カジュアル・アミーガ         本ブログの動画、写真及び文章の無断転載と使用を禁じます。

ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

さすらいー地球岬 1

2009年07月31日 | 投稿連載
地球岬  作者大隅 充
      1
 走る特急列車スーパーカムイのトイレで何度
も赤く染まった左手の甲をゴシゴシ洗ってもオ
ヤジの血は落ちなかった。
 いつも酒臭いオヤジが大嫌いだった。あのサ
ロベツのボロ家で高速道路で車に撥ねられて雪
の吹き溜まりの側溝で動かなくなったエゾジカ
みたいにオヤジが畳に倒れたときオレは計り知
れない開放感を感じた。
そしてこれでオレは今度こそこんな忌まわしい
世界からおさらばできると実感した。
オレは二十歳をとっくに過ぎて三年も生き延び
ている。高校を中退したとき、はっきりと二十
歳までは生きてないとオヤジに宣言したはずだ
った。
しかしオレは生きている。ちょうど灰色の嫌に
なるほど厚い雲に覆われた今日の空のようにオ
レは、うっとしくてウザいカスの恥をさらして
誰からも疎まれている。列車がトンネルに入っ
たとき車窓に映った自分の痩せた顔を見る度、
その嫌悪感が頭蓋骨の裏に張り付いて離れなく
なった。
 石見沢駅から室蘭本線に乗り換えようとしたら
ちょうど乗客の少ない車両に乗務員が切符を切り
に来たのでキセルで乗っているのがバレて身元を
調べられてはたまらない。すぐ様駅のホームの先
頭から飛び降りて鉄線の柵を抜けて駅前商店街へ
走って出た。
バス通りをどんどん早足に歩いて、オレはどこに
行こうとしているのだろう。
とにかく一昨日から歯を磨いていないので口の中
が気持ち悪い。グリーン車のダッシュボードから
食べ残しのカニ弁当を拾って食べたときに一緒に
入っていた楊枝でシーシーやったが親知らずの虫
歯に引っかかったカニの身が未だに取れない。
そして商店街のひとつ裏通りで見つけた公園の水
飲み場で水道の蛇口にかぶりついて嗽をしてやっ
とそのカニ野郎が取れた。オレは2日前の夕方家
を出てから、美深で野宿をして宗谷本線に飛び乗
り、旭川駅で雑魚寝するまで正真正銘の独りにな
った喜びで体中の血がラッパーのリズムみたいに
駆け巡って調子よかった。それが旭川駅の朝。
特急に忍び込んで以来身なりのいい観光客に混じ
って窓辺の席にいると、厚い冬雲の間から覗くや
さしい太陽が赤くオレのボサボサの頭を照らし始
めたあたりから妙な淋しさがオレの小さな体をま
るごとすっぽり包んだ。
オレはこの独りきりの2日間の喜びと淋しさでい
っぱいだった。だからこの公園の水道の水が親知
らずの虫歯に凍みてすっかり目が覚めるまで自分
の身の回りのことに無頓着だった。
 節水と書かれた水道の栓を戻して水を止めると
カラスの鳴声と表通りの車のエンジン音が耳に入
って来て、久しぶりの日常と対面した。オレは今
にも雪が降りそうな灰色の雲と空を見上げた。
するとどこかから犬の鳴声がしているのに気づい
た。耳を澄まして声の方向を辿って行くと足元に
置いたグレーの鞄からだった。
そう。マディソン・スクウェアと書かれたバッグ。
とりあえず押し入れにあったオヤジの古い鞄で着
替えとipodを入れて持ってきたものだった。
そういえば駅のホームを飛び降りたとき、鞄がガ
サゴソ動いていたように思ったが必死だったので
この公園に来るまで気づかなかった。
オレは、恐る恐る鞄のチャックを開いてみた。
鳴き声ははっきりこの世界にあらわれてワンワン
ワンと激しい威嚇吠えとともに丸っこい仔犬の顔
がぴょこんと出てきた。
なんだ。こりゃ。マジックか。
急いで鞄から仔犬を出すと中身を確かめてみたが
自分のものは何一つなく、バスタオルが底に敷か
れているだけだった。
そしてその丸々とした茶色の犬は、公園の霜柱だ
らけの地面に着地するとベンチのある広場まで走
っておしっこをすると又水呑み場のオレの足元へ
やってきてペチャペチャと排水溝に溜まった水を
飲みだした。
どこでこの鞄が入れ替わったんだ。
たしか特急列車スーパーカムイが岩見沢に着くま
でオレはipodを聞いていた。そして乗務員が
車内へ入ってきたとき急いでipodを鞄に仕舞いこ
んだ。その時まではこのマディソンバッグはオレ
のものだった。
特急列車を降りたところから落ち着いて記憶を辿
ってみよう。
どこで間違ったのか・・・・
ああ!あのとき。特急列車の閉まりかけのドアか
らホームへ飛び出した。ちょうど売店があり、小
学生の男の子とぶつかった。その子供は売店の新
聞立てに転んで悲鳴をあげたがこっちは、列車の
車内を追いかけてきた乗務員がホームの係員へ連
絡して押し寄せて来るような妄想に頭がいっぱい
で、そんな小学生のことなんか構っている訳にも
いかず転がったマディソン・バッグを拾ってホー
ムの先頭まで走って飛び降りた。
あのとき。バッグを離したのは、あのときだけ。
だとするとのこバッグはあの子の・・・
クンクンクン。仔犬がオレの足にすがり付いてき
た。足ではらったがやっぱりすがり付いてくる。
クンクンクンクンクン・・・
何だ。おまえは?
* * *
「その犬はチャータといいます。」
駅の落し物係に少年が答えた。
「僕は、風見駿といいます。清水沢小学校5年生
です。はい。夕張です。」
どん曇りのせいで早めに暗くなった。まだ3時な
のに駅舎の室内に一斉に電気がついた。
小学生の駿は、今にも泣き出しそうに落し物届書
にサインした。
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はにわサブレ~シーちゃんのおやつ手帖103

