月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「007 慰めの報酬」(原題「Quantum of Solace」)

2008年12月14日 | ◆ナ行

冒頭のいきなりのカーチェイス、それも絶体絶命的なカーチェイスには、思わず肩に力が入ってしまいました。まるで、いきなりジェットコースターに乗せられた感じで観客は007の世界に突入です。

ダニエル・クレイブ(Daniel  Craig)がジェームズ・ボンドに起用されてから、007シリーズは、他の大型エンターテイメントのアクション映画と同じテイストとなりました。
あの『MI』シリーズと同じ次元の映画になったなあと。

以前の007は事前に約束事(セットといいストーリーと言い、その馬鹿馬鹿しさを楽しむというお約束事)があり、それを踏まえないと、とても観られたものじゃない漫画映画で、そこが面白かったわけですけれど、ダニエル・クレイブの007は、そうした前提なしのアクション映画になった分、緊張感のあるアクション映画が好きな私としてはなかなかいいぞと。

製作者関係者はどうやってダニエル・クレイグを口説き、
また映画に対してうるさいダニエルはどんな条件を出して、
漫画的映画007を映画的映画007にしたのだろうと、
前回では想像する楽しみもありましたが、
いよいよ映画的映画の007が似合ってきたダニエル・クレイグ。
本作はその期待を裏切らずさらにパワーアップ。
それほど、面白かったです。


監督は、前作のマーティン・キャンベルに代わって、マーク・フォスター。ドイツ人の監督ですが、アクション映画では名前を聞かないですよね。この監督は、ヒース・レジャーファンとしては銃で自殺するシーンが印象的だったあの映画、ハル・ベリーの体当たり演技で主演女優賞をとったあの『モンスターズ ボール(Monster's Ball)』(邦題「チョコレート」)の監督であり、また、ジョニー・デップ主演で撮った『ネヴァーランド』(原題「Finding Neverland」)の監督です。
人種差別を通して人間の心の頑迷さや弱さを、親子の絆や葛藤などを通して人間の孤独や弱さを、とても繊細に描けるヒューマン派&社会派の監督といったイメージの監督ですが・・・・、
どういう事情で007を撮ることになったのでしょう。

ネットでちょっと調べてみたら、ダニエル・クレイグが交際していたお相手がドイツ人の女優ハイケ・マカチュ(Heike Makatsch)なので、そのときにご縁ができたのかもしれないなあと。
ダニエル・クレイグとは同世代なので意気投合したのかもしれないなあとも。無論、委細は分かりません。(苦笑)

ちなみに、こちらがハイケ・マカチュ。
  ↓
 
(007とは関係ありませんが、ご参考までに)

製作者と脚本担当者、そして音楽監督には、
前作『カジノ・ロワイヤル』と同じ名前が上がっていましたので、
いい意味でチームワークが良かったのだろうなアと思える出来。
ホント、なかなか”見せてくれる”映画でしたよ。

さて、気になるボンドガール、
何となく前作のエヴァ・グリーン(Eva Green)とタイプが同系の、

オルガ・キュルリレンコ(Olga Kurylenko)。

映画
『ヒットマン(HITMAN)』でニューヒーローとしての魅力を放ったティモシー・オリファントとともに新鮮な魅力を放った女優ですが、名無しのエージェント47の同行者となった売春婦役でした。アイラインが溶けて目の周りが真っ黒だったのが印象的。
東欧の名前は耳慣れないせいか、本名のウクライナ語名も分かりづらい。オーリハ・コスチャントィーニウナ・クルィレーンコ。オリガ・クリレンコという紹介もあり、こんな風に名前が統一されないのって、国際的に活躍する上でマイナスにならないのでしょうか。

ホント、エヴァ・グリーンと感じが似てました。お色気のボンド・ガールとは一味も二味も違う存在で、本作に深みを持たせる役柄。
ちなみに、前作でジェームズ・ボンドが愛した女性役を演じたエヴァ・グリーンは、こちら。

 
(前作のボンドガールのエヴァ・グリーンです。ボンドが愛し失った女性役)

彼女、映画『ルパン』にも出演していたのを思い出しました。あのルパン役の男優はイマイチでしたけれど、やはりエヴァはヨーロッパの香りのする女優ですね。

本作は彼女の死を激しく引きずるボンドの内面とリンクするハードボイルドです。
そんなボンドの胸のうちを理解するM、
ボスである彼女との信頼関係の醸成もまた実にスリリングでした。それほそまでボンドのハートを射止めた女性役ですから、
ボンドガール的女優ではダメなわけで、
アメリカのハリウッド女優と雰囲気が違う女優の起用は正解でしたね。彼女がフランスの女優だったように、
本作ではドイツの女優の起用。
新シリーズのボンドガールは
ヨーロピアンイメージでいくのかも。

007といえば、
無論敵役の俳優もご紹介しないといけないですよね。
今回は、こちらのマチュー・アマルリック(Mathieu Amalric)。

この画像では007の敵役をイメージするのは難しいですが、この笑顔の彼が映画ではどんな悪役として存在感を見せているか、乞うご期待です。

ちなみに、
前作の007の敵役を覚えていらっしゃるでしょうか。

そう、このル・シッフルという男。存在感がありました!
まだ若いジェームズ・ボンド一人ではとても攻略できそうになかったですもんね。英米仏諜報部提携の情報工作員総出でヤット倒せるかもしれないという、怖さがありました。しかもボンドは手痛い犠牲をも払うことになってしまった・・・・

ダニエル・クレイグのニュー007では、敵役としてそれほど存在感のある、しかもル・シッフル役にマッツ・ミケルセンという新鮮な俳優が起用されたということが、勝因の一つのように思います。

このマッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen)は
デンマークの俳優です。

ダニエル・クレイグの007第二弾となった本作『慰めの報酬』も、そこは同様でとっても楽しめました!



イギリス諜報部の顔Mは、本作でも彼女。イギリスが誇る名女優、ジュディ・デンチ(Judi Dench)。この役、はまり役ですね。
74歳、まだまだ頑張ってもらえそうです。
他の出演者もご紹介したいのですが、それは公開後に画像付きでご紹介したいと思います。

一般上映は来春。もうじきです。
楽しみにお待ちください。

★ご参考までに。http://www.sonypictures.jp/movies/quantumofsolace/

 

 


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