カジュアル・アミーガ         本ブログの動画、写真及び文章の無断転載と使用を禁じます。

ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

情がうつる幸せ

2007年09月17日 | めんちゃん日記
ぽっぽ通信のハト爺さんがリトアニア動物園の
ヒヒの話をしてくれたよ。
リトアニアでヒヒがエサの鶏と暮らす。
ロシアの北欧寄りの国リトアニアの動物園で飼っているヒヒが
エサで与えたニワトリとつい情が沸いてしまい、
食べられず一緒に遊んで仲良く暮らしているらしい。

そういえば。
とハト爺さんが南極のブタの話と同じじゃなあ。
って笑い出したよ。
47年前の一枚の写真がこの夏元南極調査隊隊員の樋田直人(80)さんの
家からでてきて名古屋大学に寄贈した。
それは、1960年の3月に南極の氷の上で遊ぶ2匹のブタさんのでな。
新鮮な肉を隊員たちに食べさせようとケープタウンで二匹買って持ち込んだ。
ところがエサの残飯をやっているうちに
つい情がうつり、隊員は誰も食べられずペットになった。
氷の世界でその愛嬌のある振る舞いが心の慰めになったんじゃ。
しかし4月の猛吹雪で凍死してしまった。
南極にブタの歩いた写真発見。

ぼくは、思ったよ。
世の中、情って大切なんだなあ。
やれ血統書だ、やれ売れ筋犬だ、名門だ、色男だ、ミスワンちゃんだ
言ったって、また敵だ味方だ、生きるの死ぬの言ったって、
人生が決まった訳じゃないよ。
世の中のガンジガラメを突破できるのは、
情なんだ。愛嬌なんだ。
うー~~~ん。はほっ。
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フレー! フレー! めんちゃん!

2007年09月16日 | めんちゃん日記
森の中
赤い集団がはじけていたよ。
試合の前に最終チェックするよ! 手はもっと伸ばして!
リーダーがゲキを入れていた。
青春の入口。めんちやんと同じ年だね。にんげんだったら。
ってカッパ姉ちゃんがぽつりと言ったよ。
元気がいい。
ぼくも見ているだけで元気がうつりそうだ。

ぼくも、もっと友達ほしいなあ。いつも家ではひとりだもの・・・
すると、森のチアガールの一際大きな声が聞こえてきたよ。
フレー!フレー! めんちゃん!
明太子のめんちゃん! フレー、フレー!
がんばれ! めんちゃん! 恋せよ。めんちゃん!
ゴー! ゴー! ゴーゴー!

ぼくは、目をパチパチして、
思わず涙がでてきたよ。
くっしゅん。
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力つきる者

2007年09月15日 | めんちゃん日記
何か公園の道て゛
ひらひらしていたよ。
ぼくが近づいても簡単に捕まってしまったよ。
アゲハくんだ。
どうしたの?
何も言わない。
必死にパタパタしているだけ。

夏が暑すぎて
台風がすさまじくて
花と蜜をさがすのに疲れて
機能性胃腸炎になって
孤独になって
カラスにねらわれて
飛べなくなったのか、
あるいは、
夏、はげしい恋にやぶれて
・・・・・・
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愛するココロ-26-