2009年07月31日 | 味わい探訪
サブレを購入した横浜市歴史博物館は、古代から現代までの
横浜近辺の暮らしを模型やマネキンなどで再現しています。
ただ、展示方法にあまり工夫が無く、いかにも行政が作った
「ハコモノ」といった印象で、面白味に欠けるのが
とても残念でした。

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抜け殻 utsusemi

2009年07月30日 | めんちゃん日記
あんまり暑いので
あんまり雨にたたられるので
ぼくは、散歩に行っても気が気でない。
いつ夕立ちにびしょびしよになるか
ハラハラして歩く。
ココロが空っぽになるよ。
セミさんみたい。
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HACHI 約束の犬、見たい。

2009年07月29日 | 映画・演劇
HACHI 約束の犬(2008)予告編 Hachiko: A Dog\'s Story Trailer

本屋で「HACHI約束の犬」のパンフレットを見て
この映画の予告編を見たら
涙もろくなりました。
日本犬の顔がとてもいいです。
「Shall we dance?」といい
リチャード・ギアは、日本のものを忠実に
リメークしてくれます。
いままで「ゴジラ」といい「鉄腕アトム」といい
こんなんじゃないっていうのがアメリカ映画でした。
でも彼はよく理解しています。
ともかく8月8日にはめんちゃん、見に行かなきゃ。


コメント (2)
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お台場で、太陽に吠えろ!

