今月まで、九州国立博物館で葛飾北斎の特別展が開かれていました。
6月12日まで……その最終日、私も行ってきました。
最近は兵庫旅行の記事をアップしていてそれで後回しになってたんですが、兵庫旅行シリーズも終了したので、このあたりで葛飾北斎展について書こうと思います。
最終日ということで、来館者はかなりの数でした。
九国博には何度かいってますが、これだけの行列ははじめて見たような気がします。それだけ関心が高いということですが……その源泉であろうと思われるのが、この特別展の目玉である『日新除魔図』。
北斎最晩年の天保13年から14年にかけて描かれた魔よけの絵です。
2017年に九国博に寄贈されたものが、今回はじめて一般公開となりました。この一連の絵がまとめて展示されるということで、注目されているわけでしょう。
撮影もOKということだったので、一枚撮ってきました。
二月三十日。
この時代に使われていた太陰暦では、そういう日付もあり得ました。
さて、葛飾北斎といえば『北斎漫画』というものでも知られており、その北斎漫画も今回一部展示がありました。
そこでいう「漫画」は、現在のいわゆる漫画とはまた意味が違うわけではありますが……しかし、現代のほうの漫画の巨匠である手塚治虫先生と共通するものがあるかもしれません。最近、やらたと話が手塚先生のほうに流れて恐縮ではありますが……
その共通点とはすなわち、あくなき向上心と探求心。
北斎は長いキャリアの中でいろんな技法に挑戦していて、水墨画風のタッチをとりいれたり、銅版画のほうにいってみたり……そのフロンティア精神が、“画狂老人卍”の真骨頂。そのスピリッツのゆえに、北斎も日本絵画史に大きな足跡を残せたのでしょう。
最後に、会場で売られていた絵葉書。
いずれも、代表的な作品でしょう。
今回の特別展は会期途中で入れ替えがあり、両方を見るために前期・後期の二回行かなければならないということになっており……私が実物を見られたのは、下の「凱風快晴」のほうだけでした。