今日は天使のステッカーをたくさん使ったカード2枚です。
上は教会のステンドグラスを再現してみました。
キリストの誕生を天使たちが祝福しているイメージです☆
下は金色の天使とレーシーなハートを
シンプルに組み合わせました。
上は教会のステンドグラスを再現してみました。
キリストの誕生を天使たちが祝福しているイメージです☆
下は金色の天使とレーシーなハートを
シンプルに組み合わせました。
森の王者 作者大隅 充
23
その夜名寄の飲み屋で純平は、客で来ていた営林
署の村上さんからも大きなオオカミと小さなオオカ
ミの話を聞いた。
隣り町のポロヌプリの原生林に去年自衛隊のヘリ
コプターが事故で不時着した時捜索に入った消防隊
員と営林署の職員とが燃えるヘリコプターの周りに
集まっていた大きな野犬を見たとUFOに遭遇した
みたいな興奮した顔で話していた。そしてそれがエ
ゾオオカミではないかとみんなが言っているという。
エゾオオカミー。
そういえばそんな話は、大昔子供のころに聞いた
ことがある。エゾオオカミの話をサロベツ原野の番
屋に住んでいた時、にしん漁でやって来た漁師から
聞いた。
大昔開拓が入る前からこの北海道の大地に本州の
ニホンオオカミより一回り大きなオオカミがいた。
系統的にはシベリアのシンリンオオカミに近い。た
だそれこそ明治期に全滅したとされている。以来大
正、昭和、平成とその姿を見た者はいない。伝説の
エゾオオカミがこの北の大地で生きていた。それも
集団で家族を形成して。まったくの驚きだ。
そうそのときの漁師は、まるで今見て来たような
口ぶりで言った。まだ小学生だった純平は、二日お
きしか帰って来ない父とのふたり暮らしだったので
その皺の深い漁師の話には夢中になった。
もし絶滅しそこなってたった一匹だけ生き残った
痩せたオオカミがこのサロベツにいたら、それは自
分と同じくらい孤独な奴だと子供ながらに思ったも
のだった。
北見農場の社長の言う通り三日後。純平はあのト
ウモロコシ畑の奥でついにそのエゾオオカミを見た。
もう一日の積み込み作業が終わって畑の丘を国道
へ越えようとしたとき、丘の上のポプラ並木を三匹
のオオカミが歩いていた。
一瞬きつねかと思ったがその腰のくびれといい、大
きさといい明らかにオオカミだった。ただ違ってい
たのは、びっくりするぐらい大きなオオカミの間に
小さなオオカミがいたことだった。しかもそいつは
子供ではなく、飛びぬけて精悍で堂々としていた。
純平は、トラックを停め、運転台から飛び出ると
ポプラ並木へそっと足を進めた。
大きなニ匹がじゃれて遊んでいるとその小さな黒毛
のオオカミがそのニ匹の鼻を噛んでたしなめた。す
るとニ匹は、シッポを丸めて大人しくなった。チビ
の黒毛は、夕日に胸毛を輝かせて林の方へ歩き出し
た。
純平は、思わず惹きつけられるようにその三匹の
後を走って追いかけていた。それこそ自分もそのオ
オカミの一員に加えてほしいという思いで。そして
気が付いたら純平は大きな声で叫んでいた。
おーい。わおおおおおー。
三匹のエゾオオカミは、丘の畝道を猛スピードで
駆けて行った。
おーい。うぉぉぉぉぉぉー。
林の中へ三匹が駆けこむ時、最後のチビの黒毛の
王様がこちら振り向いた。そして純平の声に応えて、
美しい叫び声を轟かせた。それからじっと純平の目
を見つめてから林の中へ消えた。
きっとあれは王者だ。エゾオオカミのリーダーだ。
小さいけど立派で威厳と矜持をもち、何人にも頼ら
ず媚びず、きれいな佇まいで立っている新しい王者。
仲間を家族を守り正しい道へ導くリーダー。それが
あの黒毛だ。純平は、なぜか警察に捕まる前室蘭へ
行く途中で遇った仔犬のチャータを思い出していた。
似てないのにどこか似てる。
犬とオオカミの差こそあるが何か同じ匂いがした気
がした。純平は、訳もなく涙があふれて来た。それ