2007年09月14日 | 投稿連載
愛するココロ  作者 大隈 充
           26
 大型トラックは、京阪国道から賀茂川沿いに東寺を横目に
河原町通りへ入っていった。
右手に夜の東山を背景に商業ビルやホテルの街明かりを散り
ばめて、運転台の窓を流れていった。道は、もう深夜に近く
タクシーばかりがウロチョロして橋を渡って下鴨神社の本通り
へ出るまでは、渋滞気味だった。
三十路を過ぎた丸刈りの運転手は、四条河原町の飲食街を
抜けるとき、高速のインター脇のラーメン屋で夕食を済ました
ことを後悔した。
少し夕食が遅くなっても早めに北山の集配倉庫に自販機を
下ろして、京都の繁華街にバスで出て浴びるほど酒を
飲めばよかった。
どうせ駅前のビジネスホテルで支給された予約チケット
をもって狭いユニットバスでお湯を浴びて寝るだけなのだから。
北山ビバレッジ集配所の門を守衛さんに開けて貰ったとき、
もう11時を過ぎていて、Aゲートに入車すると、主任の
白髪の男がアルバイトの茶髪の若者とふたりで待っていた。
「運転手さん。ご苦労様です。申し訳あらへんが、学生さん
が終電がなくなるよって、お疲れのところ先に下ろす
だけ下ろさせてな。」
学生さんと言われた茶髪は、真新しい白い軍手を嵌めて倉庫
の入り口のパレットの上に立っていた。
「いいよ。こっちも又明日五時起きで広島行きだから
早く終わらせようぜ。」
運転手は、荷台に乗って幌を巻き上げにかかった。
「ほな、後ろから下ろしまっせ。」
と主任がトラックを倉庫口にぴったりと誘導して
ホークリフトに乗り込んだ。
「あれ。これ、何やろ?随分変わった自販機やな。」
「ええ?こんなの。知らん。いつの間に・・」
「なんかゲームセンターにあるUFOキャッチャーみたい。」
学生が手で荷台の最後尾で斜めになったエノケン一号の胸
の液晶を触った。すると埃だらけのエノケン一号の胸が赤く点った。
「アホ。触るな。時間が勿体ない。何でもよろしおま。早よう、
下ろしまひょ。細かいことは、明日明日ー。」
運転手と主任で倉庫の柱の脇に抱えて運んだ。
柱とパレット台の山の間に置いたとき、エノケン一号の胸
のランプは消えていた。
そのすぐ前に広く並んだ木のパレット台の上に積み木を
並べるみたいにみるみる主任のホークリフト捌きで自販機が
トラックの荷台から正確に配置された。
「じゃ。お先にあがらさせてもらいます。」
「どうも長距離運転、ご苦労さま。」
運転手は、坊主頭に巻いていたタオルを解いて洗面所の方
へ入っていった。
エノケン一号は、ゆっくりと並んだ自販機の間をすり抜けて
薄暗い廊下へ音もたてず光もださず移動していった。
日付が変わった頃修学院一乗寺の鐘が鳴った。下鴨神社の
境内の森をキャタピラで進んでいくエノケン一号。
胸の液晶の明かりが不鮮明にチカチカと点滅を繰り返している。
見上げる木立ちは、鬱蒼と夜空を遮っていた。

