今日は6月29日。
ビートルズ記念日です。
ここ数年は、この記念日に合わせてビートルズのことをいろいろ書いており、今年もそれでいこうと思います。
毎回なにかしらテーマを設定して書こうということでやってるんですが……今年は、ロシアによるウクライナ侵攻があり、いま日本では選挙戦の最中。ということで、ビートルズのなかでも社会派的な側面をもった曲をとりあげて、あれこれ思うところを書いてみます。
まあ、何度か書いてきたように、プロデューサーサイドから止められていたこともあってビートルズはあんまりそういう曲をやってはいないんですが、広い意味で社会派といえるんじゃないかという歌を選んでみました。
「ひとりぼっちのあいつ」。
何をなすでもなく無為に生きる人間に対して、それでいいのかと問いかける歌だと考えるのが一般的な解釈でしょう。
Nowhere Man
観点をもたず
どこへ行くのかもわからない
それはちょっと君や僕に似ていないかい
あらんかぎりに盲目で
自分の見たいものだけを見る
ノーウェア・マン いったい君に僕の姿は見えてるのかい
「愛のことば」
ビートルズにはバディ・ホリーのカバーでWords of Loveという曲もあってややこしいですが、それとは別の歌です。原題は、単に The Word。
The Word (Remastered 2009)
その言葉を口にすれば自由になれる
その言葉を口にして仲間になろう
僕の考えてるその言葉を
君は聞いたかい その言葉は「愛」さ
それは素敵 それは太陽の光
それは、「愛」という言葉
はじめは僕もわからなかった
だけど今はわかるんだ その言葉は素晴らしいと
Piggies。
ジョージ・ハリスンの厭世的人間観がよく表れた曲です。
Piggies (Remastered 2009)
泥の中をはい回る子豚たちを見たことがあるかい
子豚たちにとって
生活は悪くなっていくばかり
遊びまわるためのぬかるみはいつもある
のりのきいた白いシャツに身を包んだ
大きい豚たちを見たことがあるかい
大きい豚たちは泥をかきまわす
遊びまわるためのシャツはいつもある
豚小屋のなかでは
何が起きてるのかはわららない
何かが欠けているのはわかってる
必要なのは おしおきさ
どこもかしこも
豚の生を生きる豚だらけ
連中が豚のような奥方と一緒に
ディナーに出かけるのを見るといい
フォークとナイフをつかんで
ベーコンを食べてるところをね
「愛こそはすべて」
All You Need Is Love (Remastered 2009)
60年代後半という時代においては、この曲をラブ&ピース的なアンセムととらえるむきもあったようです。
後にライブエイドでエルヴィス・コステロがカバーしたのも、そういうことでしょう。
いかがでしょう。
直接的ではないにせよ、今の時代、これらの言葉に考えさせられるところがあるのではないでしょうか。
ビートルズの個々のメンバーがさまざまな社会問題に関心をよせていたことは、後のソロ活動をみればわかります。プロデューサーの意向というものがあっても、やはりそれが滲み出てきているということなのでしょう。