もきれいな涙が。
白樺林が傾いた夕日に黒々と映えている。赤い夕
陽は木々の梢の中でキラリと輝いて無口になった。
そのときもう一度チビの、黒毛の、エゾオオカミの、
かつてコロと呼ばれた王者が林の向こうで叫び声を
あげた。
美しい旋律が大地に鳴り響いた。
おわり
23
その夜名寄の飲み屋で純平は、客で来ていた営林
署の村上さんからも大きなオオカミと小さなオオカ
ミの話を聞いた。
隣り町のポロヌプリの原生林に去年自衛隊のヘリ
コプターが事故で不時着した時捜索に入った消防隊
員と営林署の職員とが燃えるヘリコプターの周りに
集まっていた大きな野犬を見たとUFOに遭遇した
みたいな興奮した顔で話していた。そしてそれがエ
ゾオオカミではないかとみんなが言っているという。
エゾオオカミー。
そういえばそんな話は、大昔子供のころに聞いた
ことがある。エゾオオカミの話をサロベツ原野の番
屋に住んでいた時、にしん漁でやって来た漁師から
聞いた。
大昔開拓が入る前からこの北海道の大地に本州の
ニホンオオカミより一回り大きなオオカミがいた。
系統的にはシベリアのシンリンオオカミに近い。た
だそれこそ明治期に全滅したとされている。以来大
正、昭和、平成とその姿を見た者はいない。伝説の
エゾオオカミがこの北の大地で生きていた。それも
集団で家族を形成して。まったくの驚きだ。
そうそのときの漁師は、まるで今見て来たような
口ぶりで言った。まだ小学生だった純平は、二日お
きしか帰って来ない父とのふたり暮らしだったので
その皺の深い漁師の話には夢中になった。
もし絶滅しそこなってたった一匹だけ生き残った
痩せたオオカミがこのサロベツにいたら、それは自
分と同じくらい孤独な奴だと子供ながらに思ったも
のだった。
北見農場の社長の言う通り三日後。純平はあのト
ウモロコシ畑の奥でついにそのエゾオオカミを見た。
もう一日の積み込み作業が終わって畑の丘を国道
へ越えようとしたとき、丘の上のポプラ並木を三匹
のオオカミが歩いていた。
一瞬きつねかと思ったがその腰のくびれといい、大
きさといい明らかにオオカミだった。ただ違ってい
たのは、びっくりするぐらい大きなオオカミの間に
小さなオオカミがいたことだった。しかもそいつは
子供ではなく、飛びぬけて精悍で堂々としていた。
純平は、トラックを停め、運転台から飛び出ると
ポプラ並木へそっと足を進めた。
大きなニ匹がじゃれて遊んでいるとその小さな黒毛
のオオカミがそのニ匹の鼻を噛んでたしなめた。す
るとニ匹は、シッポを丸めて大人しくなった。チビ
の黒毛は、夕日に胸毛を輝かせて林の方へ歩き出し
た。
純平は、思わず惹きつけられるようにその三匹の
後を走って追いかけていた。それこそ自分もそのオ
オカミの一員に加えてほしいという思いで。そして
気が付いたら純平は大きな声で叫んでいた。
おーい。わおおおおおー。
三匹のエゾオオカミは、丘の畝道を猛スピードで
駆けて行った。
おーい。うぉぉぉぉぉぉー。
林の中へ三匹が駆けこむ時、最後のチビの黒毛の
王様がこちら振り向いた。そして純平の声に応えて、
美しい叫び声を轟かせた。それからじっと純平の目
を見つめてから林の中へ消えた。
きっとあれは王者だ。エゾオオカミのリーダーだ。
小さいけど立派で威厳と矜持をもち、何人にも頼ら
ず媚びず、きれいな佇まいで立っている新しい王者。
仲間を家族を守り正しい道へ導くリーダー。それが
あの黒毛だ。純平は、なぜか警察に捕まる前室蘭へ
行く途中で遇った仔犬のチャータを思い出していた。
似てないのにどこか似てる。
犬とオオカミの差こそあるが何か同じ匂いがした気
がした。純平は、訳もなく涙があふれて来た。それ
もきれいな涙が。
白樺林が傾いた夕日に黒々と映えている。赤い夕
陽は木々の梢の中でキラリと輝いて無口になった。
そのときもう一度チビの、黒毛の、エゾオオカミの、
