むじな@金沢よろず批評ブログ

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台湾独立派の矛盾と破綻 馬を選んだ時点で台湾独立の望みはないはず、なのに希望を持つのはなぜ?

2010-08-13 18:44:33 | 台湾政治
台湾独立派と理論は、台湾人自身が選挙という手段で馬英九を総統に選んだ時点で破綻した。
台湾独立派自身、2008年総統選挙に向けて「今回の選挙は主権の選択であり、馬を選んだら、主権が交代して台湾は失われる」といってきたはずだ。
であれば、馬が58%もの高得票率で選ばれ、なおかつその施政が2年以上も続いている時点で、台湾の主権はすでに再生不可能なレベルになっているはずである。

ところが、なぜか独立派の多くは民進党の5都大勝および2012年総統選挙での政権奪回を目指している。確かに5都大勝と政権奪回はほぼ確実だろう。

しかし、現在の独立派が選挙による政権奪回に独立への期待をかけているということは、中華民国体制を普通の正常な民主主義国家と仮定し、馬や国民党の政権獲得を一般の民主国家の政権交代と同列視していることになる。これでは独立派自身の前言を否定しているも同然である。馬になってもまだまだ台湾主権の回復が可能だというなら、馬や国民党を否定する必要はないし、中華民国体制も立派な?民主主義国家ということになってしまう。私は馬を選んだことの効果がその程度の甘いものだとは思わない。

まして、米国による陳水扁バッシングを見て、米国に過度に萎縮した状況になっている現在の民進党と独立派の体たらくを見れば、民進党がたとえ選挙で大勝し、政権を奪還したとしても、陳水扁を超える水準での対米自立路線=台湾自立路線を進めることはもはや不可能であろう。中華民国体制が米国の代理占領体制である以上、米国に対抗を挑まないような精神では、中華民国体制の打破など不可能である。
ヒズブッラーやカストロやオルテガなど、米国が敵視する対象とも交流し、対米自立を目指した陳水扁の勇気(たとえ知恵がない蛮勇であったとしても)は今の民進党や独立派にはない。

馬英九という中華民国最後の亡霊、もとい米帝の手先を選んだことの効果は、今の台湾独立派が考えているよりも大きく、重い。かつて「馬を選ぶことは、主権の交代である」といった独立派の主張は、その意味では正しい。今の独立派は間違っているのだ。

実際、馬英九が施政する台湾はこの2年で急速に「中華民国(歴史的シナ)」化が進んでいる。責任転嫁、創造性・活気・使命感・公徳心の欠如。
1996年から2006年にかけての民主化の進展時期に見られた良き面がどんどん失われ、奪われている。悪貨は良貨を駆逐するじゃないが、人間は怠惰なほうに流れやすいのだろう。馬は無能だが、台湾人全員は、馬に見ならってwどんどん劣化している。
まるで1980年代の台湾をみているようだ。

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