月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「二ムの島」(邦題「幸せの1ページ」)

2008年08月28日 | ◆ナ行

冒頭、美しいイラスト画像で始まる現代のメルヘン。インターネットのメールのやり取りで知り合った二人、一人は父親と二人きりで太平洋の孤島で暮らす少女二ム。


このニムを演じているのは、アビゲイル・ブレスリン。魅力的な子役の誕生ですね。



二ムの毎日は、学校はこの孤島の美しい自然。親友はイルカやアシカやペリカンやトカゲたち。彼らを友としてこの孤島の自然の中でいろいろなことをして遊んでいる。(学んでいる!?)

二ムの父ジャックは海洋生物学者。ジャックは、太平洋の孤島のパソコンからインターネットで世界に繋がっている。
研究熱心な学者で論文も発表し学者としての名声を得ている変り種。普段はとっても娘思いのパパなれど、仕事に熱中すると他のことが視界にはいらなくなるという天才肌。
なかなかキュートな設定です。

孤島に週一回届けられる生活物資の中には本も。そう、二ムは、冒険物語の主人公アレックス・ローパーに夢中の女の子。

そんな二ムがひょんなことからメールでやり取りすることになった相手のHNがナンとアレックス・ローパー!というのも、このジョディ・フォスター扮する小説家アレクサンドラこそ、アレックス・ローパーの産みの母の小説家だからです。

二人はメールを通して友達になっていくのだが、 二ムのパパジャックは、いつものように海洋生物の新種を採取しに海へ出たきり戻らない。ジャックの船は嵐で難破したのだ。



戻るはずの父親が海の彼方へ行ったきり・・・・、二ムはいつしか、父親も鯨のお腹の中にいるという母親のように、戻らなくなるのではないか?



不安が押し寄せる二ム!

けれど、嵐で停電しても自分で電気を復旧させ、怪我をした足もメールでのやり取りで自分で手当てしながら、イルカやアシカやトカゲを友として孤島でたった一人で奮闘する。窮地に立ったときには、きっとアレックス・ローパーが助けに来てくれると信じて疑わない。なぜなら、アレックス・ローパーはヒーローであるだけではなく、二ムにとってたった一人の心の友だから。

二ムのことをてっきり博士の助手かなんかだとばかり思っていたアレクサンドラは、メールでの会話で初めて相手がまだ11歳の女の子だということを知り、



太平洋の名もない孤島に、
いま、11歳の少女がたった一人でいる!?

動揺するアレクサンドラ!電話恐怖症もどこへやら、あちらこちらに電話をして二ムの救助を依頼するのですが・・・・・何せその島がどこにあるのかさえ分からない。



島の緯度と経度を知らせる二ムからのメール・・・



「わたしに出来ることは?」
というアレクサンドラのメールへの返信は、
たった一言、
「来て」

こういうメールをもらったら、
腰を上げないわけにはいかないのでは!?

ところが、問題が・・・・

 
インディ・ジョーンズみたいなアレックス・ローバー。
ジェラルド・バトラーは、この物語の空想上のヒーロー、アレックス・ローバーと二ムの父親のジャックを一人二役で演じ分けていますが、この一人二役、なかなか自然で魅力的でした。

アレクサンドラは、出版社からの電話にも脅える失語症寸前の作家だが、実は一日中パソコンの前にいて小説のネタも書くための資料も全部ネットから仕入れているという徹底したネットオタク。おまけに会話する相手は、何と自分の小説の主人公アレックス・ローパーただ一人・・・

二ムのところに行かなくちゃ!
太平洋の孤島でたった一人、
11歳の女お子が、わたしが行くのを待っている!

行かなくちゃ!

ところが、さらなる問題は・・・・


(全身から汗が噴き出し、脚ががくがく震えて動けないアレクサンドラ)

玄関のドアから外に出ることができない外出恐怖症!加えて、殺菌消毒スプレーを持ち歩かないとパニックを起こす潔癖症という重症な神経症患者!
アレックス・ローパーと散々会話の応酬をしながら、やっとの思いで外で待つタクシーに乗ったものの、さっそくげーげー吐いてしまうアレクサンドラ・・・



長い道のりを悪戦苦闘しながら、
やっとたどり着いた島で、
二人はリアルに会うわけですが・・・・
あなたは誰?
わたしが、アレックス・ローパーよ。

「違う!あなたは、女じゃない!アレックス・ローパーは男よ!あなたなんかアレックス・ローパーじゃない!」

と拒否されてしまうアレクサンドラ・・・
このときの泣きそうなジョディ・フォスターの表情が秀悦。
泣きたくなりますよね・・・・

30代半ばで子どもを生んだ女優ジョディ・フォスターにとって、我が子と同じ年頃の女の事の共演は、さぞかし楽しかったのではないでしょうか。


 


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