かつてコロと呼ばれた王者が林の向こうで叫び声を
あげた。
美しい旋律が大地に鳴り響いた。
おわり
自由学園は、1921年に
羽仁吉一&もと子夫妻がキリスト教精神
に基づいた教育理念により創立した学校。
豊島区西池袋の明日館校舎は、
世界的建築家のフランク・ロイド・ライトによる設計で、
高さを抑えた、地を這うような佇まいのプレーリー・
スタイル(大草原様式)が特徴です。
学園の教室や食堂、講堂などを見学出来ますが、
幾何学的デザインの大窓が印象的な中央のホールは、
コーヒーや紅茶が頂ける喫茶室になっていてとても寛げます。
ライトがデザインした椅子に腰掛けてお茶を頂けば、
極上の贅沢な時間を過ごせます。
併設のショップでは、ライトの関連書籍やオリジナルの
クッキーなどを購入することも可能。
ライト設計の貴重な現存する建築物、
訪れる価値は充分にあります。
羽仁吉一&もと子夫妻がキリスト教精神
に基づいた教育理念により創立した学校。
豊島区西池袋の明日館校舎は、
世界的建築家のフランク・ロイド・ライトによる設計で、
高さを抑えた、地を這うような佇まいのプレーリー・
スタイル(大草原様式)が特徴です。
学園の教室や食堂、講堂などを見学出来ますが、
幾何学的デザインの大窓が印象的な中央のホールは、
コーヒーや紅茶が頂ける喫茶室になっていてとても寛げます。
ライトがデザインした椅子に腰掛けてお茶を頂けば、
極上の贅沢な時間を過ごせます。
併設のショップでは、ライトの関連書籍やオリジナルの
クッキーなどを購入することも可能。
ライト設計の貴重な現存する建築物、
訪れる価値は充分にあります。
森の王者 作者大隅 充
22
太陽が燦々と照り返している。
北見農場は、トウモロコシの収穫に追われていた。まじ
めなカブトムシのようなトラクターが広い畑の丘陵を点
々と這いずり廻ってトウモロコシの茎を刈り取り、積み
込んでいた。刈り取り機の真上は、黄色いトウモロコシ
の茎や葉のカスが舞って煙のように立ちあがっていた。
そしてそのさらに上をカラスやヤマドリが荒海の餌場に
群れるトンビのようにひらひらと刈り取り機について空
中遊泳をしていた。
その広大な畑の丘の上に国道が一本貫いていてその路
肩に十トントラックが収穫されたトウモロコシをどんど
ん積み込んでいた。トラックの腹には、岩見沢陸運と書
かれていた。小さなトラクターが畑の畔道から這い出て
来てそのトラックの後ろに着くと積荷を小から大へ移し
替えていた。トラクターを操作をしている農場の男はみ
んな年老いていて身体は、ガッチリしているが顔は皺く
ちゃの真っ黒な顔色の爺さんばかりだ。
それに比べて岩見沢運送の運ちゃんは、色が白くひょ
ろりと背が高く若かった。しかも一見ひ弱そうに見える
がそのひょろり運ちゃんは次から次から老農夫が運んで
くるトウモロコシの束を十トンの荷台の上で奥から順序
よく並べてゆくのを黙々とこなしていた。
「純平ちゃん。おんな、いんべ。」
「・・・・・」
「日焼けもしないで夜な夜な遊んでんだべ。」
白い顎ひげの小太りな渡辺進治郎がにやけた顔で純平
の働く荷台へひょいと飛び乗り聞いた。
「純平ちゃん。まじめそうな顔して、旭川のラーメン街
で色っぽい女と手をつないでいたの、見たって奴いるけ
ど・・」
「人違いっしょ。」
純平は、きっぱりと言い、汗を拭いてドカンと荷台に置
かれた結束用の縄の輪っかをソファ代わりにしてコロン
と寝ころんだ。
「このー、色男。」
と進治郎は、純平のはだけた胸に手を突っ込んで乳首を
摘んだ。
痛ていよ・・・順平は怒ってはみせたがすぐにくすぐっ
たくてケラケラ笑ってしまう。
「オンナなんていないっス。」
「またまた・・・」
今度は進治郎爺さん、純平の尻を摘もうと手を伸ばし
た。当然純平、くるんと転がって避けた。
「おーい。鹿内君。その爺さん、オカマだぞ。アブねえ
