もうひとつの部屋

昔の記憶に、もう一度会える場所にしようと思っています。

「…でも、わたしはこどもを育てなくちゃ」

2020-08-25 20:31:18 | ひとりごと
明け方に見た夢の話。

目覚めたときは、ぼんやりとでも
ストーリーを覚えていたのに…

覚醒してしまうと思い出せない。

ただ…

とりとめない話の流れの中
突然、自分の声が聞こえた。

「でも、わたしは子どもを育てなくちゃ」


…そこで突然目が覚めた。


「子ども」というのが何を指すのか
定かでない感触が残った。

自分の実の子どもたちのことだと
夢の中では、思っていたらしいのに。

なんだか…

本当に育てるべきコドモは他にいるのに
それは一旦、どこかに置いて
目の前の子どもの世話を
今はしなきゃいけないのだと
自分に言い聞かせているように
聞こえたのだろうか。


実際、子どもたちが幼い頃
何年間か、私は本は読まなかった。

意識して「読まないように」していた。


読み始めたら、私はきっと
子どもの世話がイヤになる。

子ども自身を「うっとうしい」「面倒」
もしかしたら「邪魔」とさえ
思うようになりそうで…

本を読むのを諦めた。

そのときには、ただそれだけの
ことだったのに…


気づいたときには、いつのまにか
「ことば」に思いを巡らすことも
人の内面を覗き込もうとするようなことも
遠い世界の事柄になった。


夢の中の自分の声は、なぜか
昔、そんなことがあったのを
私に思い出させた。

私はその後、「わたしのことば」と
もう一度近しくなることは
なかった…ということも。


「文学」も「ブンガク」も、私からは遥か遠く
「ことば」は日常のツールの顔しか
私には見せなくなっている。

かといって、不器用な私は
「道具」の使い方も
なかなか上手くはならない。


「努力」と無縁の自分には
それはそれで仕方ないこと。

それなのに…


わたしはもう一度、言葉の世界の
入り口を見つけたい(らしい)。


単なる「道具」の顔だけじゃない
「わたしのことば」だった?ものの
残骸・痕跡にでもいいから
もう一度、私は会いたいのだ。



長い間放ったらかしにしておいて
そんなことを、今思う。

虫のいい、或いは単に
気まぐれなだけの望みだとしても。







(2020年6月22日タイトル)
コメント (4)
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