むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

韓国で高句麗史ブーム

2007-01-07 19:36:09 | 韓流
今回韓国に行って気づいたのは、やたらと高句麗はじめ古代史に関するものがはやっていたことだ。本(小説や子供向け漫画)をはじめ、テレビドラマでも高句麗はじめ古代史を舞台にしたものが立て続けに放映されていた。
これは、中国が「東北工程」という学術プロジェクトで高句麗を中国史と位置づけたことに対抗するもので、まあこうやって「民族の歴史!」となると妙に盛り上がるところがあの国らしい(笑)。しかし、韓国左翼の一部には「高句麗時代に韓国も中国もあるか?」っていう醒めた目もある。そりゃそうだ。高句麗や扶余や渤海は、匈奴なども含めた諸部族とともに「北東アジア諸部族の歴史」と位置づけて広く論ずるのが妥当だろう。
とはいえ、中国が「中国史の一部」にしようとする策動は、やはりいただけない。韓国人が「いや、これはウリナラの歴史だ!」というのもアホらしいが、台頭する中国覇権主義を見れば、韓国人の間抜けだがささやかな中国への抵抗には、批判的ながら声援を送りたいと思う。

というわけで、ここ最近の古代史ドラマには次のものがある。
주몽(朱蒙)(MBC)は高句麗を建国した高朱蒙を主人公にしたもの。卵から生まれたり、仙女が登場したり、と神話伝説の色彩が強いお話。朱蒙と結婚したヒロインが召西奴という名前なんだが、この時代の人名ってすごいね。
연개소문(淵蓋蘇文)はSBS制作、高句麗の武将・淵(泉とも)蓋蘇文を扱ったもの。そういえば、淵蓋蘇文と戦った唐の武将の一人が、台湾でも歌仔戲の出し物に出てくる薛仁貴なのね。淵が姓で、蓋蘇文が名前のようだが、昔の漢化ツングース系ってこういう名前だったんだよね。韓国人は「民族のルーツ」というんなら、まるっきりシナ人くさい現在の命名法じゃなくて、こういうのに戻せよ、と思う。
대조영(大祚榮)はKBS制作で、渤海を建てた大祚榮が主人公。
태왕사신기(太王四神記)はMBCでこの春から放映予定。広開土王を主人公にしたもので、「ヨン様」が主演という(これでこのブログのアクセス数も増える、と(^^))。
あと、서동요(薯童謠)という新羅・百済にまたがった歴史ドラマが05年から06年初めにかけてSBSで放映された。これはすでに台湾でもDVDが売られている。


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