イソヒヨドリ♂さんにはよく会うけれど
イソヒヨドリ♀さんには、なかなか会えない。
外見が、両者同じなのかと
最初思ってたくらい。
図鑑を見て、そうじゃないと知っても
「お嬢」の方には、やっぱり出会わない。
そうこうするうちに忘れちゃって…
幻のイソヒヨドリ♀さんに
私が初めて出会ったのは
公園の木の高い枝にとまって
背中を向けてるのを見つけたとき。
ヒヨドリ? ムクドリ? …違うなあ
キジバトより小さめ、模様も無くて
茶色がかった黒っぽい鳥(に見えた)
名前の分からない鳥さんは
ひとまず(借り物の)コンデジで撮る。
曇り空で、そろそろ夕方。
「はっきりとは、写ってないよね」
ところがところが…
家のパソコンで拡大したら
「ウロコのようなモノがびっしり。
『鎧』をしっかり身に着けた
初めて見る背中が写っていた。
「アナタ一体、誰なのォ?(驚)」
鳥さんのボディは、羽根とか羽毛とか
そういうもので覆われてると
思い込んでいた自分。
「でも、このヒト、そうじゃないみたい」
街中のちっぽけな公園なのに
こんな「見たこともない」鳥も居るんだ…
それがイソヒヨドリ♀さんとわかるには
さらなる時間が必要だった。
「この鳥はなんていう名前ですか?」とか
私は調べる方法を知らないし
ソモソモ誰かに訊く気がない。
「時が来ればわかる。
その「時」は向こうからやってくる」と
何事によらず思っているのかも。
あるとき、もう一度
写りの悪い写真を撮って
「あ、あのときのヒトだ!」
その写真によく似たヒトを
ネットでたまたま見ていた
イソヒヨドリ♂の隣に見つけたとき
やっと写真と名前が一致した。
あの「ウロコに覆われたような」外見が
ほんとに硬いものなのかどうか
私は今もわかっていない。
「単なる模様かもしれない…」
そう思いつつ
『鎧乙女』なんて呼びたくなるのは
どこかに「戦乙女」風?の雰囲気があるから。
秋~冬に見かけるジョウビタキさん
春から夏によく会うイソヒヨドリさん
どちらも単独行動のようで
人間をそれほど怖がらないのか
自分から近づいてくる珍しいヒト。
好奇心なのか強気なテリトリー感覚なのか…
でも、それがとても魅力的で
「ひとりで生きるってカッコイイな~」
なあんてオバアサンはため息をつく。