カジュアル・アミーガ         本ブログの動画、写真及び文章の無断転載と使用を禁じます。

ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

Disneyseaの盲導犬

2007年10月31日 | めんちゃん日記
カッパ姉ちゃんが友だちと千葉のディズニー・シーへ
行って真夜中に帰ってきたよ。
おかげで次の日は、疲れて昼過ぎまで寝て
お散歩につれてって貰えるのが遅くなったよ。
そしてとってもエライわんちゃんがそこで
働いていたって・・・道々言うんだ。
目の見えないひとを誘導してくれるワンちゃんだって。
大きな音や混んだひとの中でもすっくと落ち着いて立っているそうだよ。

どうぶつはそのディズニー王国に入れないけど
働く盲導犬だけは、OKなんだ。
ミッキーさんも喜んでそのワンちゃんたちを迎えてるんだって。
で、ぼくもそこに行って遊びたい。
って言ったらカッパ姉ちゃんが
花火の音ひとつでワンワン吠えるめんちゃんは
一生ディズニーには行けないなあってため息ついたよ。
いやだ、いやだ、いやだあー

だってめんちゃんは、
制服のひとを見たら郵便屋さんだろうがお巡りさんだろうが
わんわん吠えるんだもの。
絶対に盲導犬にはなれません。獰猛犬のめんちゃん。
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新しいレインコート

2007年10月30日 | めんちゃん日記
単純なものでついついやめられないこと。
ぼくは、ビニールのプチプチを噛んでつぶすことだよ。
あれを見つけると、
やらずには、いられない。
プチっプチっププチプチ・・・
あんまり熱心にやっていたら
首に巻かれて、取れなくなったよ。
土曜の台風の日の午後のことなんだ。
これで散歩に行けっていうの。
カッパ姉ちゃんは、この合羽でねって笑うんだもの。
恥ずかしくって行けないよ。
もうプチプチやらないから、許して!
まあ。どっちにしてもずぶ濡れになったんだけど・・・

ぷちぷちゲームのホームページ
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写真集ができる

2007年10月29日 | 美術館・イベント
春にできるはずだった写真集が
秋になってやっとできました。
カメラおじさんのグループの10周年記念の
ものです。
 会には日活のスチールマンだった目黒祐司さんが
いらして日活黄金期の一枚も入っています。


又三輪敏雄氏のピンホールは、画家らしく絵のようです。

写真ってモノクロフィルムもデジタルも
結局シャッターを押す人の人柄がでます。
不思議な仕掛けです。
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秋の花だより

2007年10月28日 | 写真コラム
博多のKummyさんからの花便り。
桔梗が一輪咲いたそうです。
月となんとお似合いだこと。


目黒の0さんからの花便り。
デカすぎでごめんとのこと。


世田谷のTさんのシクラメン。
水をやるとなかなかがんばってるそうです。
花って健気です。

なお、秋の夜長。芸術を満喫できるニュースが。
イタリアの会社HALが高品質画像で「最後の晩餐」を公開しています。
ウエブ美術館としては、画期的試みです。
ウエブ公開レオナルド・ダ・ビンチ「最後の晩餐」はこちら。
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サザエさん、50年前に映画化

2007年10月27日 | めんちゃん日記
 50年前にすでにサザエさん映画化。
いつも街を歩くと
マスオさんやタマちゅんに会うよ。
だってここは、サザエさんの街なんだもの。

ぼくもサザエ家の近くに夏の美術館の
不動産の抽選で家を買ったので
ますます親近感を覚えるよ。
昨日ぽっぽ通信のハト爺さんから聞いた話だと
50年前にサザエさんが実写映画化されていたって。
江利チエミって人知っている?
そんな人がサザエさんをやっていたんだって。
サザエさんって今何才なんだろ。
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愛するココロ-32-

