むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

ザンビアの反中国派野党指導者、台湾を訪問中

2007-02-08 02:07:56 | 台湾その他の話題
南部アフリカ、ザンビアの反中国派野党の指導者マイケル・サタ氏が4日から9日までの日程で台湾を訪問している。

ザンビアは隣のタンザニアとともに、長年中国の忠実な友好国で、かつてはタンザン鉄道への人民中国の支援などの美談で知られる。ところが、近年、中国の野蛮な資本主義的成長と経済進出に伴って、進出している中国企業に搾取された労働者や貧困層の間で急速に反中国感情が高まっている。
サタ氏は昨年9月末に同国で行われた大統領選挙で野党「愛国戦線(Patriotic Front)」候補として出馬、貧困層を背景に、中国批判を展開。事前には当選が有力視されたが、中国と結託する与党陣営の選挙操作などもあって、結果的には30%程度の得票率にとどまり落選した。ただし、中国の経済侵略が目に見える首都ルサカでは当選した与党大統領の3倍もの得票を得た。しかし選挙後、サタ氏は選挙不正に抗議する暴動を起こしたという言いがかりで一時逮捕された。
ザンビアは民主主義・自由度のレベルでいえば、半民主・半自由といったところ。言論の自由や競争選挙がないわけではないが、しかしそれが中国と結託する与党陣営の腐敗や不正によって、かなり歪曲されるし、政権批判の野党やメディアは存在できるが、自由が完全に保障されていないことは、サタ氏が言いがかりをつけられて逮捕されたことでも明らかだ。

ここで、面白いことは、昨年のザンビア大統領選挙が、中国に対するスタンスでの争いになったことだ。
また、この2月初めに中国の胡錦濤国家主席がザンビアを訪問しているが、その際に、野党や学生の抗議デモが散発的に展開されたという。なぜタンザン鉄道で中国との友誼を誓ったザンビアが、ここまで反中感情が広がったかというと、ひとえに中国による安い繊維製品などの流入で地場産業が打撃を受けたこと、中国が買収した銅鉱山で賃金未払いが続いていること、腐敗した権力層と結託して、同国特産の銅を買いあさるばかりで、その果実が民衆に還元されず民衆の多くは貧しいままでいること、などが原因だ。いわば中国によって搾取・収奪されてきた民衆の鬱憤が積もりに積もって反中感情が噴出しているのである。これはアフリカの貧困層全体に広がっている動きだ。
そうした民意を反映する形で、サタ氏は「当選したら中国資本を追放する」「台湾は独立国家であり台湾と関係を樹立すべきだ」「中国よりも日本のほうがザンビアの民生に貢献している」というきわめて真っ当な主張を展開している。
もちろん、サタ氏にはポピュリスト的色彩もあるのだが、そうであっても、資本の論理にずぶずぶで中国と癒着しているザンビア現政権よりは、確実に庶民の気持ちを代弁しているといえる。

そのサタ氏がついに台湾を訪問した。
これを機に、台湾はこれまで疎遠だった親中派アフリカ諸国や断交したアフリカ諸国との関係構築に乗り出してほしい。
この数年、台湾はセネガルとチャドというアフリカにおいては大国に属する友好国を失った。これは中国の金銭外交、資源争奪外交のあおりを食らったわけだが、しかし台湾のアフリカにおける退潮は、台湾だけの損失ではなく、日本によっても多くの西側諸国にとっても大きな損失になっている。
中国の意図は明白で、台湾の外交を切り崩すことで、中国が入り込み、さらに日本などを締め出すことにある。日本の援助が投入され、日本人がノービザで入国できて、日本ときわめて友好的だったセネガルの指導者が、最近は反日的な発言をするようになったのはその現れである。
だから、台湾の外交展開は、何も台湾の利益だけでなく、日本にとっても利益が大きい。
現在の国際政治・外交では、日本と中国、台湾と中国はゼロサムになっており、その意味で日本と台湾は運命を共にしている。

関連記事:
http://news.livedoor.com/article/detail/3013981/
なぜ今アフリカで反中感情が…?
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
2007年02月05日11時01分

また、ソースはサーチナ中国だが
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0901&f=politics_0901_002.shtml
ザンビア野党「中国資本を追い出す」大統領は平謝り
2006/09/01(金) 11:49:48更新

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0929&f=politics_0929_003.shtml
ザンビア野党が中国侮辱「中国製パソコン使うな」

南アにある国際人権NPOのサイトから
http://www.osisa.org/node/4019
Zambia | Human Rights & Democracy Building
Zambia: Zambia Doesn't Owe China Anything - Sata

大統領選挙のころのBBCの報道
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/5378726.stm
0929 Profile: Zambia's 'King Cobra'

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/5390118.stm
0930 No clear leader in Zambia polls

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/5367894.stm
0925 Q&A: Zambia votes

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/5320648.stm
Zambians condemn China meddling
Opposition candidate Michael Sata

BBC中文ニュース
http://news.bbc.co.uk/chinese/trad/hi/newsid_5380000/newsid_5388300/5388394.stm
贊比亞大選競爭激烈選民踴躍投票 20060928

http://news.bbc.co.uk/chinese/trad/hi/newsid_5320000/newsid_5323100/5323102.stm
中國否認中止對贊比亞投資 20060907

http://news.bbc.co.uk/chinese/trad/hi/newsid_4610000/newsid_4610400/4610426.stm
中國的非洲戰略 20060113


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