 木立ちの影から血塗られた刃が光った。
下鴨の森を走る武士の群れ。あっという間に取り囲まれる
ザンバラ髪の渡世人小太郎。
「待て!」
「逃がすな!」
小太郎、降りかかる侍の刀を避けながら進むに一人、
さがるに一人と切り倒していく。
もつれ倒れる若侍たち。
小太郎、四人目で足がつまずいて顔から無様に転んだ。
「やめや!カメラストップ。」
「すいません。」
小太郎、擦り剥いた頬を押さえて起き上がりながら頭をさげる。
「ロール、チェンジ」
ハンチングを被ったカメラマンが手をあげた。
「すいまっせん。」
「フィルムが勿体のうおます。あんた、そんで主役、
ようやれまんな。何遍同じところでシクジりまんねん。」
「すいまっせん。もう一度よろしゅうお願いします。」
「監督、もうFがありまへんで・・昼間のカットとつながらへんで。」
カメラマンは、助手がフィルムチェンジをダークバッグで
やっている横でそう言いながら煙草に火をつけた。
「どんくさい。やめや。今日は。やめ。」
監督万城目貞男は、灰皿用のブリキのバケツを蹴飛ばした。
「一晩でも立ち回りの稽古しときなはれ。」
小太郎こと、榎本建一は、膝をついて地面に頭をこすり
つけて動かなかった。
撮影、レフ持ち、録音マン、そして座り込んだ侍役の俳優。
空気は、固まったように無言の殺気立った気配が霧
となって漂っていた。
「お終いや。今日。帰るで。」
制作の剥げ頭が号令をかけた。
一斉に全員撤収を始めた。
「すっまっへん・・・」
若いエノケンは、ひとり玉砂利の参道に取り残された。
「エノケン。一杯行こうや。」
大男の浪人姿の木村天心がぽんとエノケンの肩を叩いた。
「気にすんなて。監督も初めてのトーキー写真で舞い上
がってるだけよ。」
「台詞と立ち回り、難しいわ。」
「あの鈴木伝明だって恋愛劇のトーキーでボロボロよ。
みんな最初は同じ。ただわしら関東もんは、都風には
できないでいじめられるのは仕方ないと思わないと・・・」
「そんなもんか・・・」
「あんた、この前の無声の『生ける刃』よかったじゃないの。
あの調子で行けば、チャンバラのバレンチノさ。エノケン
にはその素質があるよ。」
「ありがとう。そこまで持ち上げなくても酒を奢るよ。」
エノケンは、胸を張って立ち上がり転がった刀を拾った。
「先斗町のおかめでいいかな。」
「うん。あそこはいい娘がいる。いいね。」
と二人して歩き出した時前の鳥居から学生服の少年が走ってきた。
「エノケンさん。電報です。」
エノケンは、刀を腰に差し直して電報を受け取って、さっそく
開けて読み出した。
「チチ、シス。トウキョウカエラレタシ。イダイナベンシ、キエル。」
エノケンは、震える手で電報を握りしめた。
「どうしたん。何か不幸か?」
不安そうに木村天心が顔を覗き込んだ。
エノケンは、はくしょんとクシャミをして目を覗かれないように
ずんずんと歩き出して
「おかめで盛大に飲もうぜ!」
と一際大きな声でふりかえって言った。
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茶の葉の葛きり~シーちゃんのおやつ手帖13

2007年09月14日 | 味わい探訪
東急の地下1階に入っているお茶屋さんです。
和菓子の世界もなかなか奥が深いです。
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Xbox360プレス発表

2007年09月13日 | 美術館・イベント
恵比寿ガーデン・ホールでマイクロソフトの
xbox360の新機種とゲームソフトの新作発表会がある。
プレス発表でテレビ局から雑誌メディアまで
内外から沢山来ていた。
 9/20のホテルニューオータニ幕張でのゲームショーに先駆けて
世界で初めて発表、なんてことばを連発していた。

ゲームの方は、映像が映画のようにリアルにCGができていた。
ただゲームをやらない身としては、疲れる気がした。
対戦ゲーム以外にも面白いものがあるそうだが
コアなファンに支えられたバトルものが今回は並んだ。
ただインベーダーゲームののんびり音がなつかしく
思えてしまうのは、もうおじさんか。
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いつも心に青空~働く小母さんのケイタイ~

2007年09月12日 | 写真コラム
とある繁華街の地下。
わたしは、子供を2人育てました。
学校出てから、ずっと働いています。
お産の度に仕事を変わりました。
育児のときに三ヶ月づつ休みました。
どんな仕事でも働くことが好きなんです。
夏は大きなスーツケースを転がしながら
海外旅行へ行く人たちを見送りました。
冬は家族ずれで帰省する人たちの足下の床を拭いていました。
うちのひとは、のんべいで野球しか趣味のない男ですが
わたしは、しあわせです。
だって子供のために働いてくれるんですもの。
田村正和とかキムタクとか望みません。
生まれ変わってもう一度結婚するとしたら、
またあのひとがいいんです。
お互い毎日が精一杯ですが、ふと一休みしたとき
いつもこころに青いお空を思い出します。
生きてるって感じるときです。
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そっくりめんを探せ2i!