ぞ。」
トラクターを運転して来た北見実が大型の荷台の進治
郎にトウモロコシのむき身を投げつけた。
「社長。当たったら怪我するべ。」
「トウモロコシで怪我するタマか。早く収穫作業に戻れ」
「・・本当。人使い荒いんだもんよ。」
と渋々荷台を降りて進治郎は、自分のトラクターに飛び
乗り、畑の丘を登り出した。
「どうだ。もう一年だ。馴れたか。」
社長が純平にそう言いながらトウモロコシの実を投げて
渡す。
「ええ。この農場気に入りました。」
純平はそういうとトウモロコシに齧りついた。
「甘めーい。」
「そうだろ。茹でなくても内のは美味いんだ。」
純平は、荷台からひょいと飛び降りた。
「面白いの、見つけたんだ。見てみるか。」
北見社長の言う面白いものは、トウモロコシ畑と牧羊
小屋の間にあった。
畑の柵と羊の小屋の囲いの間の農道に頭と肢の先しかな
いシカの死骸があった。ハエが群がっているのを見るとま
だやられて数時間しか経っていないことが純平にもわかっ
た。そして一緒に乗って来た北見社長のトラクターから純
平は降りて倒れた雄ジカの立派な角を触った。
「これ、畑荒らしのシカっしょ。」
「ああ。いつも頭悩ましていたシカの親分だ。その立派な
角が証拠だべ。」
社長もトラクターの運転台から降りて畑の柵に手をかけた。
「誰がこんなに、うまく料理したんですか。」
その純平の言葉に答えず社長は、道を大股に歩いて隣り
の羊の小屋を柵越しに覗いた。牧羊犬が激しく吠えるのに
驚いてゴソゴソ小屋の中を動き回る羊たち。社長の北見が
人差し指を立てると番犬はピタと吠えるのをやめた。純平
は、それに感心しながら牧羊舎に目をやり聞いた。
「羊もやられたんですか。」
「いや。みんなピンピンしとる。一匹も欠けずにな。」
「じゃ、誰がシカの死骸をここに運んで来たんですか。ま
さか嫌がらせ?」
「とんでもない・・・逆だ。畑を救ってくれたんだ。畑を
荒らしに来たシカの親玉を見せしめにして。この場で倒し、
息の根をとめ苦しまないようにして心臓から食べた。その
後はその襲った奴の仲間たちの夕食になった。」
「熊・・・」
「熊なら、牧羊犬の白が吠える。まったくうんともすんと
も鳴かなかったらしい。たぶん尻尾を巻いてぶるぶる震え
てたんだろよ。この白は。」
「では・・・」
「オオカミだ。」
「オオカミ?」
22
太陽が燦々と照り返している。
北見農場は、トウモロコシの収穫に追われていた。まじ
めなカブトムシのようなトラクターが広い畑の丘陵を点
々と這いずり廻ってトウモロコシの茎を刈り取り、積み
込んでいた。刈り取り機の真上は、黄色いトウモロコシ
の茎や葉のカスが舞って煙のように立ちあがっていた。
そしてそのさらに上をカラスやヤマドリが荒海の餌場に
群れるトンビのようにひらひらと刈り取り機について空
中遊泳をしていた。
その広大な畑の丘の上に国道が一本貫いていてその路
肩に十トントラックが収穫されたトウモロコシをどんど
ん積み込んでいた。トラックの腹には、岩見沢陸運と書
かれていた。小さなトラクターが畑の畔道から這い出て
来てそのトラックの後ろに着くと積荷を小から大へ移し
替えていた。トラクターを操作をしている農場の男はみ
んな年老いていて身体は、ガッチリしているが顔は皺く
ちゃの真っ黒な顔色の爺さんばかりだ。
それに比べて岩見沢運送の運ちゃんは、色が白くひょ
ろりと背が高く若かった。しかも一見ひ弱そうに見える
がそのひょろり運ちゃんは次から次から老農夫が運んで
くるトウモロコシの束を十トンの荷台の上で奥から順序
よく並べてゆくのを黙々とこなしていた。
「純平ちゃん。おんな、いんべ。」
「・・・・・」
「日焼けもしないで夜な夜な遊んでんだべ。」
白い顎ひげの小太りな渡辺進治郎がにやけた顔で純平
の働く荷台へひょいと飛び乗り聞いた。
「純平ちゃん。まじめそうな顔して、旭川のラーメン街
