むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

わがまま・勘違いな話

2006-03-17 02:34:50 | 台湾その他の話題
その1:日本人老夫婦のわがまま・勘違い
台湾の地理的な中心にある南投県埔里が、定年退職をした日本人高齢者を台湾に誘致して、住んでもらうLong Stay計画を出し、それに応じて中村という日本人夫婦が3月初めに「移住」した。ところが、それから1ヶ月もしない今週になって、「台湾の道は犬の糞だらけだし、排ガスもひどいし、湿気も多く、日本語も通じないし、とても住めたものではない」と文句をたれて、日本に帰ると言い出した。
これがテレビや新聞で、青系、緑系を問わず大きく報道され、喧々諤々の議論となった。
普通「日本人」というと無条件に反日的になる青系のメディアも、これについては比較的冷静に対応し、台湾側にまずいところがあったのではないか、日本人の忠告にも耳を傾けるべきだ、みたいな反応が出ているのは、面白いところだ。
確かに、私も中村氏の言いたいことはよくわかるし、「お前ら、汚すぎで、いい加減すぎ」と台湾人を毎日罵倒してやりたい気分はないわけではないし、実際、台湾は衛生面ではもっと改善の余地があると思う。
それに、受け入れ側の計画も、台湾でよくありがちな中途半端で杜撰な点もあったことも事実だろう。日本人高齢者に住みやすい環境を研究して整備しなかったのは落ち度といえるかもしれない。

だが、しかし、やっぱり中村夫婦が我侭でしかないと思う。
「住めば都」というか「郷に入れば郷に従え」というように、「外国」に住もうと決心した以上は、日本の基準からみて耐え難いこともそれなりに受け入れなければならない。それをする覚悟がないなら、はじめから外国に住むべきではないし、安易に住もうと思うほうがおかしい。
しかも、受け入れる台湾人側も台湾人なりの努力と善意を示していたらしい。住居もそこでは最もきれいなものを提供し、冷暖房両方ともできるエアコン(台湾では冷房は多いが暖房ができるものは少ない)、ファックス、洗濯物・食器乾燥機、除湿機なども夫婦の要求に応じて入れた。また、日本語で対応できるボランティアを待機させ、スタッフを訓練したり、周辺住民にも簡単な日本語を学ばせたり、医療や食事についても日本語対応の要員や店を用意したという。
ここまでされたら、普通は感謝すべきものであって、それでも「何を入れろ、あれが欲しい」などと高飛車に要求するのはおかしい。
中村夫婦は、台湾を馬鹿にしているだけではないのか?

もちろん台湾の気候風土がやっぱり肌に合わないのは仕方がない。高齢だから適応能力も低下している。だが、それなら、やっぱり外国に来るべきではない。「台湾は日本語が通じて、日本とあまり生活条件が変わらないという宣伝文句に誘われたから来たのに、違った」などといっているようだが、それは頭が固すぎるだけだろう。別に台湾側だってだましたわけではない。事実、台湾はアジアの中では日本と生活水準と環境が似ていて、日本語が最も通じやすいことは事実だからだ。
問題は、日本の右翼にも「台湾の親日」と聞くと、日本人の基準で過度に期待しすぎるのと同じように、この中村氏にも「日本語が通じて、生活条件も変わらない」と聞いて、安易に期待しすぎたのではないか。
しょせんは外国なんだから、いくら日本語が通じるといっても、日本国内のようには行くわけがない。だが、それでも日本とほとんど関係ないような中東や東欧と比べれば、日本語の通用度や日本人への接し方が良いことは事実である。その程度に考えて、適当にやっていけば、台湾はそれはそれで良いところもある。

というか、この中村夫婦って、日本でも友達がいないような鼻つまみものだから、台湾に逃げてきたつもりなんじゃないの?私がテレビなどで見た感じでは、友達にしたくない感じではあった。
まあ、こんな人に対しても、「台湾側にも落ち度があったかも」と思ってしまって、社説でも取り上げる台湾人って、やっぱり善良なんだろうな。

関連記事:
台湾日報3/16社説
http://taiwandaily.com.tw/news.asp?News_class_NO=02&News_no=19036&Up_date=2006/03/16
【社論】謝謝中村夫婦給了台灣一面鏡子,照見國民生活習慣與公共衛生的缺失 ―我們有得天獨厚的自然環境,更應加強環保管理,重建乾淨美麗家園,讓外國人LongStay,讓台商LongLongStay!

中国時報3/14社説
失望的日本老人,帶來什麼省思?
中時社論

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その2 雷震家族のわがまま・勘違い
中国時報は3月16日付けで、蒋介石恐怖政治時代の60年代に自由化を主張して、投獄もされた外省人リベラリストの雷震を顕彰する財団「雷震基金会」の理事陣が、台湾独立派がずらりと並んでいることに対して、遺族の一人の息子・雷寧が「父の主張は自由な中国の建設であって、脱中国の台湾独立ではない」などといって文句をいっているという。
ただこれについて財団設立に奔走した娘・雷美琳のほうは、「父の主張は二つの中国であり、しかも陳水扁政権になってから財団設立に積極的に協力してくれた」といって、「台湾独立派」の関与を弁護している。
これは娘の言い分のほうが正しく、息子のいっていることはおかしい。

雷震は京都帝大留学経験があって日本語が達者で、そのために50-60年代に外省人でありながら、本省人の政治家らとも親交を結ぶことができた(日本語で心の交流ができた)。また晩年には「中華台湾民主国」としての独立を主張したように、かなりの程度台湾独立に対して理解を示してもいた。
しかも、雷震のこの運動こそが、その後の党外、現在の民進党に連なる台湾民主化運動の草分けとなったのであって、雷震がもし生きていれば完全な台湾独立派になっていたかも知れず、また雷震の理念や精神を受け継ぐのは、今の民進党なのである。

しかも理事・監事・顧問などのうち、林保華、阮銘は中国人(中国大陸や香港)、金恆煒は外省人二世である。雷震は彼らの原型というべき存在である。

もし、国民党が雷震を礼賛し顕彰したら、それこそお門違い・勘違いで、雷震が汚されたというべきだろう。民主化を推進してきた原動力である民進党や今日の台湾独立派が雷震を顕彰するのは理にかなっているのであって、それに文句をいう息子は単なるわがままでアホである。
だったら、誰が顕彰するというのか?

関連記事見出し:
2006.03.16  中國時報
雷震子女 爆發統獨爭議
林庭瑤/台北─洛杉磯連線報導

2006.03.16  中國時報
委員名單太?台權會:經多數家屬過目
林庭瑤/台北報導

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その3 国民党の勘違い
勘違いといえば、最近、国民党本部ビルの垂れ幕は、昨年のモーナルーダオと羅福星にかわって、宋斐如と廖進平の写真と記念する言葉が掲げられている。
いずれも、228事件のときに国民党によって処刑された人である。宋は「人民導報」の編集でいわば「共産主義者」として、廖は戦前「台湾民衆党」結成に携わりいわば「祖国派」だったが優秀な台湾人知識人として国民党への抵抗運動の巨頭になる恐れがあるとして、それぞれ抹殺された。
そういう人たちを国民党が「台湾第一、人民第一」の標語とともに顕彰する。



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