2007年10月26日 | 投稿連載
    愛するココロ 作者 大隈 充 
          32
 陽はとっぷりと暮れた。
丹波は、日本海から来る季節の風を山間の稜線沿いに都へ
運んでくる。春とはいえまだ日を落とすと冷たい空気が
木立の間に忍び寄る。
 由香とトオルの乗ったワゴン車は、山道をどんどん
降りていった。もう一時間も景色が変わらず杉木立ばかり。
いや、むしろアスファルト舗装されていた山道が土と草の
デコボコの細い道になり、ついには、行き止まりになった。
山を降りていた筈がいつの間にか上っている。
どこで道を間違えたか、トオルは、エンジンを停めて
ゆっくり考えた。
 確かに赤い夕日の残り火が梢の先に見えていた30分前
に出会った上りと下りの二又の道を降りたところから
間違ったかもしれない。
今思い出せる過ちは、そこしか思い浮かばなかった。
「とにかく戻るしかないよ。」
「確かに降りていた筈なのに。」
と由香は、窓から身を乗り出してバックライトに照らされた
後ろの山道を見守った。
「迷ったときは、迷う前まで戻る。」
「トオルくん。カッコいい。ね。」
「だってこんな暗い森で一晩なんて・・いくら由香っぺと
一緒だって嫌だよ。」
「わたしも。暗い森でなくっても・・・」
「何、何?僕とじゃ嫌ってか?」
「冗談よ・・・・」
その「冗談よ」の「よ」の音が二人の叫び声で掻き消えた。
一瞬車が宙に浮いた。
ガタン!
つづいて右斜面に後輪が落ちた。
すぐに車を前進させてみるが前へ進まない。
後輪がくるくる空回りしている。そして車は勢いよく真後ろ
に土と草の粒を巻き上げて脱穀機みたいに放物線を
描いて飛ばしていた。
トオルは、素早い動きで車から飛び出て後ろに回った。 
「ああ。ヌカルミだ。」
「押してみる。」
由香が出てきて後ろに回ってサイドからワゴン車を押し出した。
トオルは、運転席でエンジンをかけながら一緒に押した。
車は、ぶるんぶるんと唸り声をあげるが後輪が泥濘にはまって
空回りするだけだった。
やがてそのうちに後ろで押していた由香の顔が撥ね上った泥
で黒い天然痘のようにぷつぷつ玉ができて汚れていった。
しばらくそんなことを繰り返したが車は、根を張ったみたい
に動かなかった。
やがて疲れてふたりは、夜露の草の上に頭をくっつける
形で倒れこんだ。
「三日月が出てる。」
なんだか大発見でもしたようにトオルが梢を見上げて呟いた。
三日月は杉木立ちの枝と枝の間から覗いた夜空に浮かんでいた。
「ほ・ん・と・う!」
いままでに三日月を見たことがない人のような驚きと歓喜の
目できわめてゆっくりと由香が同意した。
「由香ちゃん、顔汚れる。」
トオルが渡したタオルも充分汚れていたが由香は、受け取ると
裏返して顔を拭いた。
「男の匂いー」
「悪かったよ。汗臭くて・・・」
「ううん。トオルくんも男だって思ったの。」
「当たり前じゃん。」
「ごぉめんっ。」
深く深呼吸をした由香は、月明かりに白く細い顎と長く
透き通るように艶やかな咽喉を反らして空を見つめた
ままじっと息をこらした。
トオルは、そんな由香の濡れた迷宮に迷い込んだら
出られなくなる気分に沈んでいった。
森は、きわめて静かだった。
ふたりをつつみ込んだ沈黙は一瞬だったようでも時計
の長い針一目盛り分でもあったように感じた。
由香は唇に冷たいものを感じた。
トオルが自然に唇を重ねてきたのだった。
それはまるでスズメが水溜りの水を啄ばむように極めて
自然な行為だった。
「どうして東京のITの会社半年で辞めたの?オレ
みたいハケンじゃなく大手の社員だったのに。」
トオルが顔を離すと、両手を後ろに腕枕をして
ぽつりと言った。
「・・・・・」
「ときどき東京でめし奢って貰えると思ってたのに。」
「・・・違ったの。」
「何が。」
「逃げられると思ったけど、遠くに行っても逃げら
れなかったの。」
「死んだ末永のこと?」
「・・・・うん。」
「だって一方的なストーカーだろ。あいつ。」
「・・・うん。」
「別に好きじゃなかったんだろ。」
「うん。」
「だったら自分が悪い訳じゃないじゃん。」
「でも・・・」
「でも何?」
「私、人を好きになったことなかったから。」
「奥手ってこと、で、しょ。」
「自分から逃げられると思ったの。そんな。」
そう小さな声で言うと由香は、うつ伏せに向き直った。
「本当に彼のこと嫌いだったけど、知らない東京で毎日
電車に乗って会社で働いているうちにあれだけ嫌いだっ
た彼のことを忘れるどころか、もしかしたら自分の方が
劣ってるんじゃないかって気持ちが沸いて来て頭から出
て行ってくれなかったのよ。」
「何、それ。」
「愛するココロー。」
「ええ?」
「愛するココロが彼より劣っている気がしたの。」
「だって好きでもなくて近づかないでくれって言って
いたんだろ。」
「はっきりと嫌いだった。でも自分がエノケンみたい
にしっかりとした愛するココロをもっていたら、もっと
はっきり嫌いだと言えたし、曖昧な態度をとらずに
自分も彼も傷つかなかったように思うの。」
「わかんないな・・・」
「私もまだわからないよ。はっきりとは。ただ会社
辞めてカトキチに電話したら、九州で研究のバイト
するかって言ってくれて・・すうっと軽くなったの。
自分が。」
腕枕を外して、くるりとトオルもうつ伏せに草の上で
体の向きを変えて由香と並んだ。
「なんか、なあ。」
「じゃ。逆にオレが二年前芸人になるって東京に行くとき、
歓送会でスキスキ光線出していたの、気づかなかった?」
「そんなことあった?」
「やっぱり・・・」
「だって東京でアイドルと結婚するって・・」
「冗談だろ。そんなの。」
「トオルくんいつもいい加減だもの。」
「だったら、今は?」
「わからん。」
「だってチューしたぞ。」
「アイサツでしょ。こっちは愛するココロを手に入れる
ことの方が先なの。」
「さっぱりわからん・・よ。」
と、由香のケイタイが鳴った。
「はい。もしもし・・・」
遠い砂漠の国から聞こえてくるようなカトキチの声
が静かな森に響いた。
「真鍋くん。エノケン一号が見つかったよ。
それも変なとこで。」
「エノケン一号、どこですか。」
「京都だよ。それもエライ元気なんだ。」
『ゲンキ?』
とトオルと由香の声が揃って反応した。