2007年09月11日 | めんちゃん日記
ぼくは、チワワにしては大きく
重さも5キロ近くあるよ。
だからなかなかチワワに見て貰えず
同じようなチワワに滅多に会わないよ。
でも、
公園でそっくりさんに会ったよ。
名前をソウイチロウって言うんだ。
ぼくが近づくと怖がって逃げちゃうんだけれど
大きさと顔も似ていた。
ただ色が白が顔や背中にぼくより多いんだ。
いいやつだったよ。
別れ際、飼い主のママさんがどこかで血がつながっているかもね。
って言ったよ。
でもねこ先生の奥さんが見たというそっくりめんちゃんではない。
そっくりめん! 兄弟! どこにいるの?


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山羊さんに出会う!

2007年09月10日 | めんちゃん日記
風は秋らしいけれど
日差しはまだ真夏。
影を選んで散歩につきあったよ。
すると近くのカルガモ農園で白いやつがぼくを見ていたんだ。
こっち来いって言ってるのでトコトコ行ったよ。
どうしたの?
日曜にたまにここに来るじょ。

ひとりぽっちで淋しくないの?
ひとりが好きなんじょ。いろいろ考えることがいっぱいあって終わらないじょ。
何考えるの?
今まで何匹も何匹もこどもにお乳をやって立派な山羊にみんな育てたけど
にんげんだけは、いつまでもいい山羊にならないじょ。
小さいのから大きなおじさんまでわたしの乳を飲むんだけんど・・・
ぼくは、ミツバチさんが同じこと言ってたの思い出したよ。
精魂かけて貯めたミツをごっそりにんげんがもっていくけど
あれだけミツをなめたらもっと立派でよくなってないといけないのにって・・
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桜新町でねぶた祭り

2007年09月09日 | 美術館・イベント
昨日桜新町でねぶた祭りがあった。
なんで?
本場の青森からやってきた。
主催が商工会のJA組合となっているので
農業のつながりらしい。
しかしそれにしてもみんなお祭り好き。
春の「さくら祭り」の規模の人出。

らっせい、らっせい、らっせっせっせい・・・
この東北のリズムがサンバにつながる高揚感。
祭りの声って、血と生のリズムなんですね。

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台風一過、夜の競技場

2007年09月08日 | めんちゃん日記
台風が近づくと蒸し暑くなるよ。
台風が行ってしまうとカラリと晴れるよ。
さすがに台風直撃の公園は誰もいなかったけれど
晴れた夕方には、
みんな散歩に出てきたね。
ぼくは、夜の公園が好きだ。
特に駒沢公園は、競技場がたくさんあって
野球、サッカー、水泳、フットボール・・・

見ていると
昼間みたいに明るい芝生でボールを蹴って遊んでいる。
怒ってる人もいるし、怒鳴ってる人もいる。
シュートに失敗してゲームセット。蹴った人は、泣いているよ。
ネットフェンスの隅で声援している女の子がなぐさめているよ。
どんまい、どんまい。
次があるさ。
そうか。次ってあるんだ。ついつい忘れがちだね。
ぼくは、郵便屋さんについつい吠えちゃって叱られて落ち込むんだけれど
また次には、お利口にがんばるよ。
夜の道、ぼくはトロットしてつぶやきながら帰ったよ。
つぎがあるさ 、と。
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愛するココロ-25

