もうひとつの部屋

昔の記憶に、もう一度会える場所にしようと思っています。

起きろ、海行こ、海!

2022-10-25 16:30:02 | なんでもないハナシ

TVの朝のバラエティーで

あるときたまたま見かけたシーン。


毛布かぶって寝てる女性を

ドア開けて現れた男性が

「そっとやさしく」?起こす設定(らしい)


見ている他の出演者たちは

「どーやって起こすかな?」

「どんな言葉、かけるかな~」

 

好奇心あふれる?雰囲気の中

現れた男性(俳優)は、問答無用

毛布を女性(お笑い系タレント?)の

足の方から引っぺがして

ひとこと


「起きろ、海行こ、海」

 

その後もボー然としてる女性を

せきたてるように

「さあ、起きて起きて」の一点張り。


寝ていた女性はもちろん

会場のみんなもア然。


司会者は彼女に

「どう?これは。あり(OK)?それともナシ(ダメ)?」


彼女はしばらく黙ったあと

どこも見てない目線で、小さく「あり…」


すぐに気を取り直して、大きな声で

「もちろんあり」 


そして自分につぶやくように

「わたし、ほんとにこうして起こされたことある…」

 


そのときの情景が、なぜか忘れられない。

「やさしくそっと」起こすより

「起きろ、起きろ」

「海行こ、海!」


私はたぶん、男優さんの

「人との距離の取り方」

その鮮やかさ、巧みさに

ショックを受けたんだと思う。

 

最近、その記憶がなぜか浮かんできて

自分で自分に使う合言葉にした。


起き出すのがシンドイとき

小さな楽しみも見つからないとき

こうして朽ちていくんだな…と思うとき


自分で自分にそっとささやく。

「起きろ、 海行こ、海!」

 

海がそこまで好きじゃなくても

こどもの頃「海」に行った記憶と

どこかで共鳴して、誰かの顔が浮かんで

「何か」に励まされてる気がするんだと思う。

 

 

 

コメント (4)
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