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オーボンヴュータン~シーちゃんのおやつ手帖20

2007年10月26日 | 味わい探訪
洋菓子店にもいろいろ表示の仕方があります。
ここは、フランス菓子店と名乗っています。
世田谷区等々力のお菓子屋&喫茶店は、こちら。
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さすらいの学食くん7ー東京芸大の巻ー

2007年10月25日 | 味わい探訪
芸術の秋。
今日は、東京芸大に行ったぞ。
ここの学食は、そんなに大きくないが
味は太鼓判。
今回注文したのは、芸大スペシャル610円。
一番高いメニュー。
ハンバーグのベーコン乗せにイカフライにサラダに目玉焼き
の定食。ボリュームがあった。

受付の小太りのおじさんが
学生用ですから、先生食べきれないよ。と釘刺された。
おまけにさっき徳川さんが来ましたよ。いま大徳川展やってる
でしょ。徳川の直径ですよ。と人なつこい人だった。
長年食堂を取り仕切ってる名物おじさんだ。
学食でも学校によって味の濃さに差が出る。
ここは、コープ系でなく味はクラシックだがとても程よい。
しかも揚げ物の油がしつこくなく最後まで素材の味が変わらない。
たぶん何10年も前と味はかわらないのだろう。
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赤トンボ

2007年10月24日 | めんちゃん日記
小川に行ったら
赤トンボが飛んできたよ。
近くでムシャムシャ草を食べても
じっと動かないでぼくを見ている。


何?
どうしたの?
ぼく、聞いたんだ。トンボさんに。
そしたら
「よく草食べるなあ。」だって。
いいじゃないか、好きなんだもの。

「あんまり食べると草の繊維が消化されず又うんちが
なかなか出てこないで フンギリに苦労するよ。」
と言って空へ飛んでいったよ。
赤トンボさん、どこか空の上から
ぼくのこといつも見ているのかな。
食べ過ぎると確かに・・・そうなんだ。
どうしても好きなものって、
どこでやめるべきか、
フンギリがつかないんだ。
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ホワイトライオンに王子誕生!

