むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

クライマックスの演出を変えた「ロミオとジュリエット」台湾公演【写真4枚】

2007-04-13 02:49:09 | 芸術・文化全般
12日夜、フランスミュージカル「ロミオとジュリエット」の公演をまた見に行って来た。今度は後ろのほうの席。

(写真は順に、キャスト表、カテコ開始、Aimerを歌う主役、Les rois du mondeでノリノリの死神らw)









今回は2幕目クライマックスで演出上の重大な変更があった!
これは、ロミオが死に、ジュリエットが起き上がって死ぬ場面で、前回6日夜の公演では原作に近い、「ロミオが毒薬を飲んでまだ意識がある時点でジュリエットの体が動き、ロミオがびっくりするが、後の祭りで、ロミオが死んでしまう」という演出だったのだが、これがフランスオリジナルDVDと同じ「ロミオがジュリエットの蘇生を知らずに死んでしまう」のに変えられていた。
前回ロミオがびっくりするところで、観衆から妙なひそひそ笑いが起こったのに、明らかに主役二人が動揺していたような感じだったから、主役から苦情が出たのか、変えられていた。だから今回はひそひそ笑いは起きなかったが、やはり残念だ。
そういうわけで、前回の観劇記事のコメントに書き込んだ張姓の台湾人が、私に「台湾人を馬鹿にしている」と噛み付いたのは、まったく的外れであることが明らかになった!あの、最も悲しい悲劇的な場面ではやっぱり笑ってはいけないのだし、日本人や韓国人やフランス人だったら絶対に笑わないところを台湾人だけが笑ったものだから、急遽演出を変えたのである。「妙なところで笑う」という点では、台湾人の問題だという点では間違いない。張という台湾人よ:私に筋違いの言いがかりをつけてきて不快である。文句があるなら、フランスキャストの演出に言うこと!

6日は公演2日目だったからかほぼ満席だったのに比べて、今日はがらがらで、開演時には半分弱しか埋まっていなかった。
現金で合理主義な台湾人は、暗くなるや否や脱兎のごとく(ってこの場合変だが)、前のほうに席に一斉に移動しているのがすごかった。てなわけで、私もちゃっかり真ん中くらいの席に移動させてもらった(当初買ったのは2000元の座席だが、これは4000元くらいの席だったと思う)。
もっとも、真ん中の席でも俳優の顔や表情は肉眼ではよく見えないのだが、逆に舞台全体が見渡せるという利点もあって、前回前のほうの席にいたときには気が付かなかった全体の動きがわかって良かった。やはりちゃんと見ようというときには、2回見て、1回は高い前方座席、もう1回は安い後方座席にしたほうがいいのかも知れない。というか、この手法はNY・BWとソウル(韓国語)のそれぞれで見た「オペラ座の怪人」のときも使ったのだが。
それはそうと、前回はLa mort(死神)が出てくるのが、8曲目J'ai peurからだと思ったのだが、今回見たところ、6曲目A la vie, a la mortから舞台後方の城壁の上で踊っているのがわかったw。死神役ファンwの私としてはこれは良い発見だった。

本当はジュリエット役は、代役のStephanie Impocoを期待したんだけど、Joy Estherだった。もっとも、顔は今回見たら、わりと気に入ったのだが(高慢ちきそうではあるが。もっともフランス人はみんな傲慢だけどな!)、しかし、やっぱりJoyは歌が下手だわw。特に10曲目のL'amour heureuxが下手過ぎて萎えたw。下手だからか、2幕目クライマックス16曲目Mort de Julietteでは、Cecilia Caraとは違ってあまり手振り身振りの動作は激しくやらない。もっとも、声はけっこうかわいいんだけどね(四季の鈴木京子と似ていると思った)。だから歌の下手さは、惜しい。
それに比べて(比べるまでもないが)何度もいうが、Damien Sargueはうまい!
フランス人歌手全体にもいえることなんだけど、フランスって、どうも「ヘタウマ」が多い感じがする。主役のダミアン以外は、英米のミュージカル歌手と比べて歌そのものの上手さはやや劣ると思った。ただダミアンだけは上手い!

剥げ頭の大公だけど、今回見たときは、「オペラ座の怪人のファントムが少し入っている(?)宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統」みたいな感じだったw。特に、今回のツアー公演で挿入されたVerone2では、星空を背景にして城壁から歌う姿と歌い方が、クリスがラウルに走って振られたことを知ったファントムが悲しむときの歌い方と似ていたw。
今回、公演開始から間があってよくわかっているファンが少なかったこともあってか、特に1幕目での観衆のノリは前回よりも悪かった。

それから、前回赤の前開きなのがよくないと指摘したジュリエットのドレスは、1幕目が白で、2幕目から赤の前開きになっているんだな。
2幕目4曲目のLa duelでは、死神が途中から舞台向かって右手に出現するようになっていた。でも、中身が中身なんで、なんで最初から出ないんだろ?

カーテンコールは例によって舞台下にみんな駆け寄り、撮影や握手全開でノリノリ。今回の観客は、高校生が目立ち、その分舞台本部ではノリはいまいちだったが(高校生の餓鬼には意味がわからんのだろう)、さすがは若さと馬鹿さw、カテコでは前回よりも元気でノリノリとなって、俳優たちも喜んで乗りまくっていた。特に私が好きな死神役は、めちゃくちゃノっていた。

やっぱり女性には、ベンボリオ役のシリル・ニコライに人気が高く、カテコが終わった後で、若い女性二人つれが「やった!ベンボリオに握手してもらった」と黄色い声で喜んでいた。

終わったあと、別の出口に出待ちの人だかりが100人くらい出来ていた。ついでにダミアンとジョイのサインももらってきた。本当はポストカードにしてもらえばよかったのに、ポストカード買っていたことを忘れていて、とっさに出したのが、メモ帳。いかんねw。本当はかつてレバノン歌手取材のときに用意した日本の色紙も自宅に持っているのだから、それを持っていけばよかったんだけど。最近台湾化しているのか、とにかく物忘れが激しい!


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