2007年09月07日 | 投稿連載
    愛するココロ  作者大隈 充
           25
 パーキングのアスファルトに跳ねた雨粒がワゴン車の車体の
裾にお金のない町の花火大会の勢いのない打ち上げ花火のような
模様で土埃りの跳ね返りを十センチほどの裾幅で車体にぐるりと
へばり付かせていた。
 由香とトオルがサービスエリアのレストランハウスから骨の
折れたビニール傘を相合傘にしてワゴン車へやってきた。
「あれ?扉が開いている。」
「どうしたのかしら?」
ワゴン車のスライドドアが開いたままで中は空っぽだった。
「エノケン一号は?」
由香が車の中に入ってリアシート裏から座席の下まで覗き込んだ。
「いない!いないよお。」
「いったいどこに行ったんだ。」
トオルも運転席からなぜかダッシュボードの中まで探した。
「どこにもいない。」
由香とトオルは、傘を放り投げて車のまわりをぐるりと回ると
駐車しているトラックや乗用車の間を探しながら走り回った。
小雨が霧雨になって、由香の長い睫毛に水滴のいくつかの玉を
宿らせていた。
広いパーキングエリアの誰もいない雨の駐車スペースに出て、
目や額についた水滴を手でぬぐいながら途方にくれた。
「そんな、ひとりで行く筈ないよお。」
そこからトイレと自動販売機コーナーと由香は小走りに見て、
又パーキング・スペースに戻ってきた。
「ああ。ここで方向転換してる。」
ワゴン車を挟んで大型クレーン車の裏からトオルの声がした。
給油所のある駐車場の出入り口に濡れたフランネルの長袖シャツ
を脱いで手で絞りながらトオルが息を切らして立っていた。
ここ!と近づいてくる由香に真下の路面を指差した。
出口車線へ出るコーナーで黒くこすった痕が濡れた路面に
くっきりと残っていた。
「このキャタピラのサイズはエノケンのだ。」
屈みこんでまるで遺跡の発掘調査でヤジリを見つけた学芸員
のように黒いキャタピラの痕を凝視していた由香が、
そのキャタピラの擦れた方向を見上げた。
 出口の高速道路がその先にあった。
巨大なタンクローリー車が何台も連なって、水しぶきを
上げて走り去っていた。
「すいません。食事していた間にいなくなってしまって・・」
「変だな。で、ワイヤレスパームで呼びかけてみた?」
「何回もやったんですが、交信を受け付けない状態に
なっているんです。」
「ドアは開いていたんだね。」
「はい。」
「その車のドアの下には、キャタピラの痕はあったとかね?」
「・・・・ああ。ありました。」
トオルが運転している隣で由香がカトキチと携帯電話で話していた。
「たぶん自分で降りちょるね。」
相変わらずのんびりとした口調でカトキチが答えた。
「エノケン一号が自分で出て行ったんですか」
少し大きな声で由香が聞き返すと、トオルが横から信じられない
と首を横に振りながら由香の携帯を覗き込んで車の速度を落とした。
「誰かが持って行ったんじゃないの。こんな高速のサービスエリア
でどうやって一人で走って行くの。」
カトキチに聞こえるように大きな声で言った。
「どうしてひとりで・・・」
トオルの代わりに由香がカトキチに訊いた。
「それは、わからん。ただ自分の中にエノケンが着実に甦って
きているんだろ。」
「エノケン一号が進化しているですか。」
「何を考えて動き出したかわからんが、赤ちゃんのエノケンから
大人のエノケンへ成長しているのは、確か。」
「・・・うーん。先生。エノケン一号はどこに行ったのでしょう。」
「まあ、ちょっと待って・・・今一号のPHSの受信エリアを
電波マップの検索から探っているから・・・」
「このまま南へぼくら走ってていいの?」
速度を上げてトオルが由香に話しかけた。
「ううーん・・・さっきのサービスエリアの管理事務所には、冷蔵庫
みたいなロボットがいたらこっちの携帯に連絡してくれることに
なってるからとりあえずこのまま最初にエノケン一号が指した南へ・・」
「わかった。」
ひょょょょん・・・
由香の携帯から奇妙な動物の鳴き声が聞こえてきた。
ひゃゃよーんんんん・・・
「はい?・・・先生?」
「ひゃゃゃははは。いた。いた。アイツがいたぞ。」
電話から聞こえて来た奇妙な鳴き声は、カトキチの驚きの発声だった。
「アイツ?」
「真鍋くん、わかったぞ。エノケン一号は、東に猛スピードで
走っている。もう広島を越えて岡山へ向かっているよ。」
「ええ?岡山!逆に行っているんですか。」
「そんなバカなー・・・」
とトオルは、ブレーキをかけそうになって、車体がぐらついた。
「そりが結構早い速度ばいね。こりゃ。」
「先生。じゃ、進路変更しますか。」
「そうたいね。進行チェンジ。」
「じゃ次のサービスエリアで降りるよ」
又スピードを全快にした。
雨はほとんどおさまっていた。
 そのころ山陽自動車道路を大型トラックが自動販売機をいっぱい積んで
走っている。
ロープでしっかりと結わいつけられて荷台に並んでいる。
もう夕方。
高速道路の街路灯が風にめくれて旗めく後ろの幌を照らし出した。
最後部の荷台に自動販売機と並んでエノケン一号が
赤い目でしっかりと乗っていた。
トラックは、もうスピードでいま相生を通過したところだった。
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東京ひよ子プチデザート~シーちゃんのおやつ手帖12