で色っぽい女と手をつないでいたの、見たって奴いるけ
ど・・」
「人違いっしょ。」
純平は、きっぱりと言い、汗を拭いてドカンと荷台に置
かれた結束用の縄の輪っかをソファ代わりにしてコロン
と寝ころんだ。
「このー、色男。」
と進治郎は、純平のはだけた胸に手を突っ込んで乳首を
摘んだ。
痛ていよ・・・順平は怒ってはみせたがすぐにくすぐっ
たくてケラケラ笑ってしまう。
「オンナなんていないっス。」
「またまた・・・」
今度は進治郎爺さん、純平の尻を摘もうと手を伸ばし
た。当然純平、くるんと転がって避けた。
「おーい。鹿内君。その爺さん、オカマだぞ。アブねえ
ぞ。」
トラクターを運転して来た北見実が大型の荷台の進治
郎にトウモロコシのむき身を投げつけた。
「社長。当たったら怪我するべ。」
「トウモロコシで怪我するタマか。早く収穫作業に戻れ」
「・・本当。人使い荒いんだもんよ。」
と渋々荷台を降りて進治郎は、自分のトラクターに飛び
乗り、畑の丘を登り出した。
「どうだ。もう一年だ。馴れたか。」
社長が純平にそう言いながらトウモロコシの実を投げて
渡す。
「ええ。この農場気に入りました。」
純平はそういうとトウモロコシに齧りついた。
「甘めーい。」
「そうだろ。茹でなくても内のは美味いんだ。」
純平は、荷台からひょいと飛び降りた。
「面白いの、見つけたんだ。見てみるか。」
北見社長の言う面白いものは、トウモロコシ畑と牧羊
小屋の間にあった。
畑の柵と羊の小屋の囲いの間の農道に頭と肢の先しかな
いシカの死骸があった。ハエが群がっているのを見るとま
だやられて数時間しか経っていないことが純平にもわかっ
た。そして一緒に乗って来た北見社長のトラクターから純
平は降りて倒れた雄ジカの立派な角を触った。
「これ、畑荒らしのシカっしょ。」
「ああ。いつも頭悩ましていたシカの親分だ。その立派な
角が証拠だべ。」
社長もトラクターの運転台から降りて畑の柵に手をかけた。
「誰がこんなに、うまく料理したんですか。」
その純平の言葉に答えず社長は、道を大股に歩いて隣り
の羊の小屋を柵越しに覗いた。牧羊犬が激しく吠えるのに
驚いてゴソゴソ小屋の中を動き回る羊たち。社長の北見が
人差し指を立てると番犬はピタと吠えるのをやめた。純平
は、それに感心しながら牧羊舎に目をやり聞いた。
「羊もやられたんですか。」
「いや。みんなピンピンしとる。一匹も欠けずにな。」
「じゃ、誰がシカの死骸をここに運んで来たんですか。ま
さか嫌がらせ?」
「とんでもない・・・逆だ。畑を救ってくれたんだ。畑を
荒らしに来たシカの親玉を見せしめにして。この場で倒し、
息の根をとめ苦しまないようにして心臓から食べた。その
後はその襲った奴の仲間たちの夕食になった。」
「熊・・・」
「熊なら、牧羊犬の白が吠える。まったくうんともすんと
も鳴かなかったらしい。たぶん尻尾を巻いてぶるぶる震え
てたんだろよ。この白は。」
「では・・・」
「オオカミだ。」
「オオカミ?」
消え行く伝説のヒョウ
3月20日から4月16日大森キネカで
珍しく美しい動物の映画を集めて
「地球映像フェスティバル」として
日替わりで特集上映があります。
「伝説の動物~ユキヒョウ」(イギリス作品)の
試写が2月21日赤坂で行われます。
興味のある方は、どうぞ。
地球映像ネットワーク03・5261・9908。無料。
おお。珍動物。発見!
まさしく我が家のユキヒョウ・めんちゃん。
3月20日から4月16日大森キネカで
珍しく美しい動物の映画を集めて
「地球映像フェスティバル」として
日替わりで特集上映があります。
「伝説の動物~ユキヒョウ」(イギリス作品)の
試写が2月21日赤坂で行われます。
興味のある方は、どうぞ。
地球映像ネットワーク03・5261・9908。無料。
おお。珍動物。発見!
まさしく我が家のユキヒョウ・めんちゃん。