2007年10月23日 | めんちゃん日記
 今月14日にベルギーのオルメン動物園で
ホワイトライオンの子供が生まれた。
ってぽっぽ通信のハト爺さんが報せてくれたよ。
絶滅の危機にあるライオンでめずらしいんだ。
ねこちゃんなら白ネコって珍しくないけれど
ライオンは、貴重なんだって。
「ジャングル大帝」のレオみたいに育つといいね。
動物界の気高い王子さま。
ぼくもチワワ界の本当は、王子さまかもしれない。
たまたまこんな、日本に流れ着いてしまっただけかも。
でもおやつやカッパ姉ちゃんのつくる夕食に
居てもたっても居られなくハヤハヤ、クンクンと
ついつい身もだえしてしまうぼく。
そんな気高い王子は、やっぱり
いないかあ・・・・!

PS:3月にはフランスで四つ子が生まれたよ。
四つ子のホワイトライオンinフランス。

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自由が丘散歩

2007年10月22日 | めんちゃん日記
やっとこのところ秋らしい天気。
お空が高くてハケで描いたようなうすい雲が飛んでいるよ。
昼は暖かいけれど涼しい。
散歩日和。
自由が丘は、休みの日になると人とお店で賑わうよ。
カッパ姉ちゃんは、昔と比べると人が多すぎるって
ため息ついていたよ。
ぼくは、そんなお店の中にも
変なやつに挨拶されたよ。
シロクマくんたちだった。
ガラスの向こうから何か言ってたよ。
北極の氷がどんどん溶けて住めなくなって
自由が丘に引っ越してきたんだ。よろしくね。ってさ。
それにすぐにここも冬になるしいい頃だよ。って。
そうか、冬がまた来るのかあ。
昨日まで夏だったのに・・・ね。
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メガハウスのコーヒー屋さん

2007年10月21日 | 食玩小物
メガハウスで人気のどうぶつ店長シリーズ。
その中でも特に可愛いと評判の「ダックス店長のコーヒー屋さん」です。
ダックスフンド型の器に入ったプリン・アラモードも、
ちゃんとハンドルが回るコーヒーミルも、
可愛いだけでなくとてもリアルです☆
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プレリードッグってドッグ(犬)?

2007年10月20日 | めんちゃん日記
散歩でバッタリ会った変なやつ。
ワンともニャンとも言わない。
カラダがとにかく長いんだよ。
ぼくは、挨拶どころか
チョロチョロしてくるくる回りながら
ホイホイ行っちゃったあいつを
ただただ見送るばかり。
なんだ。あのペット。
カメラおじさんがプレリードッグって教えてくれたよ。
鼻先だけはめんに似てるなって関心してぼくの
頭をなでたよ。

いやだな、あんなに長いやつといっしよにされたら
襟巻きにされそうで・・・
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Disneylandクッキー~シーちゃんのおやつ手帖19

2007年10月19日 | 味わい探訪
さて今日はもうひとつディズニーの限定おやつです。
こちらは、本家デイズニーランドのクッキーです。
これも十月いっぱいの限定品なので今月行かれる方は是非。
別にディズニーの回し者ではありませんので、ご興味の方のみで結構です。
はい。
ディズニーランドのホームページはこちらへ
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愛するココロ-31-