2009年07月28日 | めんちゃん日記
砂浜めん

お台場は、波が穏やかなので
湘南の海と違って
こわくないぞ!
今日は強気に吠えてみたよ。

でもどうしたわけか、
草原にゴシゴシするくせで
つい砂浜にゴシゴシ。

鼻から目から砂が入ったよ。
ふう~~~



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ガンダム、発進。

2009年07月27日 | めんちゃん日記
長ーい海底トンネルを抜けて
電車を降りたら、見たこともない町。
ゾロゾロにんげんが歩いてゆくので
ついて行くと、
巨大な奴が立っていたよ。
これがガンダムだって。

お台場の巨神Gandumくん


背中のロケットエンジンから煙りが出て
首が動いていよいよ青空へ発進して飛んでゆくのか
と思ったら、それ以上動かなかったよ。
うーん、ここは、ひとつ飛んで欲しかった。

あの背中のエンジンひとつくれたら
ぼく、耳を翼に飛んでみたかったのに・・・
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Cardごのみ68~ジュラシック・パーク&オモチャ万歳

2009年07月26日 | 食玩小物
上のカードは大変珍しい廃版ステッカー・恐竜たちを使って太古の昔を再現☆
下はオモチャに囲まれてご満悦のクマ君!
 
よく見ると、オモチャの中にも赤い扇子や船やヨットなど、かなりレアな
廃版ステッカーが使われています。
今回使用した貴重なステッカーたちは、横浜・港北モザイクモール内に
あるスタンプリップルで購入しました☆

廃版ステッカーの在庫がとても充実していて、かなりレアなお宝も発見!
しかも全て定価でお得。

グロスマン・ファンにお薦めの穴場です☆
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ひみつの山モモ

2009年07月25日 | 写真コラム
とある雑木林の中。
夏の恵みが実った。
甘い実がいっぱい。

山道を登って
のどがカラカラになって
木の実をつまんでのどを潤す。
緑の中で生き返る。
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紅芋ケーキおもろ~シーちゃんのおやつ手帖102

2009年07月24日 | 味わい探訪
こちらのお菓子は沖縄通の友人・ほたてさんに頂きました☆
ほたてさん、ご馳走さまでした!
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さすらいー幽霊屋敷23(最終回)

2009年07月24日 | 投稿連載
幽霊屋敷 作者大隅 充
    第一部最終回
 いよいよ年が明けて4月になれば、僕らは六年生に
なる。もうクラスでも町でも幽霊屋敷について噂する
者はいない。チャータは天性の明るい性格でますます
元気になって父ちゃん母ちゃん以外に隣近所の誰から
も好かれるアイドルになった。
 新しい年は除夜の鐘からずっと五日間激しい雪がつ
づいた。夕張のすべてが白い雪に覆われて、母ちゃん
はこんな雪嵐は初めてと僕にお年玉を渡しながら言っ
た。
そして六日目。やっと雪がやみ、久々に晴れ上がった。
僕は、真っ青な空の下キラキラと光る深雪をゴム長で
踏んで家を出た。大きな重い鞄を両手で抱えて転ばな
いように一歩一歩駅の方へ進んでいくと雲の上を歩い
ているみたいに超軽い雪煙が足もとであがった。
僕は、清水沢駅のホームで上りの電車を待つ間マディ
ソン・スクウェアと書かれた古いビニール製の鞄と一
緒にベンチに座った。まだ電車が到着するのに20分
はあった。僕がポケットからメロンパンを出して食べ
始めると、古い鞄がクンクンと鳴いた。
中にはチャータが入っていた。
そう。僕は、自分のお年玉を元手にチャータのために
岩見沢の獣医さんのところへ予防接種を受けに行くと
ころだった。
犬用のキャリーバッグを買ってほしいと言ったのだけ
れど父ちゃんは、もったいないこの炭鉱で働いていた
時代にカンテラや弁当を入れていたマディソンバッグ
がまだ充分使えるからこれにチャータを入れて行けと
押し付けられたのがこのかっこ悪い鞄だった。古くて
僕は恥ずかしかったが、駅員にも乗客にも仔犬が入っ
ているなんて気づかれないことだけが唯一いいことだ
った。
「駿ちゃん。どこまで行くの。」
赤いマフラーをした植物係の松本ユカリが声をかけて
来た。
「うん。ちょっとお使いで岩見沢まで。」
「ふーん。この鞄の中チャータが入ってるんでしょ。」
と鞄を挟んでベンチにユカリちゃんは座った。
「わかる?」
「だって。さっきからこの中でクンクン鳴いてるもん。
わかるよ。」と大人びて笑った。
するとチャータはユカリの匂いと声に反応してワンワン
と吠え、鞄ごとぴょんぴょんと動き出した。
「こら。じっとしてろって。」
とチャックを少し開けて僕は、メロンパンのカケラを落
として大人しくして貰おうと思ったがパンをくわえたま
ま閉めようとするチャックをぐいぐいと鼻でこじ開けて
スポンと顔だけが鞄から出てしまった。
僕は、仕方ないので残りのパンもやって首を撫でるとチ
ャータは顔を出したまま大人しくなった。
「駿ちゃん。いやらしい。」
松本ユカリが言った。
「なんで?」
と僕が不思議そうに聞くと、
「この犬、深田あかりさんの犬なんでしょ。秀人からみ
んな聞いたよ。だからこんなに一生懸命飼ってるんだ。」
ベンチには、僕とユカリちゃんしかいなかったがどう見
ても僕らが同級生とは思えないほど松本ユカリの表情が
大人の女の人のカオをしていた。
「駿ちゃんまであの、いなくなったアイドルのあかりさ
んに参ってしまうなんて思ってもみなかった。」
そういうと松本ユカリは、立ち上がってホームの先頭へ
歩き出した。
「違うよ。僕はこいつが可愛いから飼ってんだ。変な誤
解するな。」大きな声を出した。
ユカリは立ち止まった。
「お前。秀人と仲良くしてればいいだろ。なんでチャー
タのことやあかりさんのことに首を突っ込むんだ。バカ。」
松本ユカリは、くるりと振り向くとツカツカと戻って来て
赤い目をして言葉を僕の頭の上から投げつけて来た。
「秀人なんて関係ないでしょ。嫌いよ。」
そういうとチョコレートを僕の手に握らせて走って行った。
僕は、彼女が泣いていたのを見逃さなかった。
そして僕は、チャータと深田あかりさんとこの夕張の町と
が線路のレールみたいにもうこれ以上決して交わらないだ
ろうとおぼろげに感じた。
やがて列車の入ってくるアナウンスが流れてきた。初めて
一人で乗る遠出の列車の姿が信号機の向こうに小さく見え
てきた。
         