2007年09月07日 | 味わい探訪
今では、東京のおみやげに売られているひよ子。
元は、福岡は、飯塚の銘菓。
炭坑町の飯塚は、お菓子屋が他にも多い。
米どころと長崎街道の宿場町とが関係があるらしい。
銘菓ひよこ本舗のホームページ。
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偽めんをさがせ!

2007年09月06日 | めんちゃん日記
ねこ先生の奥さんが自由が丘で
めんちゃんにそっくりなチワワを見たって。
看護師のMちゃんもそうそう、似てるワンちゃんを見たって。
何人かがぼくを、ぼくのにせ者を目撃しているんだって。
奥さんなんか、きっとめんちゃんと血がつながっているよ。
って自信まんまん。
ぼくの兄弟が自由が丘のどこかにいるのかなあ。
台風の接近でテレビを見ていたカメラおじさんが
二三日前自由が丘でめんにそっくりなチワワを見たって写真をくれたよ。
うーん。写真だと色が濃すぎ。白い背輪もないよ。
明らかににせもの。

目撃情報だけは聞くけれど、なかなか会えないものだね。
どこかにぼくの兄弟がいる。
会いたいなあ~~。
これがテレビのヒーロー・アニメなんかだと
にせ者が町で悪いことをして回って、本物のヒーローが苦しむ
なんて展開になるんだけど・・・
どうもそっくりさんは、幸せそうな夫婦に連れられていたんだって。
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おやつは、辛い犬Salty Dog。

2007年09月05日 | めんちゃん日記
公園通りのペットショップに行ったよ。
カッパ姉ちゃんがおやつとおもちゃを買ってくれる
というんでウキウキ。
ただ店の前に偉そうなワン公がどっか
といていつも通る度、ヴヴヴっと身構えていたけれど
よくよく見ると動かない人形だった。
でもこいつは、生きているときはどんなワンちゃん
だったんだろう?
きれいな顔してるからいい子だったんだろうね。
で、
結局カッパ姉ちゃんが出てきたら
おもちゃもおやつも欲しいのが売り切れで
なかったって何もない。
ぼくは、すっかり尻尾を垂れて帰ったよ。
がっかりー!
夜、部屋中をいじけてガルガル暴れていたら
カメラおじさんがソルティー・ドッグとかを飲んでいて
ぼくは、スキをみてペロリといっちゃったんだ。
頭来たから・・・・。
そしたらクラクラと世界が回ってパタンと
眠っちゃったよ。
その先はあまり覚えてないけれど
カッパさんがおじさんを叱っているのだけ
おぼろげに覚えているよ。
イヌにソルティー・ドッグ飲ませるなんて
死んでぬいぐるみみたいになるのよ。バカねえ!
めんが勝手に飲んだんだよ・・・・
ぼくは、あの店のワン公みたいなキリリとした
人形になれるのかな・・・
夢の中では、かみかみチキンと縫いぐるみのおもちゃの
海を母ちゃんと一生懸命泳いでいたよ。ウキウキと。
朝起きてなんだかフワフワといい気持ちだったなあ・・・
Salty Dog!
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