ってきたのでしょう。

たとえばポール・ストゥーキーは、日本の拉致被害者、横田めぐみさんにむけた歌を作ったりもしています。歌の中には、日本語の歌詞も。

Song For Megumi

この歌一つとっても、彼らのメッセージが、国籍や年代、政治的立場といったものを超越していることがわかるでしょう。





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