                    おわり     
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東京・部分日食ショー

2009年07月23日 | 写真コラム
代々木で見た日食ショー





そして
雲の合間に出ては隠れて、

東京は部分日食でした。
あと26年後には北関東で皆既日食が見られる。
真昼に夜になる。

なお、めんちゃんは、昨日も昼を食べず夜になって
ごはん食べた。それもハンストでお腹すいたのか、
干からびた昼ごはんもいっしょに。
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渋谷で皆既日食見たよ。

2009年07月22日 | 写真コラム
カメラおじさん速報。
渋谷の近くで11時20分ごろ皆既日食に遭遇。
日食の間だけ雲が切れてお昼には隠れた。
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怪奇日食

2009年07月22日 | めんちゃん日記
いよいよ、今日は日本では46年ぶりの皆既日食。
でも沖縄以外は、曇り空。
残念だね。
どういう訳か、この月と太陽のせいか。
ぼくは、まる二日ごはんを食べてないんだ。
いつも食べているドッグフードを食べたいと思わない。
食いしん坊のぼくは、別に病気でもないのに、
・・・どうしてかなぁ。

これは、ぜったい怪奇日食だよ。
何か変なことが起こると思っていたらぼくの身に・・・
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花咲く試合会場

2009年07月21日 | めんちゃん日記
散歩は朝か夕。
これだけ暑いと。
もう夏休みということで
競技場は、試合の連続。
ついつい応援に力が入るね。
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夕暮れの虹

2009年07月20日 | 写真コラム
きのう7月19日
夏の夕方、
パラパラとシャワーのような雨。
ほんの短い時間だったのに
すぐにあがったと思ったら
ちゃーんと虹が出てきた。
夏休みのはじまりをお祝いするみたいにね。
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