2007年10月19日 | 投稿連載
       愛するココロ 作者 大隅 充
                  31
 エノケン一号の頭から引っ込んでいたアンテナがにゅうっと出てきて、
両目のランプがパッと点いた。
アノトキ、アイスルココロヲ ミッペイシタ。ケシテワスレナイヨウニ。
「こいつ、生きてる。」
「本当だ。電気が点いた。」
マンガ本やオモチャの箱などが積み上げられた蔵の中でコンセントに扇風機
の電源コードでチビとノッポの小学生がエノケン一号の電源をつないだのだった。
それはちょうど由香とトオルが京都府内のビジネスホテルで二泊目
を決定したときだった。
 エノケン一号は、ゆっくりと首を回して周囲を確認した。隅の格子窓の前に
古い机が置かれパソコンとゲーム機とが何台も並んでいた。
「マナブちゃん。これ防水鋲打ってはるし、ドライバーでバラせへんよ。」
学と呼ばれたチビの小学生は、古い一眼レフカメラで正面からエノケン一号
を撮っていた。
「ユウちゃん。仕方ない。これ、長いザルを足につけて野球の玉拾いに
改造しようと思っとったけどでけへんなあ。」
 とパイプ椅子にどんと学が座った。
ユウちゃんこと祐樹はぴょいと机に座って足をぶらぶらさせながら溜息をついた。
「これがホンモノのロボットでスイスイ動いてくれたならなあ・・・」
すると埃りっぽい蔵の中が一瞬揺れて格子窓から差す陽の光の中で埃りの粒が
渦巻きはじめた。そしてギィーギィーと機械音がした。
「ああ。動いた。」
エノケン一号が前進、後退、回転そして前進した。
椅子から吃驚して転げ落ちる学と祐樹。
「ど、どうして・・・動いてはんの?」
「怖いやん。」
エノケン一号胸の液晶も点灯してきらきらと胸をはって止まった。
「わたしは、エノケン一号。」
「・・・・・?!」
「おい。今何も聞こへんかったよね。」
「いや。はっきりと聞こえた。」
と祐樹が即答すると学と二人して思わず合唱した。
『ロボットがしゃべったあ!』
「あと1時間40分充電しなければなりません。ごめんっ!」
学は、エノケン一号の腕にそっと触って、
「これ、ゲームセンターのしゃべる自販機やん。そうやん。」
「はいはい。初めからテープ録音したあれ。」
「なーんだ。なんだ。」
と学がエラーメッセージで何をやっても止まらなくなった暴走パソコンを
強制終了するみたいに慌てて電源コードを抜こうとすると、エノケン一号が
透かさず回転して学に向き直って距離をとった。
「まだ充電が終わってません。抜かないでください。」
「えっ?自分でしゃべってるよ。こいつ。」
「自販機じゃないの。」
「ごめんっ。自販機ではありません。」
学と祐樹は、ゴクンっと生唾を飲んで肩を寄せ合った。
「このまま充電補給してもらえれば、何でもします。だから抜かないでコード。」
学が一歩近づくとエノケン一号も一歩下がる。
「わかった。わかったよ。」
どんと又パイプ椅子に座った。
「ありがとう。あと充電完了まで1時間33分。待機します。ごめんっ。」
埃りの舞う日差しの中で祐樹と学は顔を見合わせて引き攣った微笑みを交わした。
「申し訳ありませんが電源コードを踏んでます。どいてください。」
立っていた祐樹がエノケン一号にアームで示される通りに自分の足元を見た。
机の壁のコンセントから出ているコードをスリッパの足で踏んでいた。
「あああ。ごめんな。」
そう祐樹は言うと足を外した。すると外の廊下から女の人の声が聞こえてきた。
それは祐樹の母親の声だった。
「ユウちゃん。野球教室の時間でっせえ。学さんも一緒でっしゃろ。
早よう支度しなはれ。」
『はーい。』
ふたり揃って返事を返した。
それから数時間後。
同じ京都も外れの山の中でトオルと由香は、漕ぎ過ぎて油の切れたチェーン
でキリキリ言わせながらそれでも諦めず坂道を自転車で漕いでいくように
エノケン一号捜索に取り憑かれていた。
 陽はどんどん音を立てて斜めになっていた。
電話帳の廃品業者を片っ端から電話で変な冷蔵庫みたいなものを回収して
いないか聞いて回り、この2日間で怪しいところはだいたい見て回った。
後は最終処分場だけだった。
 森の中、杉木立ちの林道をトオルと由香のワゴン車が走っていた。
「もう産廃所は、これで三軒目になるよ。」
ハンドルを握るトオルが疲れた声を出した。
「うん。この洛北の処分所を見たら大阪の方へ行こう。」
同じく疲れているが鋼のような強い声で由香は提案した。
「ええ?大阪。でももう今日は無理だよ。」
「とにかく後一軒。」
森は午後四時を過ぎるともう薄暗かった。
悪魔の誘惑は、こういう暗い森で起こるのだろうとトオルは思った。
その悪魔は、赤頭巾ちゃんでも子羊でもなくエノケン一号捜索という行為を誘惑し
餌食にして暗黒の魔界へ連れ去った。
処分場には、それらしき機械類の届もなかった。リサイクル家電は、メーカーに
よって分解工場が分かれていたし、スクラップ及び鉄類の集積場のどこにも
エノケン一号の残骸はなかった。
「もう諦めよう。手がかりがなさ過ぎるよ。」
「・・・・・・」
トオルのその言葉は、ワゴン車のエンジン音と共に消えていった。
「ぼくたちの責任じゃないよ。エノケン一号は自分で勝手にいなくなったんだもん。」
由香は、しばらく黙ってから、
「もう一度エノケン一号に会いたい・・・」
と洟をかむとぽつりと言った。

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